ディズニーの実写映画『白雪姫』を鑑賞。
公開前から主演のレイチェル・ゼグラーさんがラテン系で炎上していたり、7人の小人のキャスティングで炎上したり、炎上祭りのような作品だった。
私はミュージカル映画が好きなので、そういった炎上要素抜きで楽しめたらいいなくらいの気持ちで鑑賞した。ミュージカルは歌とダンスが最高なら良いのだ。
しかし実写『白雪姫』の問題は炎上した件以外にもあった。
- 白雪姫にラテン系女優起用の是非
- ストーリーが超絶つまらなかった3つの理由
- 7人の小人の炎上案件
- 音楽よりも思想が主役になっている点
これらについて、実際に鑑賞して感じたことを踏まえて徹底解説していく。
(※ストーリーについて若干のネタバレがあるので未鑑賞の人は注意)
実写『白雪姫』感想:いろんな意味で大崩壊した駄作
ラテン系女優起用の是非
オリジナルのストーリーでは雪のような白い肌を持っているから白雪姫と呼ばれていたが、実写ではラテン系の女優レイチェル・ゼグラーさんが起用されて物議を醸した。レイチェル・ゼグラーさんの肌が小麦色だからだ。
実写では「吹雪の日に生まれたから白雪姫」と設定が改変されている。肌が白いから白雪姫と呼ばれているわけではないなのだ。
原作を根本から覆す改変に賛否はあると思うが、私は歌やダンス、映像、物語が面白ければ良い派なので、レイチェル・ゼグラーさん起用に関しては行き過ぎたポリコレではあるとは思うが許容の範囲内だった。スティーヴン・スピルバーグ監督のミュージカル映画『ウエスト・サイド・ストーリー』で主演を務めた実績もあるし。
実写『リトルマーメイド』も黒人のハリー・ベイリーさんを起用したことで炎上していたが、アリエル歌がものすごく良かったので割と好きだった。

ただ、主演のビジュアルイメージなどを根本から覆す今回のような改変をするなら、白雪姫の名を借りずに新しい作品を作れば良いという考え方にも一理ある。
第一、今回の白雪姫は実写リメイクというよりパロディ作品のような内容だったし。
ちなみにレイチェル・ゼグラーさんは1937年のアニメ『白雪姫』について、「王子が白雪姫をストーカーする時代錯誤の物語。女性の自立がない変な物語」と批判しており、この発言でも大炎上している。
そういった炎上要素はさておき、私的には実写『白雪姫』の問題はストーリーが最悪だったところにあると考える。
ストーリーのひどい点3つ!
いち映画好きとして忖度なしでいえば、実写『白雪姫』のストーリーは本当にひどい部類に入る。正直、めちゃくちゃつまらなくて終始ウトウトしていた。
主な理由は下記の3つ。
- 頭がお花畑の非現実的な脚本
- ポリコレ思想強すぎのセリフ
- ツギハギのような編集
物語の終盤では、白雪姫が魔女(ガル・ガドット)と対決するのだが、白雪姫は正面から堂々と城へ行き、魔女の手下の兵士たちと対話をして味方にする→女王である魔女は孤立して鏡を壊して自滅する展開。
暴力でなく言葉で説得するお花畑シーンをやりたいのはわかるが、そこに盛り上がりやカタルシスが一切ない。現実味もゼロ。小学校で授業を中断して生徒同士が話し合うのを見せられていた気分だった。
そして「白馬の王子様は登場しない!」「みんなが持っているものを分け合えば、もっと大きなものが得られる!」など、ポリコレ、リベラル思想が強過ぎのセリフ多数。トランプ大統領が当選して憤慨している人たちが作ったような作品(まあ、ハリウッドはリベラルだけど)
致命的だったのは、3番のツギハギのような編集。それぞれの場面が急に変わる違和感がストーリーを安っぽく見せていた。
白雪姫が魔女にリンゴを食べさせられて死んでからジョナサンのキスですぐに生き返るシーンはダイジェスト映像を見せられているかのよう。生き返るまでもう少しもったいぶった方がいい。
実写『白雪姫』は制作段階で公開が延期になって撮り直しになるトラブルがあったらしいが、そのせいでシーンの切り替わりや各パートの配分がおかしなことになってしまったのだろう。
溺れたあとに人工呼吸をされたように「ブハー!」と生き返る演出も笑えた。
7人の小人が不気味なCG、元は俳優が演じてた?
7人の小人がただの不気味なCGだった。見分けがつかない味気ないCGキャラ…。
元々は実写の俳優が演じる予定で、小人症の俳優が1人と普通の身長のさまざまな人種の6名がキャスティングされていたらしい。
しかし公開前に写真がリークされ「多様性を全面に押し出しすぎのキャスティング!」と大炎上。
ディズニーが送る実写映画『白雪姫』!本作に登場する7人の小人たちが「人種多様性に溢れすぎているのではないか」と物議を醸しています・・https://t.co/rad39wgN0Y pic.twitter.com/jGyMGydjer
— ユルクヤル、外国人から見た世界 (@Yurukuyaru) July 15, 2023
当初出回った7人の小人の写真にいる小人症の俳優ジョージ・アップルビーは、公開されたバージョンではジョナサンの盗賊仲間・クイッグ役で出演している。
もしかすると、炎上を受けて7人の小人をCGに切り替え、俳優たちはそのままジョナサンの仲間として“転用”したのではないだろうか。
途中で配役も内容も変えたとすると、ツギハギのような物語になったことにも納得ができる。
音楽より思想が主役のミュージカルに怒り!
「歌やダンスが素晴らしければ良い!」という考え方もできるのがミュージカル映画。
しかしディズニーの実写『白雪姫』の問題は、音楽やダンスが主役に見えなかったところにもある。
主題歌の「夢に見る ~Waiting On A Wish~」は良い曲だったし感動した。でもそれ以外の楽曲で刺さるものが少なかったのが非常に残念。
曲の好みは個人の問題だとしても、ポリコレ賛美の歌詞になっていたのも気になる。
「愛のある場所Good Things Grow」では“善きものが育つ国!”みたいなリベラル賛歌っぽく、「Waiting On A Wish」にも“国では自由を奪われ、みな優しさを忘れた”的な歌詞がある。
映画でポリコレをやるのはいいとしても、ポリコレ思想が主役になるような映画はやめてほしい。
同時期に公開された『ウィキッド ふたりの魔女』の方が数十倍良いと感じた。

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