ドラマ『あなたを奪ったその日から』10話。最終回の直前のエピソードとなる。
10話は、切なすぎて泣けるシーンだけで構成されているといってもよい感涙回だった。
- 紘海と美海の理屈を超えた親子の絆
- 旭の心情
- ラストで紘海が見せた表情の意味
- 最終回の予想
- 第10話のぶっちゃけ感想
各登場人物のセリフや演出を解説していきます。


『あなたを奪ったその日から』10話の演出と考察まとめ(ネタバレ)
「逃げよう」理屈じゃない親子の愛
©︎カンテレ
自分の正体が10年前に失踪した萌子だと聞かされた美海は、それでも紘海(北川景子)に「一緒に逃げよう」と言う。美海このセリフにめちゃくちゃ心を揺さぶられた。
2人が過ごした10年間は血よりも濃い。親子の情は血のつながりや理屈だけではないんだなと実感させられた。
さらに美海は、紘海が復讐のために自分を誘拐したと知っても「お母さんが悪い人でも、お母さんの子がいい」と涙を流す。美海の引き裂かれるような心情を思うと涙が流れてくる。
「生きていた…」父親・旭の想い
旭は紘海のところにやってきたのが萌子だと確信。それまで旭は紘海に対して怒りを見せており、紘海に「萌子があなたへの未練がなくなるようにしろ」と迫っていた。
しかし旭は萌子を見たとたんに「生きていた」と穏やかな表情になる。親として、まずは生きていたことに喜びを感じる。大森南朋さんの演技がさすがだった。
10話では、萌子からお母さんを訴えないでと言われて明らかにどうしようか迷っている表情でうなづくなど、大森南朋さんの演技が光っていた。直接セリフにしなくても心情が伝わってくる。
母・紘海が見せた複雑な表情
10話のラストシーンもめちゃくちゃ切なかった。紘海は美海(萌子)に「復讐のために誘拐した。母さんじゃない。血も繋がっていない」と言ってしまったことを後悔し続けていた。紘海は娘にひどいことを言って突き放したことを、誘拐したことと同じくらい後悔していると言っていた。つくづく美海のことが大切なんだなあと思った。誘拐という犯罪から生まれた本物の親子愛である。
紘海は、レストランへ行く美海(萌子)、旭、梨々子、江身子の4人を見て涙をこぼしながらも安堵の表情を浮かべていた。
寂しい気持ちだけでなく、美海が笑って生活しているのを見て安心したのだろう。安心したからもう自分はいない方がいいと思って声をかけなかったのだと思う。切ない。
最終回はどうなる?許されない罪を許せるか
ドラマ中盤の時点では、紘海と旭が再婚するのか?と予想していたが、旭も紘海に憤りを見せているし、何より旭以外に親族全員が紘海が誘拐犯だと知ってしまった状態で再婚は流石に難しいかもしれない。
旭は萌子を連れてタクシーに乗った。旭は走ってタクシーを追いかけてくる紘海を見ていた。
紘海のことが憎く、萌子が紘海に愛情を持っていることをどうしていいかわからない。いっぽうで紘海から娘を奪ってしまった責任もある。
旭はなんだかんだで、許されない罪を許す道を選ぶ気がする。紘海と萌子が定期的に会うことも許可するのではないだろうか。
また、園長の雪子先生(原日出子)は「子故の闇(こゆえのやみ)に迷う」(子供を思うあまりに分別を欠くこと)と紘海に話していたのも気になる。
もしかすると雪子先生も過去に子供や肉親を失うなど、紘海と似たような経験をしているのかもしれない。
梨々子の罪に関しても、紘海は訴えそうにないし、砂羽も記事を取りやめそうだ。
玖村も梨々子の過去の罪(セクハラ冤罪)を許す選択をしそう。
最終回は、許されない罪をどう許すかが描かれるのではないか。
『あなたを奪ったその日から』10話の感想
誘拐して10年たち、本物の親子の絆で結ばれた紘海と美海。しかし本当の父親である旭にすべてがばれて連れ戻される。
現実ではまず絶対ないシチュエーションではあるが、キャストの演技を見ているとこんな状況ならこうするかもしれない…という納得感があった。
ありえない展開ではあるが、根底に普遍的な親子の愛が感じられるからこそ物語に説得力があるのだろう。
最終回がどうなるか気になりすぎる。紘海にも萌子にも旭にも全員に幸せになってもらいたい。
すぐに紘海までハッピーになる展開は難しいかもしれない。
さらに10年経ち、時間が3人の関係を癒してくれるだろうか。どんな形でもいいから幸せな結末を希望。

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