
『Tシャツが乾くまで』6話考察まとめ(ネタバレ)
充はなぜ失踪した?怖すぎる理由
充本人の口から語られたところによると、疎遠だった両親に会いに行こうとしてあずさと一緒にバスに乗ったけど、その途中でいきなり「逃げるなら今だ!」と思い立って携帯も財布も置いてバスを降りたとのこと。
なぜこんな行動に至ったのか?徹底的に紐解いていきます。
咲子は充に「自分のどこが嫌いなのか聞き、悪いところがないって言われるのが1番辛い。直しようがないから!」と言っていました。
この“直しようがない”というのが充にとっても、真理なのでしょう。
充は親との関係で心に傷を負い、今の生活に悪いところ何一つがなくても失踪したくなってしまう。
充は咲子と幸せだからこそ、その関係がいつか壊れることに恐怖を覚えて、それなら自分の手で壊してしまおうと考えて失踪。
いつ来るかわからない心の痛みが、来るとわかってる心の痛みより耐えがたいから。だから充は自分から逃げてしまった(来るとわかってる痛みを選んだ)。
充自身でも治しようがない。咲子も治せない。つまり誰にも治せそうもない。そこに絶望や怖さがあります。好きなのに、一緒に居られない。いわゆる“回避型”の人間ですね。
充は飄々とした態度をとっていましたが、平気だったわけではなく、そういう態度を取ることで自分の心を守っていたのでしょう。
咲子と家族になる→家族=自分が嫌いなもの
2人が出会った結婚式で、抜け出してタバコを吸っていた充は、同じく抜け出した咲子から「2人でどっか飲みに行きましょっか?」と言われて、「突然いなくなったらみんな心配しますよ…」と返していました。
充は口ではそう言ったものの、このとき咲子にシンパシーを感じたのではないでしょうか?失踪というシンパシーを。
やがて充は咲子と結婚します。咲子は充と完璧な家族になりたがりました。
しかし充は心の奥底で“家族”という言葉に拒否反応を起こしている。それが溜まりに溜まって失踪に至ったと考えられます。
充と咲子は親と不仲ですが、心の傷の深さもベクトルも違うのかもしれません。
咲子は充と家族になり、さらに子供を望み(叶いませんでしたが)、完璧な家族を作ることで自分の心の傷を癒やそうとした。
充は、一緒にいるのが心地よくなって、幸せで、自然になったと感じると、つまり完璧な家族になってしまったと感じると拒否反応を起こしてしまう。よくわからない関係のままでいたかったのかもしれません。
人の心が花瓶のようなものだとして、ヒビ割れていたら誰がどんなに愛情を注いでも水は漏れて花は枯れる。
充はそういう奴なんだと思います。それを自分でも自覚しているから、他人事のような態度になってしまうのでしょう。
直人の回想で、充が「人を嫌いにならないコツは、嫌いになる前に離れる」と言っていましたが、この話と繋がってきますね。
充の過去も気になります。充は、親に「泣くな!とか甘えるな!」とか感情表現を押さえつけられて育ったのかもしれませんね。
充は回避型の人間
充はいわゆる“回避型”に近いです。人と浅く付き合うには問題ない。しかし関係が深まったと思っても縮まらない心の距離がある。
今回の充の言動(不倫について問われて、冷静な風に逆ギレ)を見ていると、明らかに心に壁を作っています。相手との距離を保って自分の心を守るための壁です。
サービスエリアで逃げるなら今だ!と思った理由について、充は「言っても理解してもらえないと思う」と咲子に話しましたが、これも典型的な回避型ですね。
理解してもらえないと思って話すのを諦める。
今後、ストーリーは充のような人間がどう生きていくかにフォーカスしていきそうです。
充がタバコをやめていたワケ
充はタバコを1年吸ってないと言ってましたけど、きっとアメスピを吸うと咲子と初めて出会った結婚式や、咲子との思い出が蘇ってしまうから吸えなかったのでしょう。
帰ってきて久しぶりにタバコを吸った充は、全然味しないと言ってました。これは、咲子といる現実をまだ受け入れられない示唆だと思います。
あずさと宮内の関係
古本屋の店主・宮内は、翔が作ったロボットの工作を見て「お母さん(あずさ)に似てぶきっちょ」と言っていました。“ぶきっちょ”という言い方が気になりますね。
あずさを小さい頃から知っていて、ぶきっちょ!といじっていたという想像もできます。前回の考察でも書きましたが、やはりあずさを保護して施設に入れたのは宮内なのかもしれません。
あずさは充に樹生のグチを言っていた?
充は「男女が二人でいたら、恋愛だって決めつけちゃう価値観をお持ちなんですね。偏見ですね…そういうの、園田さん(あずさ)にも押し付けていたんですか?」と樹生に言って、咲子にビンタされた。
充がこの状況でそれを言うのは間違っているかもしれませんが、言っていることは正しいかもしれません。樹生はあずさに、ちょうどいいという価値観を押し付けていたような描写がありますから。
もしかすると、あずさは充に樹生のことで悩み相談をしていたのかも。
あずさは宮内にも、ねえねえ店長、旦那に言えない話聞いて〜と言っていたようなので、樹生に対する不満は相当なものだったかもしれません。今後、あずさの葛藤が描かれることになりそう。
第7話は、あずさが親と不仲の充を理解していく過程が描かれるようですが、そのときに樹生への不満も出てくるのか。
ちなみに、樹生が不倫だと決めつけたいのは、不倫でなかったら一生あずさの影を忘れることができず、前に進めないからでしょう。
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