『クジャクのダンス誰が見た』最終回第10話「最終話 辿り着いた真実〜父を信じた娘が起こす愛の奇跡」を鑑賞。
広瀬すず主演のサスペンスドラマがついに完結。心麦と春生(リリー・フランキー)の父娘の絆が光るラストだった。
- 最終回で明らかになった東賀山事件の真相
- 春生殺害の真犯人
- 歌を2階に上げた人物とその理由
- 春生の罪
- クジャクのダンスを踊っていたのは誰?
- 京子に春生の調査を密告した人物
- コーヒープリンの意味
これらを徹底考察&解説していきます!最終回の忖度なしの感想や残念なポイントもぶっちゃけ!

『クジャクのダンス誰が見た?』最終回10話ネタバレ・ラスト結末


東賀山事件の真相と犯人
東賀山事件の真相は複雑だった。
- 安成が京子と不倫。安成が里子に離婚を突きつけた
- 安成と歌を抱いた京子が林川家へ行くと、狂った里子が子供2人(音と奏太)と両親を殺していた
- 安成は里子の首を絞めて殺害
- 安成は林川家の名誉を守るため、他殺に見せかけようと全員の首を吊る
- 京子が安成の首吊りを手伝う(他殺に見せかけるために手を縛った)
- 京子が歌を置いて去る
つまり東賀山事件の犯人は里子と安成と京子の3人ということになる。
京子が歌を置いて去ったのは、歌が林川家の全財産を引き継げると考えたからだろう。
歌については安成の意向で里子が生んだことにしていたため、歌が生まれた時点で出生証明書が偽造され、さらに春生に引き取られた時点でも偽造されたことに。
心麦は出生証明書を2回偽造された女性ということになる。
春生殺害の真相と犯人
春生殺害の真犯人は赤沢京子だった。
春生はクリスマスイブに京子を家に呼び出した。京子が当時安成と不倫をしていたこと、東賀山事件に関わっていると気づいていたのだ。
京子はお願いだから黙ってくれというが、それが叶わないとわかると豹変。春生の飲み物に薬を入れており、春生が倒れると放火した。
京子が春生のスマホを持っていった理由は、自分が犯した罪に関する証拠が残されていると考えたからだろう。友哉を春生の自宅に現場に呼び出す際にもこのスマホを使ってメールを打ったのかもしれない。
歌を2階にあげたのは春生
東賀山事件の現場で1階にいた歌を2階へあげたのは春生だった。
春生は先に現場に来ており、家族の首吊り死体の下にいる歌を不憫に思って2階へあげたのだった。
ちなみに原作漫画では春生が歌を2階へ上げた設定はなく、22年前は力郎が冤罪かもしれないという考えが頭をかすめた設定だった。
春生から心麦へのクリスマスプレゼント
心麦は赤沢正から京子が持っていた春生のスマホを受け取る。
スマホに保存されていた動画で春生は心麦への感謝の言葉として「父にさせてくれてありがとう。生まれてきてくれてありがとう」と言っていた。
第1話で心麦が春生にクリスマスプレゼントは感謝の言葉が欲しいと言っていたが、それが叶った格好だ。
『クジャクのダンス誰が見た?』最終回10話の考察まとめ
春生が力郎の冤罪を生んだ
春生は歌を2階に上げ、歌は他の刑事によって2階で発見された。そのため、力郎の赤ちゃんの鳴き声が1階で聞こえたという証言は虚偽とされた。力郎の他の証言も信用されなくなってしまった。
力郎が嘘の証言をしていると疑われるきっかけが春生なので、春生がしでかしたことはかなり重大だと感じた。春生が力郎の冤罪を生むキッカケを作ったとも言える。悲しい真実だった。
春生はなぜ歌を2階に上げたと言わなかったのだろうか?
飛躍した解釈にはなるが、幼い歌(心麦)と秘密を共有することに何か運命めいたものを感じたのかもしれない。
2階に上げたことを言って力郎が逮捕されなかった場合、心麦(歌)の親になる未来はない…もちろん春生がそれを確信することはできないが、何か本能的に察知しての行動だったのかもしれない。
東賀山事件の中心にあったのは春生と心麦の絆なのだ。
クジャクのダンスを踊っていたのは誰?
『クジャクのダンス誰が見た』とのタイトル。ダンスを見たのは主人公・心麦だ。
ではクジャクのダンスを踊っていたのは誰か?
2人の人物が挙げられる。
まずは赤沢京子。すべての事件の中心に彼女がいた。
心麦は生後半年のときに東賀山事件の現場にいて京子の行動を見ていた。その記憶は奥底に封印されていた。
クジャクがいるジャングルで真実を探す旅は、心麦の記憶をたどる旅だったともいえる。
そしてもう1人は春生だ。春生が歌を1階から2階へ上げた行動もまたクジャクのダンスだったのではないか。
京子と鳴川の共犯関係、春生の調査を教えたのは?
第9話で鳴川に「山下春生が東賀山事件について調べている」と連絡をした人物は赤沢京子だろう。このとき、遠藤力郎は冤罪だったとも伝えたのだ考えられる。
では、京子に春生が調査していることを伝えたのは誰か?
廣島育美かもしれない。育美は認知症の症状はあったが京子にメールをしてもいたのでときどき正気に戻るのではないだろうか。春生が育美に面会に来たことをメールで京子に教えたのかもしれない。
もしくは春生が、京子が事件に関わっていると知る前に赤沢正に「東賀山事件についてまた調べている」と話し、それが京子に伝わったのかもしれない。
コーヒープリンの意味
松風は最終回でプリンにコーヒーを満たした“コーヒープリン”を食べていた。
1話で松風は「冤罪被害者にドス黒い疑いがまとわりつくたとえ」として心麦のプリンにコーヒーをぶっかけていた(コーヒーをかけたプリンをもとのプリンと言える?という意味)。
そのとき心麦はそれを食べ、「これはプリンです」と言った。冤罪被害者が人間性まで変わらないこという意味である。
松風は心麦の考え方に納得できたから最終話でコーヒープリンを食べた。そしてコーヒープリンを食べることは、力郎と友哉が人生をやり直せることの証明なのだと感じた。
『クジャクのダンス誰が見た』最終回の感想と残念なポイント
力郎が神井に連れられて友哉と再会して、22年前にクリスマスプレゼントとして買ったのであろう野球のグローブを渡したシーンに感動した。酒向芳さんの演技力すげえ。
ただ全体的には疑問符が浮かびまくる最終回だった。
正直、赤沢京子が逮捕されて面会のシーンから始まった時点でがっかり。
京子が血のついた包丁を持って立っていたシーンから騒動などはなし。京子は泣き崩れて逮捕されただけだった。
そのせいで最終回は全体的に春生殺害の真犯人だった京子の説明と回想だけで終わったのが残念だった。事件をあばくとかそういう展開は一切なし。
『クジャクのダンス誰が見た』という作品自体が、心麦と松風が関係者に会いに行って関係者が勝手に喋るだけの展開が多いのでサスペンスとしては単調なつくりだと感じた。
ツッコミどころもかなり多い。一番はやはり鳴川だろう。リスクとリターンがこれほど釣り合っていない犯人ははじめて。過去に冤罪を生んだ鳴川に責任はあっても故意ではないのだから罪にはならないはず。隠蔽するにしても染田に薬物渡して殺人まで犯すのはおかしい。阿波山と高畑合わせて3人殺害。「娘に父としての背中がうんぬん」と考えるなら人殺すなよ。さらに鳴川は勝手に自首して勝手に自白してるし。。。ブルーのカラビナも結局何だったのか謎。ただのファッションで意味はなかったのだろう。
また最終回の最大の謎は、なぜ春生は歌を2階へ上げたことを黙っていたのか?ということ。
凄惨な現場にいた歌が不憫で衝動的に2階へ上げたのはわかる。考察の項目で書いたように「歌と秘密を共有して彼女の父親になれるかもしれないと本能的に察知した」とかなり飛躍した解釈をすることもできる。
でも普通に考えたら「俺が2階に上げた」って他の刑事に言えばすむ話だったのでは?
「赤ちゃんが可哀想だから2階のベッドに寝かせたんだ」そう言えば力郎の冤罪を生まずにすんだかもしれないのに。
生存者を現場から離して2階へ上げただけ。捜査撹乱に当たらないレベルの話では?それを言わないとかやらかしすぎだろ。
力郎が犯人で話が進んでいたから途中から言い出せなかったのかもしれないが、別に悪いことをしているわけではないので最初で他の捜査メンバーに俺が2階にあげたと伝えればよかっただけ。不自然極まりない。原作にない要素をなぜ付け加えてしまったのか?明らかに蛇足だ。
また春生は京子が東賀山事件に関わっていると知っていたなら、その証拠をしっかり残しておくべきだったのでは?一緒に捜査していた神井は伝えなかったの?京子を呼ぶ前に誰かに伝えるか証拠が残る形にしておくべきだった。
春生の1番の願いは冤罪の力郎を助けることだったんじゃないの?娘を事件調査で成長させるロールプレイングゲームを仕込みたかったの?
あと東賀山事件については里子が子供と義両親を殺したときに指紋がついているはずなので、警察は里子が殺したと特定できなかったのか。死体を吊るすときに安成の指紋もついたはず。
仮に指紋などは安成が外部犯に見せかけるためにうまく工作したとして、里子の首には絞殺の痕跡が残っているのでは?司法解剖を適当にやったの?
あとは赤沢刑事が本当に何も気づかなすぎて不自然。天然水に対してイラついていたので、妻が水ビジネスをやっていることは知っていたんだろうけど、だとしたらそこから林川家との関連まではすぐわかりそう。家族のことだから調べたくなかったのか?
客観的に見ると無能すぎると思った。
『クジャクのダンス誰が見た』は広瀬すずや松山ケンイチの演技を見る分には面白かったけど、サスペンスとしてはツッコミどころが多い作品だった。
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