後編『室井慎次 生き続ける者』を鑑賞。最後に室井慎次が…あっと驚く展開に巻き込まれる!そして青島俊作(織田裕二)が…!
しかし全体的には賛否両論になりそう。良かった点、悪かった点、ラストについて感想を忖度なしで語る。本作が色んな意味で何故こんな作品になったか解説。
記事の後半はゴリゴリネタバレなのでこれから見に行こうとしている方はご注意。
『室井慎次 生き続ける者』あらすじ解説
前編:室井慎次 敗れざる者の復習(ネタバレ)
生き続ける者 あらすじ
室井慎次(柳葉敏郎)は、家のそばの小屋を燃やした事件で被害届を出さなかった。
警察で監視カメラを見る室井。杏(あん|福本莉子)が小屋から出てきた後で火が燃え上がっている。
実は杏は刑務所にいる母親・日向真奈美(小泉今日子)に毎月会っており「生きることは憎むことだ。人に傷つけられる前に傷つけろ」と教えられていた。いっぽうで杏は室井の人柄に惹かれるようにもなっていた。
貴仁(タカ/齋藤潤)は高校で好きな女の子が他の男子生徒と付き合ってしまったことを知って涙を流す。
瀬川が死体で見つかった事件については、レインボーブリッジで恩田すみれを撃った人物でありかつての犯罪仲間でもある国見が関わっているようだ。
そんな中、凜久(リク|前山くうが&前山こうが)の父親・柳町明楽(加藤浩次)が出所して室井の家にやってきた。児童相談所は「父親は改心しているからリクを引き渡してほしい」と言う。果たして室井の決断は!?そして彼の運命は?
『室井慎次 生き続ける者』感想:ラストは青島(織田裕二)が登場!
ネタバレ1:良い点とダメな点を解説
ところどころで胸が熱くなる人間ドラマがあった。室井慎次と青島の約束(警察組織や捜査の改革)を新城賢太郎(筧利夫)が引き継いだことにも感動した。青島との約束こそが「生き続けるもの」なのだ。
ただ全体的にスローテンポで、室井と貴仁、凜久、杏の4人の家族愛が繰り返し描かれているので退屈な面もあった。『敗れざる者』と同じ展開をずっと見せられた印象。
演出が噛み合ってない?
演技や演出もワザとらしい部分が目につきちょっと胸焼けがした。
例えば凜久が暴力を振るう実父を見て駆け寄って喜ぶシーンについては、虐待を受けているからこそ逆に父の前では機嫌を取ってしまうのだろう…などなど、ハイコンテクストな演出。その割にみんなワザとらしい演技をするので、ハイコンテクスト×ケレン味で独特な雰囲気になってしまっていたのが気になる。前編の『敗れざるもの』以上に賛否両論になりそう。
事件は家族で起こっている!というのがテーマで、『敗れざる者』『生き続ける者』で室井が作った家族の様子から彼が警察の組織改革で何をしたかったか浮かび上がってくる素晴らしいコンセプトがある。しかし踊るシリーズのような派手なエンタメを期待していた層にはそのコンセプトは響かない気もする。
ネタバレ2:室井の最後…これでいいの?
室井慎次がリクを父親から守ったあと犬のしんぺいを探しに吹雪の中で外に出て、そのまま死亡してしまうまさかのラスト…。(犬は猟銃の音で遠くへ逃げた、室井は狭心症で死亡した)。一連の流れは室井が勢いで死んでしまったようにも見えて、これも賛否両論になっている。犬は放っておいても帰って来る気がするし、何も室井が吹雪に突っ込んで死ななくても良かったのでは?その考えが拭えない(なぜ室井は死ななければならなかったか?については次のページで解説)。
ネタバレ3:最後に青島(織田裕二)が登場
エンドロールでは青島(織田裕二)が登場。青島はタカやリク、杏がいる室井の家の前までやってくるが、緊急案件で呼ばれて引き返す。青島と室井が再会できなかった結末は哀愁たっぷりだ。
青島の登場は踊るシリーズの映画がこれからも続く示唆だろう。今回の瀬川の死体の件で裏で手を引いていたのは日向真奈美のようなので、今後の映画シリーズで『生き続ける者』で謎だった部分も明らかになるのかもしれない。
次のページでは、なぜ室井は死ななければならなかったのか!?室井が死亡したラストの本当の意味と青島との約束、青島が家に上がらずに引き返した理由、事件と日向真奈美・杏への洗脳と父親について徹底考察していく↓↓
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