リナとキャバ嬢・アイリの共通点と対比
最終話でどこまで触れられるかわからないが、70年以上前のリナと同じような境遇の人物がアイリである。
(キャスティングも池田エライザさんと安斉星来さん、日本人離れしたビジュアルで雰囲気が近い。)
リナは端島にくる前に博多のクラブ・フロリダで歌っていたが、逃げ出したということは半ば無理矢理はたらかされていたのだろう。
ホストクラブとキャバクラのシステムから逃れられない玲央とアイリと同じ境遇だ。
リナは元恋人の犠牲でヤクザから逃げ、その後は進平に救われ、そして鉄平に救われた。
アイリは玲央(鉄平と同じ顔をした)に救われた。
野木亜紀子さんは『ラストマイル』でも倉庫スタッフや配送ドライバーの搾取問題を描いていたが、本作でも弱者を搾取する構造からどう立ち上がるかをしっかり描いていると感じた。
鉄平と朝子の約束、ギヤマンとダイヤモンド
端島が復活したら…という2人の約束。これは「結婚しよう」だったのだと思う。
朝子は鉄平とリナが2人で何度も長崎に行っているのを見て不安な気持ちになっていた。
しかし鉄平は、朝子に全て話すと自分の息子として誠の出生届を出したことまで説明しなければならず、言えなかった。気まずくて会いにも行けなかった。こういうわけだと思う。
海に眠るダイヤモンドの本当の意味
朝子は鉄平と長崎でギヤマン(江戸時代に海を渡ってきたアンティークガラス細工)を見て、ダイヤの指輪よりこれがほしいと言う。ギヤマンはダイヤモンドの意味だ。
ギヤマンは朝子と鉄平の思い出の品となった。2人は結婚の約束をするが、それが果たされないことが判明している。
朝子と鉄平の恋こそが70年間も海に眠るダイヤモンドなのだろう。
もしかすると鉄平は朝子にプレゼントするギヤマンを買っていたのかもしれない。古賀こうめいが持つ8mmフィルムにそれが映ってたりして!
花瓶と枯れた花の演出
朝子は、幼い頃に鉄平からもらった花瓶にいつも花を生けている。
がしかし、リナと長崎へ行った鉄平を待つ朝子は、枯れた花を撫でていた。
やがて鉄平とリナの仲が噂されるようになり、花が飾られなくなった。朝子の鉄平への信頼が揺らいでいる現れだ。
花瓶で朝子の心情を表現したうまい演出だと思った。
ちなみに鉄平と朝子はデートで島民の奥さんが駆け落ちした話をしており、これは鉄平とリナの駆け落ちへのジャブになっている。
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