『#真相をお話しします』原作小説ネタバレ解説と考察,惨者面談,ヤリモク,パンドラ,三角奸計,#拡散希望

結城真一郎の小説『#真相をお話しします』

結城真一郎の小説『#真相をお話しします』を鑑賞。

非常にクオリティが高い短編ミステリで超面白かった。2025年には大森元貴さんと菊池風磨さん主演で映画化もされた。

  •  全5話「惨者面談」「ヤリモク」「パンドラ」「三角奸計」「#拡散希望」のあらすじ解説
  • 各話の伏線回収と結末
  • 「パンドラ」のラストの意味を考察

これらをまとめました。

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映画『真相をお話しします』ネタバレ考察ラスト結末と犯人/最悪で奇怪な4つの事件解説と感想,原作と比較
映画『真相をお話しします』を鑑賞。自身の衝撃体験を語り多額の投げ銭を集める生配信で、衝撃的な4つの事件が告白されていく!予想していたより全然面白かった。 あらすじ ネタバレ・ラスト結末解説 ラストの意味やコンセプトの考察 忖度なしの感想と評...

「惨者面談」ネタバレあり解説

あらすじ

家庭教師の営業のバイトをする東大生の片桐。

アポを取っていた矢野宅を訪問するが、母親の真理や息子・悠の態度が明らかにおかしい。

片桐はこの家族の最悪な秘密を体験させられることになる。

伏線回収と結末

  1. 矢野家には家族写真がない
  2. トイレが詰まっていて使えない!と言われる
  3. 読み方はゆう?と聞かれて息子・悠がうなづく
  4. 悠の問題の回答が全部「110円」
  5. 空き巣被害が多い地域、小6の詐欺罪のニュース
  6. 外の自転車がほこりをかぶっている

家族写真がないのは、母親のフリをしていた桂田が隠したから。

トイレが詰まっているのは、トイレに本物の母親・矢野真理の死体を隠していたから。

悠の読み方は「ゆう」ではなく「はるか」。少年は片桐に「ゆう」と言われてワザとうなづいた。
その後で母親が「ゆう」と呼んだことで片桐はこの母親が偽物だと気づいた。

110円→110番の意味。

空き巣被害や小6の詐欺罪のニュースについては、悠と思っていた少年が実は空き巣犯だったという伏線。

外の自転車がほこりをかぶっているのは本物の悠がすでに死んでいる伏線。

結末:家庭教師の片桐が矢野家の母親・真理だと思っていた人物は隣人の桂田で、桂田は本物の母親・真理とトラブルになって彼女を殺害してしまい隠蔽しようとしていた。さらに矢野家の息子・悠は半年前に事故死していた。

片桐が息子の悠だと思っていた少年は空き巣で、たまたま入って桂田が真理を殺している現場にでくわし、言うことを聞けと脅迫されていた

「ヤリモク」ネタバレあり解説

あらすじ

42歳のケントはマッチングアプリで知り合った女性・マナとデートをする。「ヤリモク」だった。

ケントには妻子があった。娘の美雪は最近パパ活に勤しんでいるようで、どうにか辞めさせたい気持ちもあった。

ケントとマナは酒を飲みマナの自宅マンションへ。しかしケントは部屋で数々の違和感に気づく!

伏線回収と結末

  1. バーは初めて入る店を選ぶ
  2. ウォーターサーバー
  3. シャワーヘッドの位置が高い
  4. マッチングアプリ利用女子懲らしめ隊による殺人事件が6件起こっている
  5. マッチングアプリでお持ち帰りは「7回目」
  6. 娘の美雪に似ているからマナを選んだ
  7. ブルガリのピアスをその部屋で発見

バーで初めて入る店を選んだのはケントが“ある理由”で誰にも顔を覚えられたくなかったから。

シャワーヘッドの位置が高いのは、ここが背が低いマナの部屋でない伏線。

ウォーターサーバーからお湯が出るにもかかわらず、マナは「毎日お湯沸かして白湯を飲む」と話していた。

マッチングアプリ利用女子懲らしめ隊による殺人事件が6件。犯人は主人公のケントだった。
お持ち帰りが「7回目」というのは、これまで殺したのが6人で、7人目がマナだということを意味する

ブルガリのピアスは、美雪が家でなくしたと言っていたも

結末:ケントは娘の美雪にパパ活を辞めさせたくて、マッチングアプリで美雪と似ている女性を探して会い、殺人を繰り返していた。殺人現場に「マッチングアプリ利用女子懲らしめ隊参上」と書き残すことで娘が怯えてパパ活を止めると思っていた。

マナは美人局だった。ケントはマナと男性(美人局の脅迫役)を殺害する。しかしケントは、娘の美雪もその部屋を利用していた=娘も美人局をしていた事実を突きつけられた

「パンドラ」ネタバレあり解説

あらすじ

翼は妻・香織と17歳の娘・真夏(まなつ)と平穏に暮らしていた。

翼と香織は不妊期間を経て、ようやく真夏を授かった過去があった。

翼は15年前に妻に許可を得てある女性に精子を提供した。

そして現在、翼は娘(精子提供で生まれた)だという14歳の翔子から連絡を受け、会うことにする。

ニュースでは、15年前に連続幼女誘拐殺人事件を起こした宝蔵寺雄輔が証拠不十分で再審の可能性と発表があった。

伏線回収と結末

  1. 翼はA型、妻・香織はB型、娘・真夏はAB型
  2. 真夏が「パパと殺人犯・宝蔵寺が似てる」と言った時、香織が「そんなこと言うな」と怒った
  3. 香織が精子提供にすぐに賛成した
  4. 娘の真夏は活発な性格で、数字に弱い。理系の翼と似ていない
  5. 翼が精子を提供した女性・美子(よしこ)に会ったのは15年前
  6. 翼も美子もA型だが、娘(血縁上)の翔子はなぜかB型

妻・香織が精子提供に賛成したのは、自分も精子提供で娘・真夏を授かったことを隠していた罪の意識のあらわれ

翼とは違う真夏の明るい性格や数字に弱い性質は、真夏が翼の実子ではない伏線

翼の血縁上の娘・翔子はB型。翔子から母親・美子がO型なのでおかしい、真実を知りたいと相談された。翼も宝蔵寺もA型…翔子は誰の子なのか?
翼が血液検査をするとA型ではなくB型だったと判明。

翼が15年前に精子提供した美子は、連続殺人で捕まった宝蔵寺の妻だった。美子は殺人犯の子供を産みたくないと考え、血液型も容姿も似ている翼を選んで精子提供を受けた。万が一宝蔵寺の子供を妊娠していた場合でもそれを確定できる要素をなくし、翼の子供だと思い込むためだ。翼はA型だと思っていたが実際血液検査をするとB型だった。よってB型の翔子が翼の娘であることは確定。しかし同時に、真夏が実子ではないことも確定してしまう。

パンドラ 考察

翼は血縁上の娘・翔子の本当の父を確かめるために、血液検査というパンドラの箱を空ける。
しかし娘だと思っていた真夏と血が繋がっていないというもう片方のパンドラの箱が空いてしまうコンセプトが秀逸

宝蔵寺の再審の可能性=殺人犯でない可能性を示唆する理由が気になった。

推測にはなるが、もしかすると香織へ精子提供した男性が宝蔵寺。つまり宝蔵寺が真夏の血縁上の父である可能性もあると思った

娘・真夏がパパが宝蔵寺に似ていると言ったときに香織が「そんなこと言うな」と焦っているような描写はその伏線だったのでは?「宝蔵寺から精子提供を受けたのがバレちゃう!」と考えたのかも。

再審の可能性を書いたのは、宝蔵寺が釈放されて真夏に父だと名乗り出る不穏な今後を示唆しているのではないか。パンドラの箱は空いてしまったのだ。

「三角奸計」ネタバレあり解説

あらすじ

大学生時代の親友、桐山、茂木、宇治原がリモート飲み会をすることになる。顔を合わせるのも久しぶりだった。

桐山は東京、大阪で仕事をしている。なんと茂木と宇治原のマンションは向かい同士だという。

リモート飲み会が始まるが、宇治原は婚約者が浮気していると悩みを語る。彼は恐ろしい計画を立てているようだった。

伏線回収と結末

  1. 宇治原は喉を痛めており、チャットで会話に参加する
  2. バーチャル背景についての会話
  3. Uber Eats 早く届くのは誰か勝負
  4. 桐山と肉体関係のあるミナミが以前「もうすぐ結婚する」と言った
  5. 茂木の部屋に女が映る

宇治原が喉を痛めていてチャットで参加した理由は、事前に収録した動画を流したバーチャル背景を使って桐山を騙していたから。
実は宇治原は自宅におらず、桐山のマンションの前にいた(マンションの住所は婚約者につけたGPSで特定しており、入り口に潜伏していた)

Uber Eats勝負は、桐山の部屋を特定するため

桐山の彼女・ミナミが結婚する相手というのは宇治原のことだった。

茂木の部屋に映った女は茂木の妻(家を空けているは嘘)で、桐山を陥れるため。

宇治原は婚約者・有村ほの香にGPSをつけ、桐山と浮気していると突き止めた。桐山自身が宇治原の婚約者だと知ってて付き合っているか確かめるため、茂木に協力してもらってリモート会議を開いたのだ。茂木が宇治原の彼女と浮気している→宇治原が殺しに行く!との流れを桐山に見せて、桐山がどこまで知っているか白状させるつもりだった。宇治原は大阪でなく桐山のマンションの前におり、UberEatsで部屋を特定し、鍵が空いていたので侵入してリモート飲み中にシャワー室に隠れていた。桐山は部屋にやってきた彼女のミナミに向かって偽名を使って接近したことを責めた。宇治原が登場し、桐山が何も知らずに婚約者と付き合っていたと知ると、ナイフで婚約者を殺害する

「#拡散希望」ネタバレあり解説

あらすじ

長崎の匁島(もんめじま)で暮らす小学生のチョモ(チョモランマ)、砂鉄、同級生の女の子・ルー。

3人は凛子は親にスマホを持たせてもらえない環境で大自然の中で楽しく過ごしていた。

しかしある日、チョモは昨日島で見た男性(キンダンショウジョウ)が殺されたというニュースを見る。

その日を境に島民がよそよそしくなった。親にスマホを買ってもらった同級生の凛子とも距離ができる…。

伏線回収と結末

  1. Youtuberの20代男性は人気チャンネル「ふるはうす☆デイズ」の熱狂的なファンに殺された
  2. 島の人が急によそよそしくなる
  3. ルーはいつもGo-proを親に持たされている
  4. ルーはスマホを持っていないにもかかわらず、Youtubeが動画サイトだと知っていた
  5. 凛子が死亡した時刻、なぜかルーがチョモの家にやってきた。チョモの親はルーの親に呼ばれて家を空けていた

Youtuberの20代男性が殺されたのは、「ふるはうす☆デイズ」のファンのあいだでタブーである匁島に立ち入ったため。

島の人がよそよそしくなったのは、チョモたちに関わると「ふるはうす☆デイズ」のファンに何をされるか分からないから。

ルーはGo-proで「ふるはうす☆デイズ」のための撮影をしていた。スマホを持っておりYoutubeのことも知っていた。

Youtubeの人気チャンネル「ふるはうす☆デイズ」の中身はチョモ、砂鉄、ルーの3人を映したリアル子育てドキュメンタリーだった。運営しているのは3人の両親で、チャンネルの広告料で莫大な収益をあげていた。チョモたちは一切知らなかった。

親にスマホを買ってもらった凛子は「ふるはうす☆デイズ」にチョモたちが出ていることを知り、関わるとファンに何をされるか分からないと考えて距離を取る。凛子は決心して真実を告げようとするが、崖から落ちて死亡。チョモはチャンネル配信のことを知っていたルーによって殺されたと推理した

凛子のスマホを見て全てを知ったチョモと砂鉄はルーを椅子に縛り、生配信で「推理が正しいと思うなら(ルーが殺したと思うなら)高評価。推理が間違っているなら低評価を押して」と視聴者に促す。高評価が多ければルーを崖から突き落とすつもりだった。終わり

実写映画のあらすじネタバレ結末解説や感想はコチラ

映画『真相をお話しします』ネタバレ考察ラスト結末と犯人/最悪で奇怪な4つの事件解説と感想,原作と比較
映画『真相をお話しします』を鑑賞。自身の衝撃体験を語り多額の投げ銭を集める生配信で、衝撃的な4つの事件が告白されていく!予想していたより全然面白かった。 あらすじ ネタバレ・ラスト結末解説 ラストの意味やコンセプトの考察 忖度なしの感想と評...

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