ついに最終回を迎えた『海に眠るダイヤモンド』。
鉄平と玲央の関係が反則級…。澤田(サワダージ)の正体もついに明らかに!
「最終回のラストシーン」「鉄平と玲央の関係の真実」「ギヤマンの意味」「海に眠るダイヤモンドのタイトル回収」などを徹底考察。
伏線回収と残った謎も全解説。
視聴後の忖度なしの感想:ラストはこれで良かったの!?良い点と悪い点もまとめました。
海に眠るダイヤモンド最終回ネタバレまとめ
最終回の主な出来事まとめ
最終回の結末ネタバレ
1965年端島:タバコを押し付けられたような鉄平の写真があった。
ヤクザの小鉄の兄・鋼市が出所。鋼市は弟の小鉄が死んでいることに気づき端島に侵入して誠を誘拐する。
鉄平は夜に鋼市に会う。そして俺が小鉄を殺した!と嘘をつき、誠を奪い返して小船に乗っていたリナと逃げた。
その後、鉄平は端島に帰ってこず、鋼市たちヤクザに追われて各地を転々としていた。
朝子は虎次郎と結婚して子供を儲けた。
賢将とはたまに本土で会っていた。鉄平はノートの朝子に関する記述を破ったり黒塗りしたりして賢将に渡す。自分がリナと駆け落ちしたように見せかけるためだ。
2018年:玲央は古賀孝明から鉄平の日記が11冊あると聞き、1冊澤田が隠していると知った。
澤田は自分が進平とリナの息子・誠だと話す。
玲央はいづみと端島へ渡る。宿で古賀孝明からデータで送られてきた映像を見て、鉄平と玲央が全然似てないとわかった。赤の他人だった。
船長によると鉄平も10年前に端島に渡ったという。その時に昔作ったギヤマンを住んでいた部屋に置いてきたらしい。いづみは取ってこようとするが、危険なため止められる。
乗船名簿から住所を調べて尋ねる。長崎市の職員・山口(麻生祐未)が鉄平の家を案内してくれた。鉄平は8年前に死んだという。
庭にはコスモスの花畑があった。いづみは自分の心の中に端島の人々は生きていると感じた。
玲央はツアーガイドとして充実した日々を送っている。
海に眠るダイヤモンド最終回終わり
→最終回9話&10話のストーリーネタバレ詳細はこちらで解説←
『海に眠るダイヤモンド』最終回の考察まとめ
鉄平と玲央の関係に衝撃!本当の意味は?
鉄平には家族がいない。結局、鉄平と玲央には何の関係もないことがわかった。血縁関係もない赤の他人で、見かけがそこまで似ていたわけではない。
いづみは、鉄平なら玲央を助けるだろう…と思って声をかけた。
玲央は、いづみの中に生きている鉄平から声をかけられたのだろう。
端島で生きていた男の生き様が、関係のない他人である玲央に伝わったからこそ意義深い…そんなコンセプトがある。
私たち視聴者が見せられていた鉄平(神木隆之介)は、玲央が日記を読みながら自分に似ていると想像していた玲央視点の鉄平ということになる。
いづみが端島の出来事を語り当時に切り替わるシーンも、実際はその話を聞いていた玲央の脳内が映像化されていた…ということ。
もしくは、いづみが鉄平の顔を正確に覚えておらず、玲央を見てこんな感じだったかしら…と回想が玲央の顔に上書きされてしまったイメージだろうか。70年前のことなので、ありそうといえばありそう。
また鉄平には家族がいなかったことで、ずっと朝子一筋だったこともうかがい知れる。
ギヤマンは朝子と朝の青空の色
鉄平が作ったギヤマン(ダイヤモンドの意味のガラス細工)はブルーだった。約束をした夜に朝子が来ていた上着やイヤリングと同じ色だ。
鉄平少年が鞍馬天狗に扮して朝子に渡した花瓶もブルーだ。
鉄平が作ったギヤマンは朝子との思い出の色だった。鉄平にとっては朝子こそが海に眠るダイヤモンドなのだろう。
また、朝子が鉄平を待ち続けて夜が明けたときの朝の空の色もブルーだった。ギヤマンは届けられなかったが、想いは空の色と共に届いていたのかもしれない。
そして6年後の2024年に玲央と会ったいづみもブルーの上着を着ている。
いづみはあの頃の朝子を迎えに行き、過去の自分(と思い出)と一体になることができた。心が救われた表現だろう。
3月に咲く寒菊の花言葉
鉄平が朝子に贈ろうとした花は寒菊(カンギク)で、花言葉は「けなげな姿」「繊細」「真の強さ」
「忍ぶ恋」。
寒菊は朝子のこと。そして鉄平と朝子の恋を表現している。
いづみのラストの想像で、鉄平から寒菊を渡されて「結婚してください」とプロポーズされた。
このとき、いづみは「キラキラしている…」と言っていたので花はギヤマンか、もしくは鞍馬天狗の花瓶に生けられて手渡されたのだろう。
海に眠るダイヤモンド=いづみの心の中の死骸
海に眠るダイヤモンドというタイトルには、石炭、進平たち大切な人の死、など色々な意味が込められている。
最終回でいづみがコスモスとその先にある端島を見て瞳を潤ませながら、私の心の中にあるとつぶやいたシーンで、本当の意味がわかった気がした。
いづみ(朝子)の心の中には、端島についての最悪の思い出、許せない出来事がある。鉄平の失踪だ。
そんな死骸のような思い出も心の中で眠っているうちに、キラキラと輝く思い出に変容していることがわかった。植物の死骸から石炭ができるように。
それが古賀孝明が言っていた「親父は時の流れにかけてみたかったんだと思います」のセリフにも繋がる。
最愛の人・鉄平の突然の失踪という思い出はいづみの中で死骸になり、時を経てまたダイヤモンドのように輝き出したのだ。美しいタイトル回収。
最終話での伏線回収を解説
第1話の赤ちゃんの血、リナのその後
第1話の冒頭でリナが抱えていた誠の顔が赤かったが、これは血だったことが判明(小鉄の兄・鋼市にアイスピックで肩を刺された)。
リナが朝子に会いに行かなかったのは、自分のせいで鉄平と結ばれることがなかったのであわせる顔がなかったのだと思う。
その話を聞いていた澤田誠は、恩返し+母・リナの罪滅ぼしの意味もあっていづみ(朝子)の秘書になったのだろう。
澤田は自分の存在のせいで朝子の人生が180度変わってしまったので、誠だと正体を明かせなかった。
8mmフィルム
古賀孝明が持っていた8mmフィルムは、第3話で映画監督・夏八木が撮影したもの。
映画オーディションの看板と、鉄平が外勤の腕章を引っ張っているシーンから同じものだとわかる。
賢将が端島の資料を集めるときに手に入れたのだろう。
11冊目のノートとギヤマンの謎
11冊目のノートは鉄平がずっと持っていたが、死後に賢将に渡ったと考えられる。
鉄平がなぜギヤマンを自分の部屋に置いたのかやツアーガイドを選んだ理由の考察はコチラ↓
賢将が現代のあのシーンに登場!
賢将が百合子に鉄平のことを話さなかったのは、百合子が朝子に対して抱える秘密を増やさないため。
百合子は幼い頃に朝子のせいで長崎に行くことになり被爆した経緯を朝子には話しておらず(第5話の内容)、それを墓場まで持っていく秘密にしている。賢将はそんな百合子に鉄平の事実を話して重荷を背負わせたくなかったのだろう。
百合子は20年前に病死したらしいが、もしかすると被爆の影響があったのかもしれない。
また、玲央といづみが浦上天主堂に来たときに賢将に似た人物が映っており、そのままの位置で1973年の賢将が座って鉄平と対峙するシーンに繋がる。
論理的に考えると賢将に似た人なのだが、賢将が今も天から朝子(いづみ)を気にかけている神演出だと感じた。
『海に眠るダイヤモンド』最終回の感想ネタバレ:この結末で良かった?
感動もあり、悲しすぎる鉄平の結末
時を超えた感動をありがとう。制作陣もキャストもお疲れ様。もう終わったと思うと悲しい。
そして、鉄平が8年前に死亡していた展開も悲しい。
最後はいづみと鉄平がどうにか再会して欲しかったけど、コスモス畑の感動があったので終わり方としてはよかったと思う。鉄平はずっと朝子と端島のことを思い続けていた。
誰からも愛されて、明るく、誰よりも端島のことを想っていた鉄平が最悪の人生を歩んだのは切なすぎる。
ヤクザに追われる辛い人生だったが、人生終盤は家も買って平穏に暮らしていたようだ。それがまだ救いだった。
鉄平と玲央になんの関係もない!多くの人は驚いたり「騙された!」と怒ったりしたかもしれないが予想不可ではなかったと思う(私は7話の時点で予想していた。誰もほめてくれないので書いておきます…澤田が誠だということも一応予想してた)。
全く関係のない時代と場所で生きる2人の男が繋がりあい、勇気をもらえる…そんな野木亜紀子さんの脚本らしいコンセプトが序盤のエピソードから明確だったし、それならワンチャン2人が全く関係のない説あるかも…と考えてたら現実になった。
モヤっとした点・残念な点
まず、色々な要素が詰め込まれ過ぎていたと感じた。
当時の端島の再現、友情と恋、家族、労働環境、身分の違い、大きな謎、これだけでパンパンなのだが、さらに現代編の玲央のホスト問題まで絡んでくるので、全体的に急ぎ足だった気もする。
全20話でもよかった(笑)。
そして考えてみると視聴者に予想や考察を当てさせないためにトリッキーな展開にしすぎたとも感じた。
本質は考察ドラマではなくヒューマンドラマだと思うので、考察要素やミスリードをもっと少なめにしてもよかった気がする。
結局、鉄平の容姿=神木隆之介さんにしたのは視聴者を騙すためだった理由が大きい。
視聴者が見ていた鉄平=神木隆之介は、真実でもいづみの視点でもなく虚像(玲央の想像、もしくはいづみの勘違い)…。これはやりすぎな気もする。
いづみが玲央に「鉄平とそっくり」とついた嘘がもとになっており、玲央が鉄平は自分に似ていると思い込んで日記を読んだ→その映像化が視聴者が見ている映像だったと理屈は通っている。
ただ、いづみの回想シーンと思われるところは記憶がおぼろげなことによる玲央の顔での上書きで、日記の部分は玲央が自分を鉄平に重ねていた視点だった…という設定には作り込まれた強引さを感じた。
また考察ドラマにするために多くの情報を後出しにした結果、少しバランスが悪くなっていたようにも感じた。
鉄平がリナと逃げた理由がヤクザだというのも最終話まで引っ張らなくてもよかった。
鉄平もヤクザから何年逃げてるんだよ?と思った。
小鉄の死体が上がらない以上、進平の罪も暴かれようがないので、ヤクザに追われて暴行された時点で警察に相談できるのでは?
なんにせよ他にヤクザから逃れる方法がありそうだと思った。
そもそも、小鉄の兄・鋼市はいくら鉄平が弟のかたきだからといって、ヤクザ組織も暇じゃないだろうに何年も追いかける余裕があったのが不思議。
鋼市は組長?そのレベルじゃないと私怨で部下を使って追い続けさせるとか無理そうだけど、そんな描写はない。
あと、元凶はリナで暗殺指令も出てたんだから「小鉄を殺したのはリナじゃないから、彼女はどうでもいいか…」となるのも変。それに鉄平を探したいならリナと誠を人質に取るとか考えそうだが…。
澤田がいづみに正体を明かさなかった理由は親である進平とリナの罪を知られたくないからだろうけど、逆に「当時の事情をいづみにだけは伝えて母の謝罪の気持ちを伝えたい」とはならなかったのか?
尺がなかったのだろうけど、澤田の葛藤はもう少し丁寧に伝えてくれた方がよかったと感じた。
あとは百合子は鉄平の事情を知らずにリナと駆け落ちしたと思ったまま死んでしまったのか?これも切なすぎる。息子の孝明も鉄平のことを知らない…ええっ。
賢将が晩年の百合子には本当のことを伝えていたと信じたい。
また、レオたちは古賀孝明の存在にもっと早く辿り着いてもよかったのでは?
全体として考察で引っ張るためにひねりすぎて、細かいツッコミが入る余地ができてしまったような印象も受ける。
もっとミスリードを減らして、現代パートを増やした方がよかったと感じた。
全体的には当時の端島を蘇らせてくれた時点で胸熱だし、細かい演出やキャストの演技に泣ける良作だでした。
↓最終回9話&10話のストーリーネタバレ詳細は下記の記事へ↓
→最終回まで全話のあらすじネタバレや考察のまとめ記事はこちら←
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