2025年9月2日放送のドラマ『誘拐の日』最終回を鑑賞(日本版)。
日本版のラストはどうなるのか?原作小説や韓国版と違う衝撃のラストにすごく驚いた!
- 最終回のあらすじネタバレ解説
- 政宗(斎藤工)が闇堕ち?驚愕のラスト結末の本当の意味!
- 最終話の感想
これらを徹底考察していきます!
『誘拐の日』韓国の原作小説ラスト結末までネタバレ解説はこちら↓

『誘拐の日』最終回あらすじネタバレ

新庄政宗(斎藤工)は凛(永尾柚乃)と引き離され、県警に連行される。通報したのは妻・新庄汐里(安達祐実)だった。
須之内司(江口洋介)も政宗を匿っていた罪で拘束されていた。
凛と山崎忠(深澤辰哉)が手を組み、メール履歴から副理事長・七瀬富雄(長谷川初範)と刑事部長・辰岡泰明(徳重聡)の繋がりを発見。
2人は、富雄が七瀬家の財産を自分のものにするために辰岡に凛の捜査を中止するように依頼していたと証明した。辰岡は逮捕された。
須之内が事件の捜査に復帰。凛にもアドバイザーとして加わってもらう。
いっぽう汐里はケビン福住(鈴木浩介)から10億円を受け取り、ペンダント(次世代知能開発プロジェクトのデータが入っている)を渡した。
しかしケビン福住は薬のレシピ(組成表)だけが抜けていることに気づく。福住や鮫洲は須之内たちに逮捕された。
凛は国外逃亡をはかろうと空港へ向かう汐里に電話して児童養護施設の教会に呼び出した。
凛は推理した事件の経緯と犯人の動機を汐里に語り出す。
汐里はエイズを発症してから自暴自棄になり、政宗と芽生を捨てた。そして七瀬守を脅して金をもらっていた。
七瀬守は脅迫してくる汐里と実験の邪魔をする妻・さやかを両方消したかった。そこで事件の数日前に松田を呼んで防犯カメラを撤去させた。
守は7月7日に妻を殺し、汐里を呼び出して痴情のもつれで彼女が妻を殺したことにしようとした。しかし、殺されそうになった汐里が日本刀で守を殺害。
汐里はどうしていいかわからず松田を呼び、隠蔽工作をしてもらう。起きてきた凛に麻酔を打ち、もう1日眠らせた…。これが事件の真相だった。
凛から「あなたは私と同じ」と言われた汐里は激昂し「私が七瀬守を殺した」と自白してしまう。張り込んでいた須之内たちが確保するために突入。
汐里は血のついたメス(病院で盗んでいた)で自分の手を切りつけて血を出し、凛の首に向ける。
政宗が出てきて(須之内に連れてこられていた)「汐里を大切に思っている」と気持ちを伝えた。汐里はメスを置く。汐里は逮捕された。
その後、凛は無事に治療を終えた芽生と一緒に学校へ行く。山崎弁護士が後見人となって2人の面倒を見ていた。
水原博士(内田有紀)は息子が手を動かしているのを見て涙を流す。水原は刑務所にいる政宗と面会し「ペンダントのデータに組成表はなかった」と話した。
政宗はそのデータを見て、栄作と実験室にいた過去の記憶を思い出す。
政宗は過去の記憶をすべて取り戻していた。刑務所の庭の壁全面に子供を天才にする薬の組成表を書き殴る。
「誘拐の日」最終回ラストシーンの意味
ラストの意味、政宗が闇堕ち?どうなる?
真の医道は善き心に宿る…というのは、薬の組成表が政宗に託されていた伏線だった。
政宗は教会にやってきたことで汐里と過ごした頃を思い出し、さらに実験されていた時の記憶まで思い出してしまったのだろう。風鈴の音は記憶を取り戻した演出。
凛が裁判で証言したとき、政宗は暗い表情で項垂れていた。この頃にはもう過去を思い出していたと考えられる。
政宗の表情を見るに、記憶を取り戻しただけでなく、人間性まで失っているようだ。おそらく政宗は栄作の薬によって1度は本物の天才になった。しかし汐里が頭痛薬を与えなかったことなどで記憶と頭脳を失ってしまったのだろう。
政宗は最高の頭脳を取り戻して薬のレシピを思い出したが、凛が好きだった明るい政宗は消えてしまった。
政宗と凛は記憶を失った者同士で最高のコンビだった。政宗が記憶を取り戻したあともその関係でいられるのか…。
政宗は薬の組成表を壁に書き殴っていた。これは、栄作の呪いを受け継いでいる証明に見えた。栄作は死んでいるはずが、研究者として政宗の中に生き続けているようだ。負の遺産が消えない
確か七瀬栄作の死因は明らかになっていないが、一時的に記憶を取り戻した政宗が栄作を殺した可能性すらあると思った。
また1番最悪なパターンとして、出所した政宗が実験を続けるという今後もあるかもしれない。
政宗が凛と芽生を実験台に…これは考えたくない。
ただ、政宗は記憶を取り戻しただけでこれまでの全てを忘れたわけではない。面会に来た水原に「(腕を動かした彼女の息子について)お母さんと言っているんですよ…」と言っていたので、優しさは残っていると考えられる。
また過去の記憶を失ってもとの政宗に戻るパターンもある(心情としてはそちらであって欲しい)。刑務所の部屋には芽生が描いたであろう、政宗、汐里、芽生、凛の4人で遊んでいる未来予想図のような絵も貼ってあった。これは希望の象徴だ。
ただ、最後の斎藤工さんの表情を見ると、正気を失っている気がして怖い…。
記憶を取り戻した政宗と、犯人・汐里の対比
正気を失っているように見える政宗が、今になって汐里と同じ苦しみを味わっているという切なく悲しい解釈もできる。
「今度は政宗が汐里と同じ苦しみを背負う番だ」という皮肉な運命のシフトなのか。
政宗は凛や芽生にとって太陽のような存在だった。しかしそれは悲惨な過去の記憶を失っていたからこそだったのかもしれない。
過去の不条理な境遇を思い出してもなお、凛や芽生に愛情を注げるだろうか?そう問いかけるようなラストだった。
政宗と汐里の対比から、愛するためには忘却が必要なのでは?という感慨深いメッセージが読み取れた。
『誘拐の日』最終回9話の感想
斎藤工さん、永尾柚乃さんの演技と掛け合いが絶妙で、いつまででも見ていられるドラマだった。
政宗と凛のバディは最強。「誘拐の日(政宗が誘拐した日)」が凛にとっての「救済の日」となっていたのが感慨深い。
政宗が記憶を全て取り戻してしまったある意味で残酷すぎるラスト。原作小説も読んでいたけど、原作とも韓国ドラマ版ともまた違う結末に衝撃を覚えた。
解釈の仕方によるが、まさかの最終話でドロドロサスペンスオチとなった。サスペンス好きとしては嬉しい結末だが、政宗が今後どうなってしまうか心配。凛と芽生と幸せに暮らして欲しかったが、そんな未来は待っているのだろうか?結末は視聴者の手に委ねられた。
汐里と凛は次世代知能開発プロジェクトの新旧被験者同士として対決したが、役者としても安達祐実さんと永尾柚乃さんは新旧天才子役同士の対決をしていたところも感慨深かった。キャスティングが神がかっていた。
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