映画『口に関するアンケート』考察:杏の正体,ラストの意味ネタバレ解説,原作との違い

映画 口に関するアンケート

ホラー映画『口に関するアンケート』を公開初日に鑑賞!

背筋さんの同名短編小説が原作で、そちらも読了済みで臨んだ!

個人的には怖かったし、原作に輪をかけたメタ構造が面白かった。原作と映画で内容がかなり違う。

  • 映画のストーリーをラストまでネタバレ解説
  • 杏の正体とラストの本当の意味を徹底考察
  • 映画と原作との違い

これらを解説していきます!

原作の考察↓

https://music.jpn.com/entry/kutinikannsuru-2/

映画『口に関するアンケート』ラスト結末までネタバレ解説

草壁刑事(中村獅童)が失踪した大学生に関しての関係者の事情聴取をボイスレコーダーで聴いている。

4人それぞれが呪いの木に肝試しに行った日のことを語り始めた。

仲良しの4人で山の霊園に夜に着いた。翔太(板垣李光人)、達也(綱啓永)、杏(吉川愛)、美玲(MOMONA/ME:I)の順で1人ずつ呪いの木に行ってから車に帰ってくるコースだった。

翔太は、大きな呪いの木に大量のセミの抜け殻とセミが付いているのを目撃する。さらに地面はぬかるんでいる。翔太はそのまま車に戻った。

竜也は今は恋人の杏に元カレの翔太がヨリを戻そうとLINEをしたのを知って、翔太と話し合うために木には行かずに車に戻った。すると運転席の翔太が暗い顔をしてブツブツ何かを呟き、竜也が呪いの木の前に行かなかったことに激怒した。

杏が出発する。美玲は、杏の叫び声を聞く。翔太、竜也、美玲が呪いの木に駆けつけた。杏は呪いの木にのぼり、「上にいかないと食べられちゃう」と錯乱していた。3人は杏をどうにか連れて帰る。

しかし杏は翌日から失踪。

美玲が呪いの木について調べると、もともとは大切にされていたが、首を吊った女性がいるらしく、その後から呪いの木と呼ばれるようになって心霊スポットになったらしい。

草壁刑事はボイスレコーダーに堀田(森愁斗/BUDDiiS)や川瀬(西山智樹/TAGRIGHT)の音声も残されていることに気づく。2人は呪いの木に行った。そこで首の長い女が「地獄は下にありますから。高くしないと、高くしないと」と言って地面を掘っているのを目撃した。堀田が女に喋りかけると、大きな叫び声をあげた。2人は逃げたという。

川瀬がバイト先の後輩・翔太に呪いの木の話をしたらしい。

翔太は本当のことを話し出す、、、呪いの木のことを調べ、杏を奪った竜也を殺すために呪いの木に「羽化する前に死んだこの白いセミのように幸せの絶頂で次に来る人間を殺してほしい」と頼んだ。しかし竜也は呪いの木に行かず、次に来たのは杏だった。そして杏が呪われた。

草壁は、翔太たちが通っていた大学へ行き、翔太が貼っていた杏を探すビラを見て変に思う。大きな木しか映っていない。

草壁は週刊誌記者の西(柄本時生)にボイスレコーダーの内容を売ると話す。2人は呪いの木に行ってみることにした。

草壁はボイスレコーダーを聴きながら先に呪いの木がある霊園へ向かっていた。竜也や美玲、堀田らが話し終えた後、何かを蹴る物音が聞こえる。

翔太の元カノは実は美玲で、竜也が付き合っているのも美玲だとわかる。草壁は霊園付近のコンビニの監視カメラの映像を見る。翔太、竜也、美玲だけで、杏は映っていない。杏は最初から存在しなかった

ボイスレコーダーで、翔太は杏って誰だっけ?っと言って錯乱しながら木で首を吊って死亡。竜也、美玲、堀田、川瀬も同じ木で首を吊っていた。

草壁は呪いの木につく。あとでやってきた西が、失踪した5人に関してのボイスレコーダーの内容は買えないと言って帰る。

草壁は死ねやとつぶやく。セミの音が聞こえる。

エンディング:口に関するアンケート

最後にいくつかのアンケートがある。

Q:杏は以下の誰だと思いますか?

①首を吊った女性②呪いの木③セミ

Q:スマートフォンで録音されていたのはなんのため?
①記録のため②あなたに伝えるため

映画『口に関するアンケート』考察:杏の正体は?

存在しない杏の正体は?

杏は、口=いろいろな噂が作り出した想像上の霊が具現化した姿だろう。

呪いの木の噂が広まり、女の幽霊が出るという話も広まった。ネットで拡散された噂話のせいで、本当に呪いの木になり、本当に幽霊が出るようになった。

そう考えると、なぜ杏が肝試しにやってきた翔太、竜也、美玲を呼び寄せたのかもわかる。3人は存在しない杏の記憶を保持し、喋っていた。

噂話によって作られた霊=杏には、存在する理由がわからない。
だから存在の不在を埋めるために、3人に自分の物語を話させ、それをスマホで録音させ、自分が“こういう理由で死にました”と世間に広め、それを真実にしたかったのだろう

そう考えると納得感があるし、存在しない霊についての映画というのも斬新。

杏の漢字自体が、木に口。木が口による噂話のせいで霊的な力を帯びたと暗示している。翔太が杏を探していますと言って配ったビラにも写っていたのは木だった。

杏=呪いの木で、噂によって具現化された霊なのだろう

杏=呪いの木で首を吊った女性の可能性もある。

ただ、首を吊った女性の話は美玲が図書館で調べていたときに出てきたネット記事だが、そもそもその事件が本当か捏造かもわからないし、美玲たちの証言自体が呪いの木の力によって歪められているのでその描写が現実かも謎。

刑事も最初から呪われていた:ボイスレコーダーは誰が?

終盤で、翔太は呪いの木でスマホのボイスメモを使って独白をしていたことがわかる。なぜボイスレコーダーにその音声が入っていたのか。

草壁刑事が同僚の刑事から受け取ったのは、翔太たちが杏の失踪について警察に語ったときのもの。翔太が死ぬ間際の音声は本当は録音されていなかったが、翔太の声やセミの声を聴いて呪われてしまった刑事には、死ぬ間際の音声まで聞こえてしまったのではないだろうか。

口が発する音によって呪いが拡散されてしまうと思われる。

草壁は呪いの木に向かって死ねと言った。おそらく、呪いの木の力で記者の西は死んでしまうだろう。記者の西はその前に呪いの木に関しての記事を出版しそうである。

高くしなきゃ、地獄は下にありますから、食べられちゃうの意味

堀田と川瀬は、杏らしき女の霊が地獄は下にありますから、高くしなきゃ、食べられちゃうと言っているのを聞く。

地獄は下にありますから…というのは、噂によって出来た霊が5人の死体を埋めるために穴を掘っていたのかもしれない。

また、地獄というのはセミが7年間過ごす地中を指しているのだろう。

呪いの木にはたくさんのセミがいた。霊はセミの幼虫が穴を掘って地面に潜る過程を表現していたのかもしれない。

「高くしないと、食べられちゃう」については、羽化するために木に登ったセミが、低い位置だと蟻に食べられてしまう…という意味。羽化する場所を高くしないと…という意味なのだろう。

『口に関するアンケート』映画と原作の大きな違い

原作には、杏が存在しない…という後半の描写は一切ない。翔太は杏を取り戻したくて竜也を呪い殺そうとし、結果的に杏が呪われてしまって遺体で発見され、翔太が真実を知って首を吊る結末。

原作では堀田と川瀬が肝試しに行ったのは翔太たちよりあとで、彼らが杏の死体を見つけた。

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この記事を書いた人

映画やドラマの考察歴5年。映画好き歴20年。映画鑑賞累計2000本前後。ドラマは数百本。Webライター歴8年。いくつかのメディアでの執筆歴あり。2026年は日曜劇場『リブート』や『身代金は誘拐です』の考察を的中させました。映画やドラマの本質を追求するような解説や考察が書けるように日々精進しています。パーソナルな感想に普遍的な何かが少しでも宿っていれば幸いです。

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