2025年に広瀬すずさん主演でドラマ化された『クジャクのダンス、誰が見た?』。
原作漫画の全巻(1巻〜最終7巻)の登場人物と内容をネタバレありでまとめました。
その巻の内容の簡単まとめと詳細のまとめあり。予習・復習にどうぞ。
ついに原作漫画が完結! 最終回のラスト結末はどうなったのか!?判明した真犯人・黒幕の正体を徹底解説!最終巻のエピローグで心麦の進路も描かれる!
考察や判明した事実のまとめもアリ!ドラマ版全話の内容にも触れています。
『クジャクのダンス、誰が見た?』原作の登場人物
©︎浅見理都/講談社
『クジャクのダンス、誰が見た?』1巻ネタバレ
女子大生の山下心麦(やました こむぎ)は元刑事の父・春生(はるお)といつもの屋台でラーメンを食べる。
心麦はそのまま1人で映画を見に行った。映画のあとで父と合流して帰る予定だったが連絡がつかない。家に帰ると自宅が燃えている。父・春生はその火事で亡くなった。放火殺人だった。
心麦は葬式で春生の同僚だった赤沢刑事から「春生殺害の犯人・遠藤友哉 (えんどう ともや)33歳を逮捕した」と告げられる。
遠藤友哉は、かつて春生が刑事だった頃に担当した東賀山事件で死刑宣告された遠藤力郎死刑囚のひとり息子であることが判明。
東賀山事件とは2000年7月7日に林川安成(はやしかわやすなり)さん一家6人が殺害された事件。林川一家の6人は首を吊った状態で発見され、当時生後半年だった次女・歌のみ生き残った。
遠藤力郎の犯行動機は林川安成に借金をしていたことだと言われている。
遠藤友哉は父・力郎が死刑になった逆恨みとして担当刑事だった春生を狙ったと考えられた。
友哉は養護施設でいじめを受け、就職後に職場の上司の家に放火した前歴がある。
心麦はラーメン屋の店主・染田から父・春生が残した手紙を受け取る。
封筒には300万円が入っており「私が殺された場合、ここに名前を書かれている人物が逮捕されたら冤罪だからこのお金で弁護士の松風義輝 (まつかぜ よしてる)に弁護を依頼してほしい…」と書かれていた。その中に遠藤友哉の名前もあった。
心麦は松風義輝の事務所へ行く。
しかし松風から「被害者の娘が容疑者の弁護を依頼してくるなんて怪しすぎる」と言われ依頼を断わられた。
松風は父・春生とも知り合いではないようだ。
心麦は父が昔言った「ジャングルの中で踊るクジャクのダンス 誰が見た?」という言葉を思い出した。孔雀のダンスを誰も見ていないければ存在していないことと同じなのか?というインドの問答だ。
松風は心麦が何かを企んでいるのではないと考え、遠藤友哉の弁護を引き受けることにする。
心麦は共同で事務所を経営している松風の幼馴染・波佐見(はさみ)とも会った。
心麦は火事で焼けた自宅に不法侵入していた記者・神井孝(かみい たかし)に会いに行き、自分が父・春生の本当の娘ではない…と聞かされて驚くのだった。
『クジャクのダンス、誰が見た?』2巻ネタバレ
記者の神井は「心麦が春生の実の娘ではないというのは自分の勘だ」と笑う。
心麦は松風の事務所でしばらく働くことになった。
心麦は父と関係が深かった赤沢刑事の家へ行き、父が残した手紙について話す。
赤沢は、犯人の友哉が春生を脅して書かせたのではないか?と推測。
そのあとで赤沢の妻・京子や息子で刑事の守(まもる)と一緒に鍋を囲んだ。
心麦は昔の写真を見て涙を流す。自分と父・春生と母・静香、そして赤沢家も一緒に花見をしている写真だった。
赤沢は、殺人放火の容疑者・遠藤友哉の逮捕にゴーサインを出した阿南検事になぜ起訴しないのか尋ね、春生が残した手紙を見せた。
阿南は手紙の存在をもとから知っており、ある人物に電話で報告する(染田の店でラーメンを食べている人物)。
神井が松風の事務所にやってきてDNA鑑定の結果を見せた。心麦と伯母・木村夏美の鑑定で、生物学上の伯母と姪ではないということだった。
鑑定結果が確かなら、心麦は春生の実の娘ではないことになる。
さらに神井は東賀山事件で生き残った林川歌(はやしかわうた)と心麦が同年代だということを指摘。
心麦は犠牲になった林川安成の娘・歌なのか…。
心麦は伯母・夏美の家へ行った。夏美は「あんた(心麦)とは血のつながりがないから春生の財産はすべて私が管理する」と言った。その会話のやり取りを神井がこっそり録音している。
松風は神井から送られてきた音声データを聞いておどろいた。春生が「林川にもあなたの父・力郎にもとんでもないことをした」と友哉に謝罪している音声だった。
『クジャクのダンス、誰が見た?』3巻ネタバレ
松風は染田のラーメン屋へ行って話を聞く。染田は「心麦が初めてきたときまだ2歳だった。母親の静香さんがたくさん食べるので他の子よりひとまわり大きと話していた…」と語る。
さらに染田は「お母さんを癌で亡くしたとき、心麦ちゃんは一時的に味覚を失った」と話す。今回も小麦は父・春生を亡くしたショックで味覚がなくなっているようだ。
松風は弁護士として遠藤友哉に受任される。そして神井が送った音声データは元は動画だと知った。
松風は神井に会いその動画を見る。春生が友哉に、あなたの父・力郎は冤罪だった…と謝罪している内容だった。
心麦は当時の情報を調べる。林川歌は2000年1月生まれ。自分は2001年2月6日生まれなので年が違うと安心した。
赤沢刑事は春生の手紙を偽造した容疑で染田を事情聴取。染田は手紙を偽造したと自白した。
解放された染田は何者かと電話でしゃべり、「話が違う!」と声を荒げた。
染田は心麦を呼び出し、「金を受け取って手紙を偽造したと警察に嘘の証言をしてしまった」と涙ながらに告白。染田は警察に「もう1度行って証言を撤回する」と話す。
その後、染田は河川敷で意識不明の状態で発見され、病院へ搬送された。
『クジャクのダンス、誰が見た?』4巻ネタバレ
染田の過去:父から受け継いだ畳店がバブル崩壊の波を受けて倒産。妻子に捨てられ、サインの偽造の仕事をしながらシャブにも手を出した。逮捕された際に春生と出会い、その後に開店したラーメン屋にも春生は来てくれた。しかし最近になって、染田はある常連客から春生の情報を渡してほしいと頼まれて1千万円とシャブを受け取ってしまう。
現在。染田は搬送先の病院で死亡した。心麦は悲しむ。自殺との見方もあったが、何者かに口封じのために襲われた可能性も捨てきれない。
心麦は幼馴染で大学でも一緒の親友・ありさから、生前の父を何度か裁判所で見かけたと聞く。松風と日程を確認すると、どうやら松風が裁判所にいた日とかぶっているようだ。
松風と波佐見は刑事事件を担当している知り合いの弁護士にメールで確認。すると、どうやら春生は鳴川弁護士の裁判を傍聴するために裁判所へ行っていたようだと判明する。
松風は心麦を連れて、春生の手紙に書かれていた三木田辰雄の家へ。三木田は東賀山事件で力郎の弁護を担当していた人物だ。
春生は力郎が冤罪だと考え、三木田に何度か話を聞きに来たようだ。
三木田は弁護士の勉強会で松風を見かけて真摯な姿勢に心をうたれ、春生に推薦したと話す。
三木田は、東賀山事件の被害者である林家は地元で有名な実業家だったが金貸しなどしていたため、動機のある人物はたくさんいたと語る。
創業者の林川明宏と乃梨子の間に安成が生まれ、安成は里子という女性と結婚して、長男・奏太(そうた)、長女・音(おと)、次女・歌(うた)が生まれた。安成はギャンブルに依存して会社の金に手をつけていたらしい。
松風は自身の過去を思い出す。警察官だった父・久世正勝は窃盗の容疑者にされ、自分と母を残して失踪してしまったのだ。それ以来、松風は暗い少年期・青春を過ごした。
赤沢刑事は、弁護士・松風の父親がかつての部下・久世正勝だと知って驚く。その昔、赤沢は久世に「見てますよ」と言われたことがあった。久世はその後に失踪した。
『クジャクのダンス、誰が見た?』5巻ネタバレ
阿南由紀検事の過去:母は結婚しておらず、愛人として娘の由紀を育てた。由紀がT大に合格したときも、父親の息子のほうが学歴が下になることを気にしていた。由紀はやがて同じ検察の男と結婚するが、「お前の方が出世しているのは女だからだ」と言われて離婚した。
現在。心麦は検察庁の阿南に呼び出される。阿南検事は染田がクスリに手を染めていたことに触れ、「父・春生が書いた手紙は染田が偽造したものではないか?」と迫る。心麦は正直に「父が書いたものだと思う」と話した。
松風からメールを受けた弁護士・鳴川徹(なるかわとおる)がやってくる。鳴川は元検事だった。鳴川も遠藤友哉は春生殺害の犯人ではないと考えていた。鳴川は松風と心麦に協力することにする。
心麦は鳴川と一緒に、東賀山事件のあとで歌を引き取った津寺井幸太(つじいこうた)に話を聞きに行く。津寺井は安成の従兄弟だった。彼は現在の歌の写真を見せ、今はシンガポールに留学していると話した。
津寺井は心麦たちが帰ると、誰かに電話していた。
心麦と鳴川は神井記者から情報を得て、心麦が生まれたときの母子手帳に乗っていた産婦人科の当時の院長だった阿波山京一郎と、助産師だった内縁の妻・高畑まのかに話を聞きに行く。
『クジャクのダンス、誰が見た?』6巻ネタバレ
阿波山京一郎は観念して過去のことを話す。東賀山事件のあと、被害者・安成の従兄弟だった津寺井幸太が生後まもない歌を引き取ろうとしたのは、メディアに歌のドキュメンタリーと撮らせて金儲けをするためだった。
それを知った赤沢が阿波山に出生証明書を偽造させ、山下春生と妻の静香が歌を引き取って心麦として育てた…と言う。
心麦は自分が林山歌だった…と知って愕然とする。
心麦は赤沢に会いに行く。赤沢は、心麦が歌だと黙っていたことを謝罪した。
赤沢はその日に阿波山に会いに行く。
翌日、阿波山京一郎と高畑まのかは火事で死亡した。心麦は偶然ではない、何者かに殺されたと考える。
心麦は赤沢の妻・京子に家に呼ばれる。自分が林川歌だったと話すと、京子は「黙っていてごめん、夫と刑事になった息子・守の立場もあるからその件について口外しないでほしい」と言い、1億円が入った通帳を見せた。
京子は、夫(赤沢正)が心麦への謝罪の気持ちとして持ってきたものだが、どこでこんな大金を入手したのかはわからない…と話す。
京子は「私がこの話をしたことを誰にも言わないでほしい」と怯えていた。
いっぽう、松風は母に連絡先を聞いて失踪した実の父・久世正勝に会っていた。
正勝は赤沢のかつての部下だった。昔 赤沢が女子高生が暴行を受けた事件で強引な取り調べをして相手を自白させたのを見て上層部に報告したが、逆に自分が白い目で見られるようになったらしい。
窃盗の件は、駐車してあった車のドアが開きっぱなしだったから中のカバンを預かり、そのまま赤沢に呼び出されて別の現場へ向かったが、後にカバンから15万円がなくなっていることがわかって犯人扱いされたという。その車とカバンは上層部の息子のものだったようだ。
春生も正勝に連絡してきたことがあるという。正勝は電話越しに鳴川の声を聞いて「紺野に似ている」と言った。
赤沢の部下・秋貞隆雄(あきさだ たかお)は、赤沢に付着していた動物の毛が火事で死亡した阿波山の飼い犬の毛だと知り、赤沢の事件関与を疑った(DNA鑑定をさせていた)。
『クジャクのダンス誰が見た?』最終回7巻ネタバレ完結
認知症が入っていた育美は心麦に「オカちゃん…」と言い、ウサギのぬいぐるみを渡した。
神井と春生が力郎の再審を訴えようとした矢先、春生が何者かに殺された(春生は22年前に力郎の目撃証言を嘘だと思ったが、その後 冤罪ではないかと考えるようになった)。
最終話30話 内容とラスト結末
やがて京子は赤沢正との結婚を機に美容部員を退職して守を出産。しかし飢えた心は満たされなかった。
そして心麦は前を向いて生きていこうと決意した。
エピローグ:心麦が選んだ道
その後、大学を卒業した心麦は警察官採用試験を受け、白バイ隊員になっていた。ありさと一緒に食事しているときに松風と波佐見を見かけ、ラーメンを頼む。
『クジャクのダンス誰が見た?』考察まとめ真犯人は?
心麦の正体とタイトルの回収
- 心麦は春生の実の娘ではなく、東賀山事件の生き残り=林川歌
- 心麦は赤沢京子と林川安成の娘
春生と赤沢は生き残りの歌がろくでなしの津寺井幸太に育てられるのを防ぐため、阿波山院長に出生証明書を偽造させ、春生が心麦として育てた。
心麦が幼い頃に母・静香(春生の妻)がラーメン屋の染田に「たくさん食べるから周りの子よりも大きい…」と言い、当時2歳の心麦の受け答えがしっかりしていた。これは本当は1歳上の3歳だったから。回想でサラッと伏線が貼ってある。
出生届を偽造した時点で0歳と記載しないと不自然なため、年齢のズレが起こってしまった。
心麦=林川歌ということは、東賀山事件でクジャクのダンス(一家の殺害現場)を見ていたのは心麦ということになる。
タイトルの『クジャクのダンス誰が見た?』→答えは“心麦”と伏線回収された。
心麦(歌)が生かされたのは犯人の意図。心麦は母・林川里子と不倫相手の間に生まれた子なのか?
最終話で心麦(歌)は京子と林川安成との間に生まれたと判明。
心麦は赤沢京子の実の娘だった。
心麦は最終巻のラストで警察官・白バイ隊員になっていたことが判明。春生の背中を追った格好だ。
真犯人は鳴川弁護士?
松風の父・久世正勝が鳴川の声を聞いて「紺野に似ている…」と言った。鳴川の過去が怪しい。
鳴川弁護士はヤメ検(元検察の弁護士)なので検察と繋がりがあるはず。ラーメン屋から阿南検事に指示を出していた人物も鳴川だろう。
鳴川は阿波山院長が火事で死亡する前に心麦と一緒に会いにも行っている。
ドラマではラーメン屋にいた男性はリュックにブルーのカラビナをつけており、彼が鳴川弁護士だった。
最終巻で鳴川が東賀山事件の冤罪を生み出した当時の主任検事だと判明。赤沢京子の共犯者だった。さらに鳴川は阿南検事の父親だとも判明した。
春生殺害で検察と警察が強引に遠藤友哉を逮捕した件については鳴川の指示があったとは描かれていなかったが、裏で娘の阿南検事に指示を出していた可能性もある。
阿南は父・鳴川の背中を追ったが父は冤罪を隠蔽するために犯罪者に成り果てていた。
対して心麦も父・春生の背中を追ったが、希望に満ちた未来が待っているだろう。
真犯人が判明!
すべての事件の真犯人・黒幕は赤沢京子だった。さらに彼女は心麦の実の母親でもあった。
クジャクのダンスを見ていたのが心麦なら、ダンスを踊っていたクジャクは京子ということになる。
京子は幼い頃に父から育児放棄され、弟のミキオが死亡。そのせいで何を手に入れても満たされない感情が残っていた。
学生時代、京子は足が悪い育美をかばう。育美は京子のドス黒い面を知っても、同じようにもたざる者として運命を共にすると誓った。
京子は赤沢正と結婚して守を産む。しかし満たされず、林川乃梨子(安成の母で林川家の実権を握る人物)の出資でWRウォーターを設立(社長は育美)。
その後、京子は里子にメンタルクリニックを紹介し、乃梨子の信頼を勝ち取った。
京子は安成と不倫して妊娠。こっそりと歌を出産した。里子を追い出して安成と再婚するつもりだったがそれは叶わず、最後に安成と歌と3人で旅行へ行く。
その間に林川里子が狂って林川の両親と子供たちを殺害。戻ってきた安成が里子を殺害して自殺し、他殺に見せかける。
京子は安成の自殺を手伝い、歌を置いて逃亡した。
京子は東賀山事件の検事・鳴川と共犯関係を築き、春生を殺害。
染田は鳴川と協力して殺し、阿波山、高畑は鳴川に殺させた。
脳梗塞で認知の症状が出ていた育美が心麦を見て「オカちゃん…」と言ったのは、心麦の実母が京子だという伏線(面影があった)。
『クジャクのダンス、誰が見た?』ドラマの全話ネタバレ解説










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