『クジャクのダンス誰が見た』第9話「最終章 前編〜真犯人の告白!サヨナラ私が走った旅路の最果て」を鑑賞。
広瀬すずの右目からだけ涙を流す演技が衝撃的かつ感動的だった。すさまじい演技力に脱帽。人間って片目からだけ涙流せるの?
実質最終回の前編ということで、東賀山事件の犯人と春生殺害の犯人、そしてその他の殺人事件の真相が次々に明らかになった。
- 鳴川の告白
- 京子の最悪の凶行と意味
- 東賀山事件の犯人と動機
- 歌を2階にあげた人物とその理由
- 神井が力郎の冤罪に命を賭ける理由
これらについて徹底考察していきます。
完結した原作漫画の最終話の内容と真犯人・黒幕の正体解説はコチラ↓

『クジャクのダンス誰が見た?』9話の考察まとめ


まさかの鳴川の自首!どこで道を間違えた?
真犯人の共犯者で、事件の隠蔽工作をしていた鳴川弁護士がなんと自首。
鳴川は阿南に父としての背中を見せたかっただけだった。
しかし何者かから「春生が東賀山事件について調べている。遠藤力郎は冤罪…」と連絡を受ける。電話をしたのはおそらく京子だろう。
春生の情報を受けた鳴川は、自分が過去に冤罪を生んだことで娘の阿南のキャリアを傷つけないために東賀山事件の真相について隠蔽を図る。
染田に春生の手紙を偽造したと証言させたのは鳴川で、ドラッグの売人たちに頼んで染田を殺害させたのも鳴川だった。
心麦と東賀山事件の関わりがバレないように阿波山と高畑まのかを放火で殺害したのも鳴川だ。
鳴川は自分が父親や人として道を間違ったと考え、警察に自首して真実を語る。
鳴川自身はどこで道を間違ったと考えているのか?それは22年前に遠藤力郎の冤罪が頭をかすめたが起訴を取り下げなかったときだと推測できる。
だからこそ、阿南が「起訴した人物が無実だとわかったらすべてを捨てても起訴を取り下げる」と聞いて自首を決めたのだ。
阿南は憎しみと愛情から父・鳴川の背中を追っていた。今度は鳴川が娘の背中を見て自首を決めた。ヒューマンドラマとしてはこの上ない展開だった。
春生を殺したのは、鳴川の回想から察するに京子だろう。春生宅の火災現場に京子がいたことが判明している。
火災現場で京子を見た鳴川の表情を察するに、2人はすでに会っていたのだろう。鳴川は隠蔽だけするつもりだったが、京子が春生を殺して驚いたようだった。でも後戻りはできなかった。
鳴川を演じる間宮啓行さんが高い声と低い声を使い分けていてびっくり。声域広いな。さすが大御所舞台役者。
いっぽう、ブルーのカラビナをつけていたときのルックはなんだったのか? 阿南検事のキャリアを守りたいと言いながら隠蔽工作で殺しまでするのは矛盾していないか?など疑問は多々残る。
京子が赤沢刑事を刺す最悪の展開
9話では廣島育美と一緒にWR(ウッドリバー)ウォーター社を運営していたのが京子だと判明。育美は京子の旧姓・吉岡にちなんで、京子をオカちゃんと呼んでいた。
脳梗塞の後遺症で認知症をわずらっている育美は心麦に向かって「オカちゃん、歌ちゃんは元気?」と言った。これは心麦に京子の面影を見ている意味で、これは心麦=京子の娘の伏線的なシーンだろう。
第8話の春生と久世の回想シーンから、京子は東賀山事件の前に赤沢と別居していた時期があるようだが、このときに歌を出産したと推測できる。
心麦たちが赤沢に仕掛けられたGPSを頼りに現在は誰も住んでいない林川家へ行くと、京子が包丁を持っていた。その横に血まみれの赤沢刑事が倒れている。京子が赤沢刑事を刺したと考えて間違い無い。
(9話に台本なしのシーンがあったようだが、ここだろう。広瀬すずが固まってぎこちない表情だったし)
赤沢は神井から京子とWRウォーターの関係を知らされ、京子に真相を迫ったところで刺されたと考えられる。
赤沢が死亡したかは不明。
おそらく京子は鳴川から「心麦や松風が真相をつかんでいる」と聞かされて、すべてが明るみに出ると観念して林川家へ向かったのだろう。
歌が春生夫妻に引き取られた時のビデオを見ていたが、ビデオは阿波山たちを殺した鳴川から受け取ったと思われる(「ママですよ〜アピールしてたなあ…」って懐かしく感じているかも)。
わざわざ林川家に行ったということは、京子はすべての悲劇が始まったその場所で死のうとしているのかもしれない。
東賀山事件の犯人=京子で確定?
力郎が事件当日に見た安成と一緒にいて赤ちゃんを抱えた人物=京子なのは確定だろう。
一家6人の殺害はその直後に起こった。よって京子が東賀山事件に関わっているのもほぼ確実。
第1話のオープニングで安成の首にロープをかけていた女性の手=京子の手で確定だろう。
あとは動機だ。京子は林川安成と不倫関係にあったと考えられる。京子は安成の妻・里子とトラブルになったのだろうか。
力郎が赤ちゃんを抱える京子を見たのは家の中で大きな物音がしたあとなのも気になる。
メンタルが不安定な里子がおかしくなって暴れていた→京子たちが家に入ってきてさらに大きなトラブルになり、死者が出た…という経緯だろうか。
乱闘になって子供の1人が死んでしまい、安成が里子に刺されて死に、京子が里子を殺し、目撃していたもう1人の子供も殺した…とか?
この辺はパターンが無数にあるので難しいが、誰か1人が全員を殺したのではないと推測する。
痴情のもつれだとしても京子には子供たちまで殺す理由はないし、京子が全員殺したなら力郎がその前に聞いた大きな物音はなんだったのか?との疑問が生まれる。
歌を2階にあげたのは誰なのか?
力郎が東賀山事件の一家6人が吊るされている現場を発見したときには、林川歌は1階にいた(1階で泣き声がした)。
その後、歌を2階にあげた人物がいる。7話の心麦の夢のシーンからその人物は白い手袋をはめていた。
力郎が現場を見た時点では林川家には京子しかいない。よって歌を2階にあげたのは京子だろう。
歌に指紋がつかないように白い手袋をしていたのだと考えられる。
あとは、娘の歌を安成たちが死んでいる1階に置きたくはないという親心もあったのだろう。
ただ第1話で安成の首にロープをかけたのが京子なのであれば、なぜその時には手袋をはめていなかったのかが気になる。
キャッチボールとカーブ
神井には力郎からカーブの投げ方を教わった過去があるとわかった。
松風も父・久世正勝からカーブの投げ方を教わっていた。
ストレートでなくカーブなのは、父から子供へ気持ちが素直に伝わらないこと、そして事件の真相には一直線でなく回り道のような軌道を描かないと到達できないことの暗喩だと思った。
神井が遠藤力郎の冤罪に命を賭ける理由
神井は心麦に、力郎の手紙に命を賭けていると言った。
幼い頃に世話になっただけでそこまでするだろうか。
おそらく、神井は親に遊んでもらえない子供、ネグレクト気味の家庭に育った子供だったのだろう。
だからカーブを教えてくれた力郎を実の父親のように感じていた。そのときのボールを今も持っている。
神井にとって東賀山事件における力郎の無実を証明することは、力郎が自分に与えてくれた無償の愛情の証明でもあるのだ。
原作漫画の最終回ラスト結末と真犯人・黒幕・事件の真相解説はコチラ↓

コメント