Netflix映画『新幹線大爆破』(BULLET TRAIN EXPLOSION)を鑑賞!
時速100kmを下回ると新幹線が爆発してしまう!映画『スピード』の元ネタになった1975年の同名映画のリブートがNetflixに登場!
草彅剛が車掌、斎藤工が司令長を務めていてハマり役。監督は『シン・ゴジラ』『シン・ウルトラマン』の樋口真嗣!
- あらすじ・キャスト相関図
- ネタバレなし感想
- ネタバレ・ラスト結末
- 1975年オリジナルとの比較と考察
- 忖度なしの感想:良い点・悪い点の評価
- 真犯人の正体や動機について
これらの情報をまとめました。
Netflix映画『新幹線大爆破』あらすじ・作品情報
キャスト・登場人物の相関図
ネタバレなし感想
絶体絶命のピンチに立たされながらも淡々と仕事をこなす車掌・草彅剛や司令官・斎藤工が最高にカッコイイ。そして何十人〜何百人の人たちが対策のために一丸となって職務を全うする姿に痺れる憧れる。
日本の国力は総合力と正確さにあり!と見せつけてくれるストーリーで、連携して難題をクリアしていく過程のカタルシスがものすごい。この映画で日本の株価が上がりそうだ。
そして『平成ガメラ』『シン・ゴジラ』や『シン・ウルトラマン』など数々の特撮を担当してきた樋口真嗣監督だからこそできる迫力あるアクションや爆発のシーンが堪能できた。
鉄道好きはもちろんメカニックが好きな人は興奮すること間違いなし。
事前情報なしで見たので1975年の『新幹線大爆破』の現代版リブート・リメイクかと思っていたらガッツリ続編の要素もあった。
Netflix『新幹線大爆破』ネタバレ・ラスト結末の解説
政府はテロリストとの交渉はしない姿勢を見せた。1000億円は用意しないという。
はやぶさ60号が東京に到達する数時間のあいだで、どうにか爆弾の対応をしなければならない。
司令所にやってきた総理補佐官・佐々木(田村健太郎)は、爆弾や犯人の手がかりを集めるために乗客やマスコミへの情報開示を指示した。
爆弾が仕掛けられていると知って乗客はパニックになった。
ママ活不倫が騒がれた加賀美 議員(尾野真千子)がみんなをなだめようとするが、逆に喧嘩になっててしまう。
後藤社長(松尾諭/運営する会社の観光用ヘリが小学校へ墜落して生徒が死亡した事件で責任を問われている)が乗客の中にいることがわかり、彼と他の乗客との殴り合いのトラブルが勃発した。
大富豪 Youtuberの等々力満 (要潤)は生配信で入金用のサイトを公開し、全国民に1000億円の投げ銭を呼びかけた。
はやぶさ60号の進路に故障中の他車両があることが判明。笠置(斎藤工)が高市(草彅剛)に連絡し、一時的にレールを切り替えて逆線を走る計画を伝える。しかし逆線からは別の新幹線が来ている。
運転手が松本が速度を維持して路線変更を決行するが、線路切り替えの際に向かいからくる列車に少しかすって大きな衝撃が起きた。しかし速度は100kmを下回らず、作戦は成功する。
笠置は後部車両を切り離し、救出用車両を追いつかせて繋ぐ作戦を立てる。
高市や乗客にいた電気技師の篠原(六平直政)らが作戦の中心となる。まず別の新幹線を120kmで並走させて車両切り離しようの工具を渡した。
その工具によって切り離しが成功すると、別の運転士・福岡祐希(尾上松也)が救出用の新幹線を操縦してきてはやぶさ60号とドッキング成功。乗客たちは救出用の車両へと避難した。
高市と藤井は、「死にたい」と自暴自棄になって暴れる後藤を抑えこんでいた。
修学旅行中の女子生徒・小野寺柚月(豊嶋花)が見つからない。先生や加賀美、等々力らが柚月を探すために救出用車両からはやぶさ60号へ戻る。
救出用車両の非常ブレーキが作動してしまい100kmを下回りそうになる。松本は急ブレーキをかけてドッキング部分を破壊した。衝撃で破片が飛び、それが藤井車掌(細田佳央太)に突き刺さる。
藤井は重傷を負って意識を失った。ドッキング部分は壊れ、救出車両への移動ができなくなった。
乗客のうち340名は救出車両へ移動して助かったが、高市、藤井、松本、加賀美、林、等々力、さくら先生、柚月、後藤の9名は はやぶさ60号の先頭車両に取り残された。
そんな中、柚月が父親に電話する。柚月の父・小野寺勉は1975年の新幹線大爆破のときに犯人を射殺した当時の警官で、そのことを周囲に自慢にして生きていた(実際は犯人・古賀は自爆した)。
勉は柚月に暴力や精神的な虐待を繰り返してもいた。柚月は父にこれまでの恨みを伝えて起爆の信号を送る。小野寺勉の家は大爆発。彼は死亡した。
爆弾を仕掛けた真犯人は女子高生の柚月だった。
柚月は高市たちや司令室の笠置に「父を絶望させて葬る目的は達成した。爆弾を解除する方法は私を殺すことだ」と衝撃の事実を告げる。柚月の心臓には持病のために心拍検知のモニターがあり、心拍が検知されなくなると起爆解除の信号が送られる仕組みだ。
柚月の動機は「ウソで塗り固められた世界を壊したいこと」だった。
爆弾を作った古賀(ピエール瀧)は、1975年の新幹線代爆破の犯人・古賀勝の息子で爆破師だった。古賀は柚月の境遇に共感して爆弾を作り、柚月に渡したのだった。古賀は警察に見つかって逮捕される。古賀は「残りの爆弾は1号車、4号車、6号車にある」と自白した
高市は柚月を絞め殺そうとするができず、柚月を抱きしめる。
しかし、このままでは終点の東京駅で大爆発を起こす。
笠置はレールをつなぎ変えて鹿児島まではやぶさ60号を走らせる計画を立てるが、上層部の許可が降りずに途中で中断を余儀なくされる。
最後の策として、はやぶさ60号の7・8号車を切り離して脱線させる方法を提案する。高市たちは全員で協力して緩衝材などを集め7号車へ移動する。
車両が切り離されて脱線して横転し、ものすごい衝撃が高市たちを襲った。高市たち9名は全員が助かった。(藤井車掌もなんとか持ち堪えて救急車で運ばれた)。
柚月は警察の川越に捕まった。川越は「投げ銭で本当に1000億円集まった。日本も捨てたもんじゃない」と告げる。
高市と松本は生還を喜び合う。仲間たちが高市の冷静な対応を褒め称えた。
笠置たちはひと安心した直後に他の列車の運行を戻した。
映画『新幹線大爆破』(2025)終わり
映画『新幹線大爆破』1975年オリジナルとの違い考察
Netflix映画『新幹線大爆破』(2025)は1975年の原作のリブートでもあり続編でもあるような興味深い位置付けの作品だった。
1975年版でも新幹線が故障車両を迂回するシーンがあり、Netflix版はそれをしっかり踏襲している。
また1975年版では車両の切り離しは検討されるが「内部からは切り離し不可」とわかり諦めている。2025年のNetflixでは出来なかった車両の切り離しを中盤で実行してみせた。
1975年版は、高倉健演じる沖田や山本圭演じる古賀勝といった犯人に感情移入できるハードボイルドな物語で、警察との騙し合いや追跡劇が大きな見どころだった。
爆弾を仕掛けた犯人・沖田たちの側がまっとうな人間として描かれており、どちらかというと警察が犯人を騙す汚いやり方をする組織として描かれている。
Netflix版の犯人・柚月の父・小野寺勉は、1975年版の警察の汚さを引き継いだ人物なのだ。
1975年当時の警察の汚さが(小野寺勉の人間性に継承されて)Netflix版の爆弾テロを招いた格好となる。そういう意味では正当な続編といえるだろう。
1975年版は時代の移り変わりに取り残された犯人たちの絶望をメインに描き、
2025年版では世代間の負の連鎖をなんとか止めようとする人々の希望が描かれている。
2025年版がしっかり1975年のオリジナル版のアンサーとなっている点が素晴らしい。
映画『新幹線大爆破』感想と評価
良かった点:シン・ゴジラ方式で盛り上げた
監督の樋口真嗣が庵野秀明のもとで作り上げた『シン・ゴジラ』(2016)では政府高官と各責任者、そして多くの技術者たちが連携プレーでゴジラと戦った。
『新幹線大爆破』もそのシン・ゴジラ方式を採用したもので、個人戦でなく集団の連携が大きな見どころだった。
「JR東日本新幹線総合指令所・司令長」と長い肩書きがこれ見よがしに表示される圧倒感もシンゴジラっぽい。
主人公格の草彅剛や斎藤工が物語を引っ張っていくわけではなく、それぞれの登場人物が連携していく過程にカタルシスがある。
主人公は個人でなく、集団による連携プレーなのだ。
あとは新幹線のレールを切り替えたり車両を切り離したり脱線させたり、メカニック素人の私でもワクワクしてしまう機械の美しさが存分に描かれていた。好きな人にはたまらないのでは?
爆発、脱線などのアクションのクオリティもかなり高くて見応えがあった。
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残念な点:それぞれのキャラが薄い
シン・ゴジラ方式にしてしまったトレードオフとして、登場人物たちの人間ドラマ・成長譚が非常に薄味だった。
連携プレイについてもシンゴジラほどの規模感はないため、全体として「満足度が超高い!」とまではいかなかった。
また記号的なキャラクターが多いのが残念。イケイケで配信してカッコつけて横文字を使う大富豪系Youtuberのキャラが特にありきたりだと感じた(要潤が悪いわけではないと思う)。
ママ活をしているような議員が案外芯があっていい奴というのも寒い(尾野真知子の演技はすごく良かったけど)。保身のことしか考えてないような人が急にいい奴に変わるパターンは色んなコンテンツで多分1000回くらい見た。
映画の醍醐味は登場人物の成長。それをあまり掘り下げない手法は成功してはいたが、規模感とキャラ設定のせいかシン・ゴジラほどの爽快感は得られなかった。
真犯人の正体がトンデモ過ぎてついていけない
後半で真犯人が女子高生の柚月だったと判明。ぶっ飛び展開すぎてついていけなかった。
全体的にはハイクオリティなアクションなのに、犯人の設定だけがリアリティがないB級スリラー。
爆弾自体は古賀(ピエール瀧)が作ったとしても、設置や起爆の設定とか女子生徒の柚月にできる能力があったの?その辺が説得力ある形で描かれていなかった。
一応、古賀は爆弾がある車両の位置を知っていたので、設置するときに指示はしたのかもしれない。
序盤の貨物の爆弾はいつ仕掛けたのかも気になる。これは古賀だろうか(1975年版では父の古賀勝が貨物に爆弾を仕掛ける)。
柚月の父親が1975年の新幹線大爆破に関係した警官の1人だった。その父のDVで人格を破壊されていたことが彼女の動機だとわかる。
だけどそこから新幹線の大爆破を計画する!というのは規模感にギャップがありすぎて入り込めなかった。
個人の復讐にしては壮大すぎるうえに、それを女子高生がやっちゃうためにダブルで現実味がない。
その辺は目を瞑ったとしても、車掌の高市に抱きしめられて改心しかけるようなブレブレの女子高生がこれほどの計画を実行できる説得力にやや欠けていた。
まとめると『新幹線代爆破』(2025)はアクションやメカニックは素晴らしかったし、1975年の続編とするコンセプトも最適解だったと思う。
ただ人間ドラマが薄味な部分や真犯人の正体についていけない部分があり、少し残念だった。普通〜佳作くらいかな。
2025年公開の映画レビュー





『新幹線代爆破』キャスト
キャスト(新幹線の中)↓
高市和也(車掌)|cast 草彅剛
藤井慶次(車掌)|cast 細田佳央太
松本千花(運転士)|cast のん
等々力満(大富豪 Youtuber)|cast 要潤
加賀美 裕子(議員)|cast 尾野真千子(『阿修羅のごとく』)
林広大(秘書)|cast 黒田大輔
小野寺柚月(生徒)|cast 豊嶋花
後藤正義(謎の男)|cast 松尾諭
市川さくら(先生)|cast 大後寿々花
篠原圭造(電気技師)|cast 六平直政
新幹線の外にいる人物↓
笠置雄一(総括指令長)|cast 斎藤工(『海に眠るダイヤモンド』)
新庄一(保線担当)|cast 田中要次
川越吉晴(刑事)|cast 岩谷健司
佐々木健太郎(総理補佐官) |cast 田村健太郎
諏訪茂(内閣官房長官)|cast 坂東彌十郎
福岡祐希(運転手)|cast 尾上松也
古賀(爆弾製造犯)|cast ピエール瀧
コメント
7・8号車を切り離して脱線させる作戦の時に、7・8号車に爆弾がついていないことをなぜ斎藤工は知っていたか分かりますか?
爆弾を作った古賀(ピエール瀧)が警察に逮捕され「残りの爆弾は1号車、4号車、6号車にある」と自白したからです。
藤井車掌のケガは助かったのですか?
藤井車掌はなんとか一命を取り留めました。
全員無事だなんてあまりにも現実的ではない