
『ポリティカルパン』1話の解説&考察まとめ(ネタバレ)
弥生は、最近の一般家庭にはお金がなくて商売上がったりだとぼやき、次の獲物に機密費を選びました。この選択が、じつは理にかなっているんですよね。機密費は、盗まれたと騒いだとたん、ほかの秘密まで掘り返されかねないお金だからです。
被害届を出せば、金庫の中身まで見られてしまう
もちろん、機密費だって盗まれたら被害届は出せます。
実際に2001年には、外務省の松尾克俊元室長が首相外遊の経費名目で機密費を受け取り、約9億8700万円を懐に入れたとされる事件が起きています。松尾さんは詐欺容疑で逮捕されました。
ところが、この事件をきっかけに、外務省の報償費が首相官邸に「上納」されていたのではという疑惑が浮上します。当時の森喜朗首相や福田康夫官房長官は否定しましたが、2010年には岡田克也外相が、政府として初めて上納の存在を公式に認めました。
警察が動けば、お金の流れはまず洗われますよね。裁判になれば、金額も保管場所も法廷で読み上げられる。いくら手元に置いていたのか、誰に渡すつもりだったのか。記者からは答えにくい質問が次々と飛んでくるでしょう。泥棒を捕まえたい気持ちより、金庫の中身を見られたくない気持ちが勝ってもおかしくありません。
よって、弥生(石原さとみ)がばら撒かれている官房機密費を盗み、国自党は被害届を出したくても出せない…こんな展開になるのでは。
弥生の「選挙コンサル」はグレーゾーン
機密費には、国会議員にでもならないと近づくことすらできない。乾(渡部篤郎)に笑いながらそう言われた弥生は、小早川雅(河合優実)を千葉17区から出馬させ、自分は選挙コンサルの座におさまりました。
現実の公職選挙法では、陣営がお金を払っていい対象はかなり限られています。事務員や、選挙カーの上でマイクを握る運動員、それにポスターやチラシの制作費などですね。お金を払って選挙運動そのものを頼むと、買収にあたるおそれがあるんです。
2024年の兵庫県知事選では、PR会社の社長が斎藤元彦知事の陣営で広報全般を担ったとネットに書き、買収の疑いが持ち上がりました。
神戸地検は2025年11月に嫌疑不十分で不起訴としたものの、選挙コンサルがどれだけ危うい線の上で仕事をしているか、よく分かる騒ぎだったと思います。
弥生は無報酬でコンサルを引き受けるつもりなのか。それとも架空の国ニッポニアだからコンサルに金を払ってもOKな設定なのか。細かい部分かもしれませんが少し気になりました。

コメント