Netflixで映画『視線』(Watcher/2022)を鑑賞。言葉によるコミュニケーションが取れない異国でストーカー被害に遭う女性がストレスと絶望を感じ、最後には最悪?の展開が待ち受けているサスペンス。わりとシンプルな構成なのでサラッと鑑賞できる。
映画『視線』(2022)あらすじ解説
ジュリア(演-マイカ・モンロー)は、夫・フランシス(演-カール・グルスマン)の仕事の都合でルーマニアの首都・ブカレストに移住してきた。夫はルーマニア語がわかるがジュリアはほとんどわからない。友達もおらず、ジュリアは孤独にさいなまれる。
夜、ジュリアは向かいのアパートの38号室の窓に男性の影を見る。こちらを見ているようだ。男は毎晩窓に立っていた。ジュリアが手を挙げると、その男も手を挙げる…確実にこちらを見ている…。
ジュリアは映画館やスーパーへ行くと、不審な男性(名前はダニエル/演-バーン・ゴーマン)にあとをつけられているようだった。
ジュリアはフランシスに相談する。フランシスは警察と一緒に向かいのアパートへ行き、38号室にダニエルが住んでいることを確認する。しかし警察は「近所だから偶然映画館やスーパーで見かけただけだ」と何も対応してくれない。
ジュリアはダニエルが隣の部屋に住むイリナが勤める店で働いていることを突き止めるが…。
いっぽう、ブカレストではスパイダーという連続殺人鬼が4人の女性を殺害する猟奇事件が発生。果たしてスパイダー=ダニエルなのか?
映画『視線』ネタバレ感想&考察:監視者と主人公のシンパシー
ジュリアの周囲ではルーマニア語が飛び交う。彼女は理解できない。そして字幕がないので我々視聴者も理解できない。ジュリアが受けるストレスを我々も一緒に体験するコンセプトが成功している。ジュリアには知人もいない。ちなみに私も英会話が微妙なレベルで1人でカナダに滞在したことがあるが、知人もいない異国でコミュニケーションがスムーズに取れないストレスは想像以上だった。
ストーリーはヒッチコック監督の『裏窓』を継承したものだと思う。近隣住民に不信感を持つ女性→本当に裏でヤバい事件が起きていたというモチーフの発展系だ(完成度的にはさすがに『裏窓』が上だと思うけど)。
ジュリアはダニエルに監視していると恐れながら、自分が監視する側に回ってしまう展開が非常に興味深い。
次のページではジュリアとダニエルの共通点、殺人鬼・スパイダーの行動原理、捕まった男性との関係、ラスト結末のその後を徹底考察していく↓↓
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