ドラマ『あなたを奪ったその日から』ついに最終回11話が放送された。
紘海（北川景子）と旭（大森南朋）、そして美海の3人が想いをぶつけ合う感動のフィナーレだった。そして衝撃のラストへ！
- 罪を許し合った被害者と加害者
- ラストの灯の写真の意味
- 最終回第11話のぶっちゃけ感想：良かった点と残念なポイント
各登場人物のセリフや演出を解説していきます。
『あなたを奪ったその日から』最終回の演出と考察まとめ（ネタバレ）
罪を許し合った被害者と加害者
©︎カンテレ
最終回11話では、萌子（美海）が紘海のことが忘れられず、誕生日に旅行しようと約束していた姥捨駅（おばすて）に1人で行く。
旭（大森南朋）は萌子が書いた“あと1度でいいからお母さんに会いたい”との置き手紙を読んで、紘海のアパートへ乗り込む。
紘海は萌子が姥捨に行ったと考えて旭と2人で向かった。
姥捨駅に着いた紘海は何も言わずに美海（萌子）を抱きしめた。
旭は紘海に「私はあなたを許せない。あなたは僕を赦していますか？」と尋ねた。
紘海は「灯は精一杯生きていたと受け入れている。美海に私のように人を恨む人間になってほしくない」と言った。
紘海が旭を許したことを初めて口にした瞬間である。
このとき、旭も娘のためにいつまでも憎しみを抱え続けてはいけないと悟ったようだった。
被害者でもあり加害者でもある2人が、お互いの罪を許し合った瞬間だった。
旭は紘海と萌子（美海）が本物の親子であると認め、ラストでは紘海と美海がまた一緒に暮らすことになる（旭は萌子と時々会っている）。
ラストでは灯の写真が飾られていた
最後には紘海のアパートに灯（あかり）の写真が飾られていた。これは紘海が灯の死を11年越しに受け入れられたという意味だろう。
紘海は誘拐した当初は心の奥で美海に灯を重ねていた。しかし美海は灯の代わりではない。
灯と過ごした思い出と、誘拐してしまった美海と過ごした思い出、その両方が美しいものだったと受け止めることができたラストシーンだったと感じた。
スイッチバックの本当の意味
スイッチバックは旭が立ち上げたスーパーの名前だが、萌子の話で3歳の頃に旭と一緒におもちゃの電車でスイッチバックごっこをよくしていたと判明。
萌子が鉄オタになったのは、旭との絆によるものだった。
電車は母・紘海との絆の象徴であり（キーホルダー）、父・旭との絆の象徴でもあった。
また、スイッチバックとは電車が山などの傾斜を進行方向を変えて登っていく行程を指す。
紘海、旭、美海（萌子）3人の物語もただ真っ直ぐ進むだけでなく、方向転換してうまく解決した…スイッチバックにはそんな意味も込められているかもしれない。
『あなたを奪ったその日から』最終回の感想レビュー
ひとまず、紘海と美海（萌子）がまた一緒に笑顔で暮らすハッピーエンドで良かったと思う。
ただ、旭の心情を思うとそれで大丈夫なの！？とも思った。娘の萌子とときどき会う生活で良いのだろうか。
旭としてはそれが萌子のためだと考えたのだろう。けど前回は萌子と再会して嬉しさと動揺が入り混じっているような感じだったので、たった数カ月で萌子を誘拐した紘海に預ける選択をできるものなのか？と思ってしまった。
旭の葛藤は深いものなので、心情をもう少し詳細に描いて欲しかったのはある。
最終話はハッピーエンドだといいなと思っていて実際そうなったけど、あまりにも素直すぎる結末だと思った。
紘海には笑顔になって欲しかったけど、誘拐の罪が完全に許されたような感じなのは少しモヤっともする。なんとも複雑な気持ちなった。
望月が居酒屋でバイトしたり、砂羽と付き合っている展開はほっこりした。望月はいるだけで馬が和む。
あとは玖村が闇堕ちしたまま終わったのが可哀想だと思った。
梨々子は自分の罪を受け入れて前に進めた。しかし玖村は10年越しにセクハラ冤罪の復讐をしてみたものの、何も状況が変わらず。
梨々子はSNSで罪を告発した玖村を許していた。
梨々子と憎み合う関係にすらなれなかったのが切ない。
玖村だけがまだ他人を許せていない。彼はまだ他人を責める人生を続けそうだ。
どうせなら玖村も前に進む最終回になって欲しかった。
でもまあ玖村も梨々子が変わったのを見て「自分も変わらなくちゃいけない」と思い直すかもしれない。そう信じておこう。
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