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VIVANT17話考察:劉銘軒(リュウミンシュエン)の暗号「10日」は黙示録に繋がる
劉リュウミンシュエンが胸を叩くサインと「10日で戻ってきますから」を、聖書の黙示録と重ねて考察していきます。後半は別班員移送のハッキング映像と、劉が見せた監視カメラ映像の時系列相違問題を検証します。
結論から言います。劉のあの仕草と10日という数字は、聖書の黙示録の一節を指した野崎へのメッセージだと思っています。
なぜそう読めるのか。まず劉の心理から順番に見ていきます。
劉は、野崎に情報を流した疑惑の毛じいさんの調査について、ハン・リンシンからお役御免と言われて表情を曇らせていました。
劉は、毛じいさんがかつての仲間、もしくは今も仲間なので、自分が調べた方が色々と都合がいいのに、、、と思ったのかもしれません。ただ、劉はハンから邪険に扱われてムッとしているようにも見えました。意外に雑に扱われている。
劉は性格がどぎつ過ぎるから疎まれているのでしょうか。5年前も野崎の制止を振り切って捕まってますし、実は劉はそんなに仕事ができない奴なのか。
このお役御免と言われた後に、劉はモニター越しに、野崎が「ドラム痩せたな」と優しい言葉をかけるところを見ているんですよ。もしかしたらこの瞬間に、5年前に野崎は本当に命をかけて自分を救おうとしてくれたと本当の意味で悟り、野崎側につくことを決めたのかもしれません。
劉ミンシュエンがどの程度シンシーに忠誠を誓っているのかは、ハンからお役御免と言われて表情を曇らせたことからも、微妙な感じですよね。
5年前、劉は拷問の末にシンシーだと告白してハンに助けられましたけど、あとになって劉は、ハンが事前に自分が拷問されていると知っていたという情報を得た、などの経緯があるのかもしれません。
ハンは劉を重宝しておらず、死んだら死んだで野崎を取り込む材料にしようと考えていた。北朝鮮側から連絡を受けたので、体裁上助けに行って、野崎には死んだというフェイク映像を送った。
劉はそれをあとで知ったのでは。しかし、劉はその後もシンシーに居続けた。でも、潜入の任務と自らの命を投げ打ってまでエージェントのドラムを助けた野崎を見て、自分がシンシーに居続けたことが間違いだと悟ったとか。
その後、牢屋のシーンで、劉は野崎に向けて右手で胸を平手で3回叩きました。帰ったらテントのことについて伺いますから、と言ったときにトントントンと。
まず中国文化の面から。中国で手で胸を叩く動作は、「拍胸脯」パイ・シォンプーと言います。意味は「約束を交わす、責任を持って保証する」。日本語の「胸を叩いて請け合う」と同じですね。
つまりあれは、約束する、任せておけ、という意思表示になります。わかりやすい共闘の示唆です。
そしてもう一つ、キリスト教の読み方があります。
カトリックには、胸を叩く祈りがあります。ミサで罪を告白する場面ですね。「私の過ち、私の過ち、私の大いなる過ちによって」と唱えながら、胸を打つ。伝統的な形では、これを3回やります。
VIVANTの第2シーズンでは、キリスト教の匂わせがずっとありますよね。ノアの方舟が漂着したアール山に始まり、新庄はカトリックで、鈴木もクリスチャン。舞台にエルサレムが出てきて、核融合の博士の名前は、旧約聖書の預言者と同じエリシャです。
どちらか一つに決める必要はないと思っています。むしろ劉ミンシュエンという男を考えると、両方だったと読むほうが自然です。劉は5歳から中国の組織に育てられて、日本で育って、野崎の部下として日本側にもいた。どちらの文化も体に入っている人間ですから。中国語で任せておけと言いながら、キリスト教の形ですまなかったと伝える。ダブルミーニングのジェスチャーとも取れます。
ただ、10日という数字と合わせると、キリスト教側の読みがぐっと具体的になります。ここから先はそちらを深掘っていきます。
カトリックの胸を打つ動作が罪の告白だとしたら、劉が伝えたのは過ちと謝罪です。
北朝鮮で死んだふりをして、7年間ずっと黙っていたこと。野崎に傭兵まで雇わせて助けに来させたのに、何も言わずにシンシー側に居続けたこと。
そして10日で戻ってきます、という言葉。一番関連性が高いのは、新約聖書のヨハネの黙示録2章10節のです。
「悪魔が試みるために、あなたがたの何人かを牢に投げ込もうとしている。あなたがたは、十日の間苦しめられるであろう。死に至るまで忠実であれ。そうすれば、あなたに命の冠かんむりを授けよう」
牢に投げ込まれている。十日。試みるため。死に至るまで忠実であれ。
野崎の状態と、全部一致します。
劉は野崎に、忠実であれ、つまり決してテントの情報を売るな、10日で助けに来る、と伝えているのだと読めます。
しかも聖書のこの手紙の差出人は「一度死んだが、また生きた方」。原文では「一度死んだが、また生きた方」イエス・キリストを指しますが、野崎の視点からすれば、一度死んでまた生きた男は劉ミンシュエンです。
劉は胸を叩くジェスチャーでシンシー側に居続けたことを謝罪し、黙秘すれば10日後に助けると伝えた。そう考えると、あの短いやりとりの意味が通ります。
ただ、ここで問題がひとつ残ります。
野崎には水も食事も与えられていません。人間が水なしで生きられるのは3日か4日です。10日は絶対にもたない。
ここで、悪役会議室にも出ていたシンシーの諜報員・沈俊宇(シン・ジュンユー)、通称フードロスニキが効いてきます。
説は2つあります。
ひとつは、フードロスニキが実はテントのモニターで、野崎がテントの情報をバラさないよう、独断で餓死させようと動いている線。ハンが劉に日本語で話せ!と言ったとき、横にいたのがこの男でした。ハンがシンシー内部のスパイに気を遣っている示唆にも見えます。
もうひとつは、フードロスニキが劉の部下という線。
野崎が衰弱すれば、ハンは慌てて牢屋から出して治療させるはずです。牢の中の人間を運び出すのは難しいけれど、医務室に移された人間を運び出すのは簡単ですよね。飢えさせているのは、殺すためじゃなく外に出すためかもしれない。
そう考えると、水も食事も与えないことと、劉が10日で戻ると告げたことが、同じ計画の一部として繋がってきます。ただフードロスニキがそろそろ水くらいは与えないと野崎は10日は持ちませんけど。
ここから先はひとつだけ、飛躍した読み方を置いておきます。
黙示録の「一度死んだが、また生きた方」を、劉ではなくベキだと考えるとどうなるか。
もし劉の行き先が長春ではなくベキのもとだとしたら、劉と野崎はずっと以前から繋がっていたことになります。ただ、これは今の段階では材料が足りないので、可能性として置いておくだけにします。
いずれにせよ、劉は10日という言葉とジェスチャーで野崎にかなり明確にメッセージを伝えていたと読むことができます。
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別班員移送の時系列が合わない,時系列トリック?ミス?
まず結論から言うと、これは制作側の日付ミスの可能性が高いと思っています。理由を先に説明します。
事実関係を整理しますね。
佐野の尋問時に、乃木たちが別班員移動の映像をブルーウォーカー太田のハッキングで確認しています。しかし劉と野崎の側では、日付が1日後になっているんですよ。上空からの移動を映した映像は、双方で同じなのにも関わらずです。
時系列を具体的に言います。AIハヤトが、野崎から東条に送られてきた送金について話していて、送金の完了日時が日本時間で5月24日の20時44分ぴったり。
ハヤトは8分前に送金されたと言っているので、乃木が送金額にπをかけて座標を導くシーンは、その8分後の20時52分くらいになります。
その後、乃木のディープフェイクで薫に電話したのが、薫のスマホ画面から21時07分。なのでブルーウォーカーが別班員移動のハッキング映像を見せたのは、24日の21時10分ごろということになります。
劉が野崎に見せた映像のほうはもっとわかりやすくて、トラック内の映像から2023年5月25日の16時13分だとわかります。
そして移送の正しい日付は25日です。
17話でAIハヤトが、フェイクの移送先であるジャマル収容所で調理人とまかない人の募集が急遽行われた、募集開始は移動を開始した前日だ、と言っています。
募集ページの日付が24日で、これが移動の前日なので、移動は25日ですね。
また、仮に移送が24日だとするなら、野崎がレストランでシャキ城のメモをした24日19時より前に移送が完了していることになりますから、そもそも時系列が合いません。
ではなぜ日付がずれたのか。
ゴルバド国はアゼルバイジャンの横にある設定なので、日本との時差はおよそ5時間。日本が5時間先です。
日本時間で21時10分なら、ゴルバドは16時10分ごろ。劉が野崎に見せたトラック内の映像が16時13分ですから、時刻はぴったり合うんですよ。ズレているのは日付だけ。
つまり、AIハヤトの部屋のシーンが本当は25日で、表示が24日になっていた。それだけの話かもしれません。
ただ、もし日付がミスじゃないとしたら、どうなるか。ここから先は、そう仮定した場合の話です。
考えられるのは、ブルーウォーカー太田がシンシーに脅されている危機を、乃木たちにわかりやすく伝えた可能性です。ブルーウォーカーがハッキング映像を差し替えた線ですね。
乃木たちは、現地別班員の田代からも別班員の移動が25日だと聞いています。日付が食い違えば、おかしいと気づくだろう、助けてくれ。そう見込んでのSOSという説です。
ブルーウォーカーが出したハッキング映像と、劉が野崎に見せた上空からの映像がほぼ一致していたので、同じ素材だと考えられます。しかし実際の移動は25日なので、24日の時点で同じ映像を出せるはずがない。
とすると、映像を差し替えたことになります。新庄が逃亡の際に新富士空港の映像を数ヶ月前のものと差し替えさせたように、別班員たちがシャキ城から運び出された時ではなく、城に運び込まれた以前の映像を似たものとして使ったのかもしれません。
ブルーウォーカー太田がシンシー側についている理由は、黒須を殺さない代わりに脅されているからでしょう。シーズン1の第6話で太田のマンションは公安の東条が特定していますし、鈴木経由でシンシーにブルーウォーカーの情報が渡っていてもおかしくありません。
ただ乃木がブルーウォーカーの裏切りに気づいても、露骨に対策したり、何か話をしたりすれば黒須が殺される可能性があります。だから壁のあの傷にカメラを仕掛けて監視するという、苦肉の策で対応している。そう読むこともできます。
ブルーウォーカーは別班の任務だけでなくシンシーにも協力させられているので、部屋のゴミが片付けられず、睡眠もろくに取れずでやつれているのでしょう。
ただ、この差し替え説には2つの条件が必要です。
1つ目は、ブルーウォーカーの部屋にシンシーの監視カメラが仕掛けられていないこと。公安が太田のマンションを特定している以上、鈴木が脅してカメラを付けさせる可能性は高いです。監視カメラがあれば、太田がなぜか前日に移送の映像を見せていることがシンシー側にバレます。
ただここは、ハンが太田に連絡して黒須の件で脅しているだけで、監視カメラは仕掛けられていないと考えられなくもありません。
2つ目は、シンシーの偽装作戦を、太田が24日の時点で知っていなければならないことです。ハンが作戦の中身を太田にまで話す可能性は低いですよね。
太田と毛じいさんが繋がっていて、野崎の作戦でおそらく別班員移動のフェイク作戦が実施されるだろうと伝えられていたとか。
太田の部屋にシンシーの監視カメラはなく、さらに太田が、ハンか、もしくは毛じいさんなどから移送のことを聞いていて、すり替えようの映像を流した。乃木たちにSOSを伝えるため。
とはいえ、条件が多すぎるのも事実です。
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