TBSの日曜劇場『キャスター』第1話「毒を毒で制す男」が2025年4月13日に放送された。
- 1話のあらすじネタバレ
- 進藤の過去、父の事件について
- なぜ真実を報道しなかったのか
- ドラマの良い点と悪い点、忖度なし感想
徹底考察していきます。
『キャスター』1話あらすじネタバレ

1982年:松原哲(山口馬木也)は自衛隊の輸送機が墜落して5人が死亡した事故についてニュースで聞いていた。パイロットが飛行高度を誤ってしまったことが原因だった。哲は思い詰めた表情で漏れたガスに火を付ける。大きな火事が起こった。壮一少年は「父さん」と叫んで家に戻ろうとするが救急隊員に取り押さえられた。
現在:視聴率が低迷するJBNの報道番組ニュースゲートの新キャスターに、進藤壮一(阿部寛)が抜擢された。国定会長(高橋英樹)直々の指名だった。
進藤は「この番組を壊す!」と言う。総合演出の崎久保華(永野芽郁)は進藤の言動に振り回される。
進藤の初出演の日、内閣官房長官・羽生剛(北大路欣也)の生出演が突然キャンセルされる。
進藤はAD・本橋悠介(道枝駿佑)と国際バレーボール大会の会場へ向かった。そしてそこに来ていた羽生と会い、裏金疑惑で羽生の第二秘書が自殺した疑惑を追及する。
進藤は「裏金疑惑と秘書自殺の記事を揉み消すから夜の番組に出演してくれ」と言い、羽生は了承する。進藤は週刊誌の記者・南亮平(加治将樹)に記事の差し止めを要請し、代わりに有名女子アナのダブル不倫ネタを提供する。
そんな中、羽生は心臓の持病の発作で倒れた。
進藤と崎久保たちは羽生が乗った救急車を追う。崎久保が以前担当していたバラエティ・イケメンシェフのサイトで情報提供者を募り、救急車が羽生の主治医がいる明慶病院でなく、途中で進路変更して関東医科大へ入ったと知る。
羽生は手術を受けて助かった。
崎久保のスマホに「羽生を執刀した田辺医師が過去に違法な人工血管を使った手術をした」と匿名のリーク情報が入る。
進藤は病院長を生放送に呼び、田辺医師に違法手術を指示した件で問い詰める。違法手術を誘致した羽生も海外の会社から多額の寄付を受け取っていたはずだが、その証拠はすでに尾崎によって消されていた。
進藤と崎久保は、羽生が関東医科大に運び込まれた理由は血液型がRH-のABで輸血用の血液がなかったからであり、羽生を生かすためにタクミという少年が手術中の血液不足で死亡したと気づく。
タクミは以前に崎久保が担当していたイケメンシェフにも出てくれた病気の少年だった。
進藤は明慶病院で尾崎に会い「RH-ABの血液型がタクミの手術のために関東医科大に集められている情報をつかみ、救急車にいた真一に病院を変えるよう指示を出したのはお前だろ」と問い詰める。
田辺医師の違法手術の件を崎久保のスマホに匿名でリークしたのも尾崎だった。羽生を生かすために少年に使う予定だった血液を使い、結果少年が死んでしまったことを隠したかったのだ。
進藤はその件をスクープする予定だったが、崎久保に何も言わずに急遽VTRを差し替えさせた。羽生や尾崎と交渉して金を受け取っていたのだ。
明慶病院へ搬送先変更を伝えなかったために他の救急車が搬送拒否されて老婆が死亡したニュースに切り替えて報道させた。羽生の息子で秘書の真一に謝罪させる。
進藤は「少年の手術をした長崎医師から血液が平等に使われていたことを聞いた」と崎久保に話す。
崎久保は進藤のボイスレコーダーを盗み聞きし、長崎医師が語った血液が平等に使われていたという話は嘘で、実際は進藤が羽生から口止め料を受け取っていたことを知って激怒。
少年の死と羽生の関連を揉み消した嘘つきの進藤を超える報道者になることを決意した。
『キャスター』1話の考察まとめ
進藤の過去:父と自衛隊輸送機の事故
進藤がキャスターになった理由には、火事で死亡した父・松原哲の事件があるのだろう。
自衛隊の輸送機が墜落して乗組員5名が死亡した事件のTVのニュースと新聞を眺めていた父・哲。
パイロットが高度を間違えて事故が起きたようだが、哲が自衛隊の航空管制官をしていて指示は間違っていなかったが、哲のせいにされたなどの理由があるのかもしれない。
事故の原因が到底発表できないものだったので、哲のミスで墜落したことにされたのかも(80年代の墜落事故と聞くと日本航空123便墜落事故が想起される)。
進藤が倒れた羽生の心臓マッサージをしているとき「この手で殺すまでは死なせはしない」と言っていた。自衛隊の輸送機墜落に羽生が関わっているのではないだろうか。
また、進藤は公共放送局で干されたようで、そこで何をしでかしたかも気になるところ。
真実を闇に葬った理由
羽生は自分の手術のために少年の命が失われたとハッキリ言ったが、進藤はそれを報道しなかった。
少年死亡の件で羽生を追い詰めてしまうと、さらに大きな全貌や父が死んだ原因について進藤が自らの手で羽生を追及することができなくなってしまうからだろう。
もしくは羽生官房長官よりさらに大物のスクープをつかみたいのかもしれない。羽生が総理大臣になってから全部の事件を暴くつもりなのか。
少年の死を老婆の死のニュースにすり替える直前、進藤は誰かから電話を受けていた。直前まで羽生の件をそのまま報道しようかどうか迷い、のちのもっと大きな利益のためにVTRと真実の差し替えを決断したのかもしれない。
真実を発信することによってより大きな悪を見逃してしまうこともあり得る。それは報道の正義と言えるのだろうか。このあたりが『キャスター』の大きなテーマになりそうだ。
ドラマ『キャスター』1話の感想
阿部寛が報道を武器に信念を貫いていくダークヒーローモノ。正直、第1話ではまだそこまでハマれていない。とにかく展開が目まぐるしかった。
- 羽生官房長官の収賄疑惑
- 持病で緊急手術
- なぜいつもと違う病院?
- 医師の違法手術
- RH-ABの血液を使ったことで少年死亡
- 羽生と取引して真実を揉み消した
展開をめちゃくちゃ詰め込む試みは面白かったが、それぞれの展開自体がそこまで面白くないのが残念。
そもそも阿部寛が何を考えているのか明かされていないため大きなゴールに向かっていくカタルシスではなく、細かい展開に振り回されるストレスの方が大きかった。
演出もコッテコテ。阿部寛が官房長官の息子と喋っているときに近くで聞き耳を立てる永野芽郁とか…構図が気になった。局のメンバーもみんなテンション高めでテンプレ通りの会話をしてくる。
主人公の進藤が報道によって何を為そうとしているのか、何を為すべきなのか?など、報道におけるそもそも論に立ち返って考えさせてくれるコンセプトは良い。
『御上先生』もそうだけど、TBSの日曜劇場は社会問題に切り込んで日本を少しでも変えてくれようとしているのが素晴らしい。
『キャスター』キャスト
主要キャスト↓
進藤壮一(しんどうそういち)|cast 阿部寛
崎久保華(さきくぼ はな)阿部寛|cast 永野芽郁
本橋悠介|cast 道枝駿佑
テレビ局JBNのスタッフ↓
小池奈美(こいけ なみ/サブキャスター)|cast 月城かなと
尾野順也(おの じゅんや/編集担当)|cast 木村達成
チェ・ジェソン(AD)|cast キム・ムジュン
戸山紗矢(とやま さや/学生のアルバイト)|cast 佐々木舞香
梶原広大(かじわら こうだい/ディレクター)|cast 玉置玲央
安藤恵梨香(あんどう えりか/記者)|cast 菊池亜希子
市之瀬咲子(いちのせ さきこ/編集長)|cast 宮澤エマ
山井和之(やまい かずゆき/プロデューサー)|cast 音尾琢真
鍋田雅子(なべた まさこ/清掃スタッフ)|cast ヒコロヒー
滝本真司(たきもと しんじ)|cast 加藤晴彦
海馬浩司(かいば こうじ/報道局長)|cast 岡部たかし
国定義雄(くにさだ よしお/TV局の会長)|cast 高橋英樹
進藤の周辺人物
横尾すみれ(よこお すみれ/進藤壮一の娘)|cast 堀越麗禾
松原哲(まつばら てつ/進藤の父)|cast 山口馬木也
南亮平(みなみ りょうへい/週刊誌の記者)|cast 加治将樹
政府関係者やその他の人物
羽生剛(はにゅう つよし/内閣官房長官)|cast 北大路欣也
羽生真一(はにゅう しんいち/剛の息子で秘書)|cast 内村遥
尾崎正尚(おざき まさたか/コンサル経営者)|cast 谷田歩
崎久保由美(さきくぼ ゆみ/華の母)|cast 黒沢あすか
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