実写映画『見える子ちゃん』(MIERUKO-CHAN)を鑑賞。
原菜乃華が幽霊をガン無視する女子高生を好演!しかし肝心の映画のクオリティは…
- あらすじ・ネタバレなしの感想
- ネタバレ・ラスト結末の解説
- 忖度なしの感想と評価:良い点・悪い点
これらの情報をまとめました。
実写映画『見える子ちゃん』あらすじ
©︎「見える子ちゃん」製作委員会
あらすじ:四谷みこ(原菜乃華)は最近になって幽霊が見える体質になってしまった。みこは道端で見かけた男の子の幽霊を見て喋りかけてしまう。男の子の幽霊は家までついてきた。
みこはYouTubeを見て「幽霊は相手が見えているとわかるとついてくるの無視した方がいい」と学び、徹底的にガン無視することを決める。
高校は文化祭の時期だった。みこは親友の百合川ハナ(久間田琳加)の肩に青白い手がついているのを見て驚く。文化祭の抽選会で、生徒会の二暮堂ユリア(なえなの)と生徒会長の権藤昭生(山下幸輝)がハナについている霊に気づいた。2人にも幽霊が見えているようだ。
幽霊に取り憑かれているからか、ハナは食欲旺盛になっている。みこはハナを除霊するためにある作戦に出るが。。。
そして出産で入院する荒井先生(堀田茜)の代わりにやってきた遠野善(京本大我)にも最悪の霊が取り憑いていた。みこ、ユリア、昭夫は学園を守るために立ち上がる。
ネタバレなし感想:映画でやる内容?
原作未読で鑑賞。幽霊が見えるからガン無視するという設定はすごく面白いけど、内容もボリュームもハッキリ言って「映画でやる話?」と思ってしまった。
忖度なしでぶっちゃけるとコメディとしてもホラーとしても中途半端。キャストの原菜乃華や久間田琳加演じる女子高生たちキャピキャピする学園生活を眺めつつ「何が面白いのかわかんねえ…」と我に返ってしまった。
また主要キャスト同士のケミストリーのようなものがなく、笑えるはずのやり取りもあまり笑えない。
幽霊の謎を追うくだりも倒すくだりも非常に退屈。文化祭の時期の話だが、すごく悪く言えば映画全体が文化祭のクオリティだった。
ラストは予想していなかったので驚いた。
実写映画『見える子ちゃん』ネタバレ・ラスト結末
親友を守れ!
みこは日常生活で幽霊を無視しつつ、父親の真守(滝藤賢一)のこともガン無視していた。
みこは自分と同じように幽霊が見える生徒会長の昭夫から「この学校では過去に文化祭の日に崩落事故があって大勢が亡くなったから幽霊が多い」と聞く。
みこはハナの肩についている青白い腕を見ないようにしながら「昨日どこかへ行った?」と聞く。ハナは親戚の不幸で火葬場に行っていたらしい。
みこはハナを神社へ連れて行く。鳥居をくぐるとハナについていた幽霊が取れた。除霊成功!
新らしい先生に取り憑いた悪霊の正体
荒井先生が出産のために病院で運ばれ、その翌日に遠野善先生がやってくる。
臆病でみんなと目を合わせられない善先生には、ドス黒い悪霊がついていた。
みこは善先生についている悪霊が、善と仲良くしゃべるハナを見つめていることに気づく。ハナは善先生に取り憑いた悪霊に取り憑かれてしまった。
みこはハナを日没後の神社に連れて行くが今回は除霊できなかった。ある日、ハナは倒れて入院してしまう。みこは、ハナのベッド横に善先生についていた悪霊がいるのを見る。
みこはユリアや昭夫に相談する。ユリアは善とハナに取り憑いているのが生き霊だと考える。
もしかして善先生と幼馴染だという荒井先生が過去に善と付き合っていて生き霊となって取り憑いているの?と思いきや違った。
出産を終えた荒井先生の話によると、善はある時期から母子家庭になり、母親が束縛の強い毒親だったという。しかしその母親はすでに死んでいるらしい。取り憑いているのは母親の霊だと分かった。
驚愕のラスト結末!
昭夫の話によると、神社によっては神様が日没後にいなくなってしまうから、日没前に鳥居をくぐらせたほうがいいらしい。
みことユリアは善先生を神社へ連れて行く。みこと善は鳥居をくぐろうとするが母親の霊に妨害された。母親の霊が除霊しようとしたユリアを気絶させた。
そのとき、神社の神様が母親の霊を善から引きはがす。みこと善は鳥居をくぐることに成功。2人は鳥居の向こう側にいる母親の霊をガン無視する。母親の霊は消えていった。
母親の霊の束縛から解かれ、善は元気を取り戻す。
みこはユリアに、実は父親・真守がすでに交通事故で死んでいて、幽霊になって家にいるから無視していると話す。
文化祭当日、ハナが元気になって学校にやってきた。
みこのクラスの出し物はお化け屋敷だった。
教室に昭夫が現れる。昭夫は過去の崩落事故で死亡した幽霊だった。実は、みこの高校は女子校で、文化祭を手伝っているかのように見えた男子生徒たちは全員が幽霊だった。
実写映画「見える子ちゃん」終わり
実写映画『見える子ちゃん』感想と評価
良かった点:意外なラスト
みこの父親が幽霊だったというシックスセンス的な結末は予想していなかったので驚いた。
ラストでは、みこが父親に愛情を持っているけれども無視しなければならない葛藤と、仏前にプリンをお供えして父親の霊が喜んでいるのを横目で見つつ弟にあげるシーンで心が温まった。
神社でみこを助けてくれたのは神様になった父親?と思ったり。
生徒会長の昭夫が幽霊だというのも、考えてみると彼が校門の外に出られないなど一応伏線がはってあったなあと思った。
残念な点:文化祭レベル!?
女子高生の友情?幽霊を無視する笑えるやりとり?先生についた悪霊に立ち向かう過程?
何が見どころなのか最後までわからなかった。
文化祭クオリティと言えば少し盛りすぎた表現にはなるが、脚本・演出ともに疑問符がわきまくりのシーンが多数。
まず気になったのは、プロットに繰り返しが多いところ。
ハナが青白い腕の霊に取り憑かれる→神社で除霊→ハナがまた悪霊に取り憑かれる→また神社へ→善先生の母親の霊を除霊するときもまた神社へ。
ハナが2回取り憑かれているし、神社に何回も行く脚本はどうなのかと思った。そんな神社が好きならもう住んじゃよ。
また善先生やハナに取り憑いた霊の正体を暴く過程も面白みが一切ない。荒井先生が「悪霊は善の母親だと思う…」と話して即解決。人からヒントではなく答えを貰ってしまう1番ダメなパターン。謎解きを楽しもうと思わないの?
あとは取り憑かれたハナもあとどれくらいで死ぬのかわからないから、神社に行くのもそんな急がないでいいんじゃない?と思ってしまった。
実は女子校だから昭夫は幽霊だってことだけど、これはみこも気づいてたってことだよね。みこは幽霊だけでなく鑑賞者への説明義務をも無視している?(そこはある意味うまいのか)
最後のどんでん返しも映画全体が面白ければもっと「おおッ!伏線回収気持ちいい〜」ってなるんだろうけど、ふ〜んくらいの感想で終わった。
全体的に完全にNot For Meの作品だった。冴え渡るギャグが、ホラーの謎解きの面白さのどちらもないのはキツイ。何か一つでも見どころが欲しかった。
2025年公開の邦画レビュー↓




実写映画『見える子ちゃん』キャスト
四谷みこ|cast 原菜乃華(『映画【推しの子】The Final Act』)
百合川ハナ|cast 久間田琳加
二暮堂ユリア|cast なえなの
権藤昭生|cast 山下幸輝
遠野善|cast 京本大我
荒井先生|cast 堀田茜
四谷真守|cast 滝藤賢一
四谷透子|cast 高岡早紀
コメント