『誘拐の日』最終回ネタバレ考察,ラスト斎藤工が豹変,衝撃結末の本当の意味と感想

4.5

ドラマ『誘拐の日』最終回 日本版

2025年9月2日放送のドラマ『誘拐の日』最終回を鑑賞(日本版)。

日本版のラストはどうなるのか?原作小説や韓国版と違う衝撃のラストにすごく驚いた!

  • 最終回のあらすじネタバレ解説
  • 秘密によって政宗(斎藤工)が闇堕ち?驚愕のラスト結末の本当の意味!
  • 政宗と汐里の対比から見える怖いテーマ
  • 最終話の感想レビュー:続編はある?

これらを徹底考察していきます!

『誘拐の日』韓国の原作小説ラスト結末までネタバレ解説はこちら

『誘拐の日』ネタバレ感想,ラスト結末・真犯人の解説,韓国ドラマの原作あらすじ
『誘拐の日』ネタバレ感想,あらすじラスト結末!真犯人はだれ!?韓国ドラマの原作小説レビュー!正直な評価と解説、「おもしろい?」「つまらない?」アマプラ配信!

『誘拐の日』最終回あらすじネタバレ解説

前回・8話のネタバレ解説と考察はこちら

『誘拐の日』8話ネタバレ考察/汐里(安達祐実)犯人で確定..政宗は何をした?最終回直前
2025年8月26日放送のドラマ『誘拐の日』第8話を鑑賞。政宗(斎藤工)と凛(永尾柚乃)の絆に涙するいっぽうで、汐里(安達祐実)の表情が怖すぎるちょっとしたホラー回でした。 8話のあらすじネタバレ 汐里が犯人?七瀬守を殺した理由 政宗の罪 ...

新庄政宗(斎藤工)は凛(永尾柚乃)と引き離され、県警に連行される。通報したのは妻・新庄汐里(安達祐実)だった。

須之内司(江口洋介)も政宗を匿っていた罪で拘束されていた。

凛と山崎忠(深澤辰哉)が手を組み、メール履歴から副理事長・七瀬富雄(長谷川初範)と刑事部長・辰岡泰明(徳重聡)の繋がりを発見。

2人は、富雄が七瀬家の財産を自分のものにするために辰岡に凛の捜査を中止するように依頼していたと証明した。辰岡は逮捕された。

須之内が事件の捜査に復帰。凛にもアドバイザーとして加わってもらう。

いっぽう汐里はケビン福住(鈴木浩介)から10億円を受け取り、ペンダント(次世代知能開発プロジェクトのデータが入っている)を渡した。

しかしケビン福住は薬のレシピ(組成表)だけが抜けていることに気づく。福住や鮫洲は須之内たちに逮捕された。

凛は国外逃亡をはかろうと空港へ向かう汐里に電話して児童養護施設の教会に呼び出した。

凛は推理した事件の経緯と犯人の動機を汐里に語り出す。

汐里はエイズを発症してから自暴自棄になり、政宗と芽生を捨てた。そして七瀬守を脅して金をもらっていた。

七瀬守は脅迫してくる汐里と実験の邪魔をする妻・さやかを両方消したかった。そこで事件の数日前に松田を呼んで防犯カメラを撤去させた。

守は7月7日に妻を殺し、汐里を呼び出して痴情のもつれで彼女が妻を殺したことにしようとした。しかし、殺されそうになった汐里が日本刀で守を殺害

汐里はどうしていいかわからず松田を呼び、隠蔽工作をしてもらう。起きてきた凛に麻酔を打ち、もう1日眠らせた…。これが事件の真相だった。

凛から「あなたは私と同じ」と言われた汐里は激昂し「私が七瀬守を殺した」と自白してしまう。張り込んでいた須之内たちが確保するために突入。

汐里は血のついたメス(病院で盗んでいた)で自分の手を切りつけて血を出し、凛の首に向ける。

政宗が出てきて(須之内に連れてこられていた)「汐里を大切に思っている」と気持ちを伝えた。汐里はメスを置く。汐里は逮捕された

その後、凛は無事に治療を終えた芽生と一緒に学校へ行く。山崎弁護士が後見人となって2人の面倒を見ていた。

水原博士(内田有紀)は息子が手を動かしているのを見て涙を流す。水原は刑務所にいる政宗と面会し「ペンダントのデータに組成表はなかった」と話した。

政宗はそのデータを見て、栄作と実験室にいた過去の記憶を思い出す。

政宗は過去の記憶をすべて取り戻していた。刑務所の庭の壁全面に子供を天才にする薬の組成表を書き殴る

『誘拐の日』最終回ラストシーンの意味

ラストの意味、記憶が戻った政宗が闇堕ち?今後は?

A:政宗が七瀬栄作から実験を受けていたことを思い出し、その後で薬の組成表を記憶させられていた衝撃のラスト。闇堕ちしたかは確定できないが、余韻が残る残酷なラストだった。

政宗は教会にやってきたことで汐里と過ごした頃を思い出し、さらに実験されていた時の記憶まで思い出してしまったのだろう。風鈴の音は記憶を取り戻した演出。

凛が裁判で証言したとき、政宗は暗い表情で項垂れていた。この頃にはもう過去を思い出していたと考えられる。

刑務所での政宗の表情を見るに、記憶を取り戻しただけでなく、人間性まで失っているようだ

おそらく過去に政宗は栄作の薬によって1度は本物の天才になった。しかし汐里が頭痛薬を与えなかったことなどで記憶と頭脳を失ってしまったのだろう。

真の医道は善き心に宿る…というのは、薬の組成表が政宗に託されていた伏線だった。深読みすれば政宗が七瀬栄作の後継者とも取れる演出だ。

なぜ記憶を取り戻した政宗が暗く無口になってしまったかも気になる。政宗は9話の予告で、「あの日、自分が何をしたのか?」と言っていた。

栄作のレシピを受け継いだだけでなく、政宗が栄作にアドバイスしてレシピの最後のワンピースがはまった…それのせいで凛が守からの実験を受けることになった…だから記憶が戻った政宗の表情が暗いのでは。

政宗は最高の頭脳を取り戻して薬のレシピを思い出したが、凛が好きだった明るい政宗は消えてしまった。

政宗と凛は記憶を失った者同士で最高のコンビだった。政宗が記憶を取り戻したあともその関係でいられるのか…。

政宗は薬の組成表を壁に書き殴っていた。これは、栄作の呪いを受け継いでいる証明に見えた。栄作は死んでいるはずが、研究者として政宗の中に生き続けているようだ。負の遺産が消えない

確か七瀬栄作の死因は明らかになっていないが、過去に一時的に記憶を取り戻した政宗が栄作を殺した可能性すらあると思った(政宗が暗いのはそのせい?)

また1番最悪なパターンとして、出所した政宗が実験を続けるという今後もあるかもしれない。

政宗が凛と芽生を実験台に…これは考えたくない

ただ、政宗は記憶を取り戻しただけでこれまでの全てを忘れたわけではない。面会に来た水原に「(腕を動かした彼女の息子について)お母さんと言っているんですよ…」と言っていたので、優しさは残っていると考えられる。

また、過去の記憶を忘れてもとの政宗に戻るパターンもある(心情としてはそちらであって欲しい)。

刑務所の部屋には芽生が描いたであろう、政宗、汐里、芽生、凛の4人で遊んでいる未来予想図のような絵も貼ってあった。これは希望の象徴だ。

しかし最後の斎藤工さんの表情を見ると、正気を失っている気がして怖い…。刑務官に介護されてるみたいな感じだったし。

政宗と汐里の対比から見る怖い裏テーマ

A:親として、被験者として、政宗と汐里の境遇の違いが最終回を読み解くキーポイントになっていた。

正気を失っているように見える政宗が、今になって汐里と同じ苦しみを味わっているという切なく悲しい解釈もできる。

「今度は政宗が汐里と同じ苦しみを背負う番だ」という皮肉な運命のシフトなのか。

政宗は凛や芽生にとって太陽のような存在だった。しかしそれは悲惨な過去の記憶を失っていたからこそだったのかもしれない。

過去の不条理な境遇を思い出してもなお、凛や芽生に愛情を注げるだろうか?そう問いかけるようなラストだった。

政宗と汐里の対比から、愛するためには忘却が必要なのでは?という考えようによっては怖いメッセージが読み取れた。

犯人・汐里の行動や心情を分解

汐里は政宗や芽生と幸せに暮らしていた時もあったが、エイズを発症したことで再び人生に絶望してしまう。

政宗や凛が問題を自分で解決しようとするのに対して、汐里は松田に頼り、守を揺すってきた。汐里は圧倒的に他責思考である。

汐里の行動は「なぜ自分がひどい目に遭わなければいけなかったのか?」という公正世界仮説的(世界は公平・平等なはずだという思い込み)な不条理を受け入れられない心に起因している。

頑張っている自分がこんな目にあうはずがない。自分がこんな目にあったのは周囲の人間が悪かったから→許せない!という認知バイアスが強く働いていた人物だった。

金に執着してブランド品を爆買いしたのも「苦しんだ自分は報われるべきだ」というバイアスによる。

汐里には、政宗や芽生という家族がいた。汐里が現在どんな病状かは不明だが、エイズは適切な治療をすれば普通の人と同じような生活ができ、死に直結しない。汐里は幸せがすぐそばにあったのに、怒りと憎しみによってそれを捨ててしまった悲しい女性だった。

『誘拐の日』最終回9話の感想レビュー:続編ある?

斎藤工さん、永尾柚乃さんの演技と掛け合いが絶妙で、いつまででも見ていられるドラマだった。サスペンスとコメディが絶妙なバランスで融合している。そして安達祐実さんの怖すぎる演技も存分に堪能できた。

政宗と凛のバディは最強。「誘拐の日(政宗が誘拐した日)」が凛にとっての「救済の日」となっていたのが感慨深い。

政宗が記憶を全て取り戻してしまったある意味で残酷すぎるラスト。原作小説も読んでいたけど、原作とも韓国ドラマ版ともまた違う結末に衝撃を覚えた。

解釈の仕方によるが、まさかの最終話で不穏なサスペンスオチ。サスペンス好きとしては嬉しい結末だが、政宗が今後どうなってしまうか心配。凛と芽生と幸せに暮らして欲しかったが、そんな未来は待っているのだろうか?結末は視聴者の手に委ねられた。

これは続編が見たくなる!現時点で制作は発表されていないが日本版オリジナルで続編やってくれてもいいんじゃない?明るい政宗と暗い政宗の二重人格みたいな設定にして、また凛とバディ組んで研究の闇を暴いてくれ!

汐里と凛は次世代知能開発プロジェクトの新旧被験者同士として対決したが、役者としても安達祐実さんと永尾柚乃さんは新旧天才子役同士の対決をしていたところも感慨深かった。キャスティングが神がかっていた。

今季のドラマでは「しあわせな結婚」と並んで大好きだった。終了が残念。

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この記事を書いた人

映画やドラマの考察歴5年。映画好き歴20年。映画鑑賞累計2000本前後。ドラマは数百本。Webライター歴8年。いくつかのメディアでの執筆歴あり。映画やドラマの本質を追求するような解説や考察が書けるように日々精進しています。パーソナルな感想に普遍的な何かが少しでも宿っていれば幸いです。

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