ディズニープラスで実写ドラマがシーズン2まで公開中の大人気マンガ『ガンニバル』。
コミックの全巻1〜13巻に加えて後日譚の『ガンニバル B話』のネタバレと感想をまとめました。
→「逃げるな」「ましろについて」などガンニバルの最終回で残された謎の考察・解はコチラ←

1巻ネタバレ『ガンニバル』
警察官の阿川大悟(あがわだいご)は、山と川に囲まれた田舎の供花村(くげむら)に新しい駐在として赴任した。
妻・有希(ゆうき)と娘・ましろも一緒だ。
小学生のましろはある事件をきっかけに失語症になり、笑顔もほとんどなく、何を考えているかわからない。
新しいスタートを切るために供花村にやってきた大悟たちは、駐在所兼住居で村人たちにあたたかく迎えられた。
村人たちは親切だった。しかし村を支配する後藤家の人間たちは高圧的な態度だった。
大悟の前任の駐在員・狩野治は狂ったような形相で突然に後藤家にやってきて「おまえらは人を喰っている」と言ったあとで失踪したらしい。
そんなある日、後藤家の当主・銀が山の中で惨殺死体で見つかった。
次期当主の後藤恵介や後藤家の人間たちは熊の仕業だという。しかし死体には人間の噛みあとがあった。
夜、突然姿を消したましろが帰ってきたと思ったら人間の指を持っていた。鑑識に回したところ死んだ銀の指ではないらしい。
ましろは人を喰いながら誰かの死体を運んでいる巨体の老人に会い、指を渡されたのだった。
そのあと、山でクマ狩りがあり、大悟を襲ったクマを後藤洋介(恵介の弟)が撃ち殺した。
恵介たち後藤家の人間はクマを解体して生のまま食べた。死んだ祖母・銀への弔いだという。
後日の銀の葬式では、後藤家の人間はみんな白い頭巾をかぶっている。
失踪した駐在員・狩野治の娘・すみれが式にまぎれ混んでおり、大悟の前で棺桶に死体が入っていないことを暴露した。
すみれは大悟に、「父は狩野家を調べて失踪した。彼らは人肉を喰っているから調べてほしい」と頼む。
大悟は後藤家の本家へ乗り込んだ。猟銃を撃ってきた後藤睦夫たちと乱闘になる。
そのとき“あの人”と呼ばれる巨大な老人が現れ、鎌で大悟のひたいを切り裂いた。大悟は気絶する。
切断された指を調べていた鑑識の中村は、指(ましろが持っていたもの)は失踪した狩野治のものだと留守電を残した。
1巻の感想
ゾンビのような“あの人”の正体が気になりすぎますし、風貌が怖すぎます。しょっぱなから誰かを喰ってましたね。
しかも、大悟の娘・ましろに指をあげるという…。“あの人”は目はうつろですが、なんらか意思はあるのでしょうか?
2巻ネタバレ『ガンニバル』
気を失って川で倒れていた大悟は、村人に発見され病院に運ばれた。
意識を取り戻した大悟は、大きな老人に鎌で頭を切られたと証言する。
しかし後藤家の人間は“あの人”の存在を隠すため、別の人間が鎌でやったと言って謝罪した。
鑑識の中村は、大悟からメールで呼び出される。しかし待っていたのは大悟の携帯をひろって留守電を聞いた後藤睦夫だった。
睦夫は中村の指を折って脅し、大悟を呼び出させた。
大悟は中村のところへ行く途中で散弾銃を持った睦夫に襲われる。
争いののちに睦夫は自首すると言い、狩野治を殺したのは俺だと続けた。
狩野治の死体が発見される。
事件は解決し、大悟たちは供花村に残ることに決めた。
しかし家の外壁にペンキで“人殺し”と書かれる。
大悟は激怒して後藤恵介を問い詰めるが、やったのは後藤家ではないと言われた。
5カ月前:大悟とましろに起こった出来事
大悟は、ましろを自宅アパートに招いた性犯罪者・今野翼の部屋に殴り込む。
ましろは犯罪者あつかいされる今野に同情して部屋にやってきたのだ。
大悟に殴られた今野はましろに刃物を向けて一緒に死のうと言った。
大悟は今野を撃ち殺し、そばで血を浴びたましろは倒れて気絶。その後、ショックで失語症になってしまったのだった。
2巻の感想・考察
まさかの睦夫が自首するパターン!
睦夫は後藤家を守りたいだけで、狩野は“あの人”に殺されたのでしょう。
田舎の一族の結束が不気味すぎます。
あとは大悟とましろの過去もかなり悲惨ですね。
3巻ネタバレ『ガンニバル』
3巻 あらすじ
大悟は村人たちを怪しむようになる。
狩野すみれは父の失踪を病んで精神病院にいる母・幸子(ゆきこ)が、村人たちに怯えていたことを思い出していた。
大悟はさぶさんに「めんどくせえ」と言ってしまい、村人全員から冷たくされて結局さぶに謝罪。
狩野が最後に通話していた衛星電話の番号から大悟に電話がかかってきた。彼は狩野に供花村の闇を調べてもらうために衛星電話を貸していたらしい。
大悟は村から離れた場所で、電話の男・寺山京介に会う。彼は仮面をはずす。鼻と顔の左半分の肉と骨がない。
男は幼い頃に供花村の奉納祭で生贄として村人の誰かに顔面を喰われ、ある女性に助けられて村から逃げ出したらしい。
大悟は奉納祭の準備に駆り出され、村の神を祭る来乃神神社の跡取り・宗近に会う。
宗近は奉納祭でかつては人を生贄にしていたことを話し、大悟たちに村から出るように忠告した。
大悟は狩野の協力者だったというオカルトサイト運営者・宇多田に会い、供花村に死産が多すぎることを聞く。
戸籍がない子どもとして生贄・食人の儀式のためだけに今も監禁されているという結論にいたった。
さぶの娘は大悟に「産婆である後藤家の銀に生きていた息子を死産にされて連れていかれた。子供を探してほしい」と涙ながらに訴える。
後藤家が管理する洞窟の地下牢には“あの人”がおり、他の牢屋には奉納祭で生贄として喰われるための子供が3人飼われていた。
3巻の感想
顔面を喰われた謎の男が衝撃的に登場し、奉納祭で喰われる子供が地下牢の中にいるショッキングな事実が明かされました。
4巻ネタバレ『ガンニバル』
後藤家では代々、一族以外の人間を人間として認めていなかった。
村人たちは裏で後藤家に大悟の動向を報告していた。村人はましろを外に連れ出し、大悟と有希を不安にさせる。
大悟は有希とましろの安全を確保するため、2人を刑事時代の相棒で上司だった山伏がいる街へ送る。
大悟は祭りの間、後藤家を山から監視して子どもたちが監禁されている場所を突き止めるつもりだったが、岩男たちにあっさりつかまってしまう。
恵介のまえに連れていかれた大悟は酒を飲み交わしながら食人のことで挑発する。龍二たちが猟銃を構えるが、通報を受けた署長が駆けつけ大悟は助けられた。
恵介の弟・洋介は奉納祭で喰われる子供の世話をしながら、「この子を犠牲にできない」と涙を流す。
洋介は奉納祭で生贄にされる男の子を逃すことに決めた。
4巻の感想
一族の存続をかけて食人の儀式を決行しなければならない恵介は理性的な一面も持ち合わせています。
いっぽうで彼の弟・洋介は食人の儀式に葛藤しています。大悟は後藤家の内部分裂を誘うことができるのか?ドキドキしますね。
5巻ネタバレ『ガンニバル』
大悟は協力者として宇多田を山に潜ませていた。岩男のあとをつけた宇多田は子どもたちが監禁されている洞窟(地下牢)を発見する。
署長は大悟を事件のために集められた県警刑事のまえへ連れて行いった。大悟は供花村での体験や“あの人”のことを話した。
18年前に恵介と洋介の母・後藤藍(あい)が失踪したらしい。
後藤の当主・銀は自分の娘・藍を“ゴミ以下の存在”として扱って恵介たちを教育してきた。
洋介は地下牢から男の子を連れ出そうとする。しかし大悟の発言から後藤家内部に裏切り者がいると考えた岩男は洋介を疑い、外に出られないようにした。
大悟は中村医師(睦夫に指を折られた人物)と会い、過去に後藤家の一族の中に廃人になって病的に笑う狂い病(医学的には食人によるクールー病)をわずらう人間がいたことを知らされる。
銀も晩年は狂い病をわずらった1人で、銀の症状を見かねた駐在員の狩野が銀を病院へ連れてきて、そのあとから狩野に対しての嫌がらせがはじまったらしい。
大悟は中村医師から、“あの人(巨体の老人)”が患っている狂い病が通常のクールー病とは違った進歩をとげた可能性があると指摘された。
署長は祖父から、後藤家と関わるなというのは、狂い病が感染するかもしれない畏(おそ)れによる言い伝えだった..と聞き出した。“あの人は”戦争中に生まれた銀の子どもで、戸籍がない人物らしい。
大悟は警察の特殊部隊を駆り出すための証拠を集めるため、寺山京介(幼少期にあの人に顔を喰われた人物)に協力を呼びかける。
京介は現在、実は生きている後藤藍と一緒に暮らしていた。京介を連れ出したのは藍だったのだ。
京介は藍に供花村の秘密を聞き出そうとする。しかし藍は「私は村や恵介たちにかばわれている」と意味深なことしか言わない。
宗近は儀式をやめさせるために恵介を説得しようとするが失敗。
大悟は特殊部隊を投入するための証拠を見つけるため、ふたたび単身で供花村に乗り込んだ。
5巻の感想
“あの人”は銀の長男で本当の当主という扱いなのでしょう。ずっと笑う狂い病も怖すぎます。
ドス黒い秘密が次々に明らかになってきました。なかでも藍が握っている秘密が気になりますね。
6巻ネタバレ『ガンニバル』
大悟は後藤家の地下牢の扉を無理やりこじ開けて中へ入る。
しかし地下牢には誰もいない。気配に気づいた恵介が子どもたちを別の場所に移せと命じたのだ。
地下牢に追っ手が迫るが、恵介は大悟を逃した。
大悟は“あの人”に襲われて銃を発砲。しばらく気絶していたが、気がつくと宗近に助けられていた。
いっぽう、署長は大悟の身を案じて山を部下に捜索させる。
村長と特殊班捜査の金丸刑事は裏でつながっていた。実は村長は後藤家を潰そうと目論んでいた。
恵介はすみれから「妊娠した(恵介との子供を)」と電話を受けて動揺する。
過去の回想:恵介の母・藍は後藤家の地下牢で生まれたが、銀に娘として育てられることになった。
“あの人”の子孫を残すためだ。大人になった藍は銀の監視下のもとあの人に抱かれ、恵介や洋介を出産。
(表向きは藍は後藤清と結婚したが、清は銀に騙されて子供の頃に断種(男性が不妊になる手術)の手術を受けていた。恵介の生物学上の父親は“あの人”)
後継を産んだ藍は銀から用無しとされ、「死ねばいい」と言われる。
藍は奉納祭で生きたまま食われていた子供・京介を助けた。
銀は藍を殺そうとした。しかし恵介が母を殺すなら俺が自殺すると言う。
藍は京介を連れて村を脱出。恵介は「今後、お前がさからえば藍を殺す」と銀に脅され、後藤家に忠誠を誓わされたのだった。
6巻の感想
母・藍があの人に抱かれているのを銀が見ている描写にゾッとしました。
村長の後藤清も利用されていたという…。倫理観をとことん無視してますね、ガンニバル。
7巻ネタバレ『ガンニバル』
宗近に助けられた大悟は洞窟にいた。洞窟の巨大な空間が来乃神神社の御神体らしい。骸骨がいくつもあり、かつては子供が犠牲になっていたという。
後藤家の先祖がこの地に流れ着いてから神社から死体が消えるようになったという言い伝えがある(後藤家の先祖が死体を盗んで喰っていた)。
奉納祭が始まる。
恵介はすみれと会い抱きしめあった。しかし後藤家の若い衆に監視されていたため、すみれを村に連れて帰り、妻に迎えて次期当主を産ませる…と言ってごまかすしかなかった。
金丸刑事は特殊部隊を率いて後藤家を囲み、すべての銃を回収。
そこに“あの人”が現れて警官の1人を殺害。大規模な銃撃戦が勃発し、双方に多数の死者が出る。
争いの中で恵介はすみれを逃がそうとする。清が銃を撃ってきたので恵介は彼をボコボコにする。清は息子の恵介に血のつながりがないことを暴露した。
後藤家は多数の死者を出したが、岩男たちが部隊を皆殺しにし、金丸刑事に銃を向ける。
いっぽう、大悟と署長はさぶの家に隠されていた生け贄用の子どもたち3人を救助。さぶの娘・加奈子は生きていた我が子と抱き合う。
しかしそこを後藤家の別部隊が襲撃。警察が数名撃たれる。さぶは頭を撃たれて死亡した。
7巻の感想
警察の機動隊相手に制圧しちゃう後藤家強すぎ…。老人たちが弾よけになるという自己犠牲戦法と猟師としての銃の上手さで勝てたのでしょう。
あとは岩男と“あの人”の規格外の戦闘力。なんだよこいつらやっぱり人間じゃないのか?
8巻ネタバレ『ガンニバル』
後藤家に襲撃されてピンチの大悟たちだったが、洋介の助太刀もありなんとか龍二たちを制圧した。
ホテルにいた有希とましろは別の場所に移る道中で後藤家の人間に襲われて拉致されてしまう。
大悟は後藤真から有希とましろの拉致を知らされて怒りで叫んだ。
岩男に囚われた金丸刑事は、自分こそが後藤銀の兄・金次の孫で正統な後継者だと話す。
金丸から銀や“あの人”がどうやって後藤家を作ったか知らされた岩男は、口封じのために金丸の首を折って殺害した。
恵介は真たちから後藤家を裏切ったと疑われる。そこへ清が出てきて「自分が裏切り者ですべて自分が仕組んだ」と恵介をかばった。
恵介は潔白を証明するため、仕方なくナイフで清を殺害。
大悟は洋介に人質のフリをさせ、岩男と真にましろと有希との人質交換を持ちかける。
大悟たちと恵介たちは坑道で対峙する。しかし岩男が洋介の裏切りを見抜き、銃声がひびいた。
8巻の感想
清の最後がめちゃくちゃ切ないですね。
恵介に自分を殺せと言う父。血のつがなりはなくてもそこに愛情が感じられました。
後藤家や銀の秘密もめちゃくちゃ気になります。ドロドロすぎて読んだら精神がもたなそうですが。
9巻ネタバレ『ガンニバル』
真は有希に向けて発砲するが、恵介が銃の軌道をそらした。
真は裏切った恵介を撃とうとするが、恵介を守り抜くと誓って生きてきた岩男が真を撲殺した。
乱闘のすえ、大悟は岩男の顔面・左目を撃ち抜いて倒す。
ましろが岩男を殺そうとする大悟に向かって「ヤメテ」と言葉をはっした。
恵介は岩男を殺させないために大悟を撃って(急所を外して)気絶させた。
そこに“あの人”がやってくる。
恵介が“あの人”を止め、有希が石で殴った。
有希がましろを守る姿を見た“あの人”は「かあちゃん」と言い、ましろを連れ去っていった。
後藤家たちがやってきて倒れている大悟と岩男をかついでいく。有希はその場に放置された。
宗近と村人数名の会話から、銀は村の若者・邦寿たちに殺害されていたことが判明。
恵介は監禁されている大悟に、お前の娘は必ず助けると誓った。
恵介は警備を倒し、大悟と逃げ出す。
大悟は洞窟の御神体でましろのそばにいた“あの人”を撃った。
いっぽう、宗近は父・正宗から、“あの人”は正宗と銀の子どもであると聞かされる。
後藤家は昔は村で差別の対象だったが、彼らが追い詰められた土地で銅が出たことで資産をなし、大地主となって立場が逆転したという。
9巻の感想
ましろがついにしゃべりましたね!
後藤家が昔は差別されていた対象だったということは、過去の負の連鎖が現在まで続いていると意味します。
呪いは後藤家がつくりだしたものではなく、村人が発端になっているんですね。
“あの人”も差別のなかで生まれた被害者の1人なのでしょう。
10巻ネタバレ『ガンニバル』
数十年前の過去:若かりし銀は美しかった。しかし銀は後藤家の後継者・定(さだ)と妾の子であることを理由に人間扱いされず、定の息子で後継者の金次に毎日のように犯されていた。
銀は村でも差別され、ひどい仕打ちを受けていた。
暴力的な金次は、後藤家のウワサをする村人たちに暴力を振るい怪我をさせている。
正宗の父・吉宗は間を取り持つため、金次と話しあった。
そんなある日、銀は正宗を御神体の洞窟に呼び出して誘惑。何度も体を重ね、正宗をとりこにした。
まもなく銀は妊娠。正宗は生まれてくる子供・白銀(しろがね/あの人)のために村を変えたいと願った。
神社の跡取りの正宗が銀を好きだと知った村人・さぶたちは、けがれた血が混じることを恐れて銀を殺そうと企んだ。
銀の母は美人だったため村人たちに強姦されて慰み者にされる存在だった。銀の母は飢饉で生贄に選ばれたところを定と金次に助けられたのだ。
銀は後藤家と血のつながりはなかったのだ。
さぶは銀を農具で殴った。銀はさぶの頭を岩で砕いて撲殺する。
銀は後藤家につかまり村人に差し出された。
吉宗は銀を山の木に縛りつけて生贄(飢え死に)させることに決め、村人も従った。
数カ月後、銀は生まれた子どもと共に山で生き延びていた。
銀は山に来た村人を殺害した。2人は殺した人間の人肉を喰って生きてきたのだった。
10巻の感想・考察
ずっと強姦される日々、悲惨すぎて気持ち悪いです。さらに母親もずっと村で強姦されてきた人物でした。
人を喰って生きのびるほどの狂気に苛まれている理由がわかりました。
そして“あの人”は白銀(しろがね)という名前で、正宗との子供だったんですね。
(話しの流れ的に金次の息子ではなさそうですが)
11巻ネタバレ『ガンニバル』
過去編の続き:金次は山にいた銀と赤子を見つけ、村人に殺されないように地下牢に閉じ込める。金次は自分で気づかないうちに銀を愛していた。
銀は山で木に縛られたあと、流れ者の人喰い集団(岩男の祖父)たちと出会って命を救われ、後藤家の侵略を持ちかけていた。
正宗は人喰い集団の1人から銀が生きていることを知らされる。正宗は銀からの伝言で飢饉で苦しんでいた村人たちに後藤家を襲撃させた。
村人たちは後藤家の人間を殺し尽くした。金次の姉・紅も殺される。しかし襲撃した村人たちは人喰い集団に大部分が殺されてしまう。
金次は人喰い集団に深傷を負わされ、地下牢の銀の前で死亡。
銀と赤子(白銀)は金次の肉をむさぼった。
銀は後藤家を支配した。銀と人喰い集団が正統な後藤家にとって変わったのだ。
銀は生き延びた村人たちに「食料を与える代わりに、毎年 子どもを生け贄にしろ」と命令した。これが生贄の儀式の始まりだ。
白銀(しろがね)は人しか喰わず、地下牢から出ようとしなかった。やがて白銀は狂い病になる。
正宗は、「狂い病を克服して巨体になり、来乃神が地上にあらわれた現人神(あらひと)と呼ばれる存在がいた記録がある」と銀に話した。
銀の死ぬ間際の回想:銀が村人に撲殺されそうになったとき、白銀が現れてかあちゃんと言いながら銀の体を食べ始める。銀は愛を悟って死亡した。
現在:大悟は白銀にトドメを刺そうとするが、ましろが体を張って白銀の前に立つ。
恵介は銀の呪いで血迷い、大悟の腕を撃った。
11巻の感想
後藤家が人喰い集団だったとは、衝撃的な過去ですね。
白銀にとって食べることは愛なのでしょうか?母の銀を喰い殺すシーンにある種の神聖さがありました。しかし読んでいるこちらの倫理観はズタボロです。
12巻ネタバレ『ガンニバル』
意識を取り戻した岩男は恵介を探していた。
岩男は宗近を殺そうとするが、正宗が「恵介がいる御神体の場所へ連れて行ってやる」といってなんとかその場はおさまった。
大悟が縛られている横で、岩男たちがましろを裸にして岩に縛りつけ、白銀に食わせて儀式を完遂させようとしていた。大悟は怒りで叫んだ。
ましろは、自分を喰らおうとする白銀が涙を流しているのを見て「泣かないで」と言う。
白銀は動きを止め、今まで喰ってきたのが家畜でなく人間だと悟って嘔吐した。
恵介が白銀の頭を撃った。
後藤家の人間たちは恵介を殺そうとするが、白銀がそれを止める。
「生きる」と白銀は言う。自分は息子の恵介の中で生き続けるということらしかった。
白銀は自らの腕を喰いながら死亡。
白銀の真の後継者としてあがめられた恵介は、白銀の意志を継いでましろを助けると宣言した。
しかし岩男は大悟を殺そうとする。狂った岩男は恵介のことも忘れて暴れ、白銀の遺体の頭部をバラバラにした。
岩男は仲間(人喰い種族の子孫)たちに転がっている死体を食べろと言った。
岩男たちは大悟に襲いかかるが、恵介が盾になって止めた。
数十年前:後藤家と村人の争いの数年後、正宗は銀に案内されて地下牢へ。
そこには後藤家になり代わった人喰い種族の子供を産ませるための女たちが監禁されていた。
銀が生きていた数年前:銀は恵介に「旧後藤家の人間(金次たち)は誰も人を喰っていなかった」と話した。
12巻の感想
ついに“あの人”こと白銀(しろがね)が死亡。白銀は最後に自分の腕を喰ってました。
呪いと恐怖に終止符が打たれると思いきや、実は人喰い集団の子孫だった岩男がラスボス的なたちふるまいをみせます。狂気の連鎖はまだ止まりません…。
最終回 13巻ネタバレ『ガンニバル』
大悟は岩男にタックル。
恵介は大悟からましろをたくされていったん山を降りる。しかし村人たちに囲まれて殺されそうになった。
そこへ有希が警察を連れてやってくる。村人は逮捕され、有希はましろと抱き合った。
倒れた恵介の前にすみれがあらわれて涙を流す。
大悟は岩男に殺されそうになるが、正宗が岩男の頭を銃で撃った。
岩男の頭部は半壊しているが、食人族の遺伝子か呪いなのか、それでも彼は大悟を食べようと襲ってくる。
大悟は岩男を締め殺した。
正宗は村人たちが後藤家の人間たちを全滅させるつもりだと笑う。大悟は急いで後藤家へ向かった。
正宗と宗近は近くにいた後藤家の人間に食い殺された。
村人の河口尊(かわぐちたける/タケやん)がマシンガンをぶっ放し、後藤家で震えていた老人や女子供を殺戮していった。
河口尊は生き残った英二を殺そうとするが、村の子ども・大樹が英二をかばった。
大悟がやってきて河口尊に手錠をかけた。
英二は銃で河口尊を殺そうとするが、呪いにうち勝って銃身をあさっての方向へ向けた。
恵介がやってきて英二の行動に未来をみる。
後藤家の生き残りは自衛隊に逮捕される。恵介も捕まった。
大悟は有希とましろのもとに帰る。
数カ月後。供花村の事件は犠牲者80名以上と戦後最大の死者を出したとして連日ニュースで報道されていた。
大悟は供花村での勤務を終えようとしていた。
村の老婆と話していると、老婆はニンマリとした笑顔をのぞかせた。
大悟は逮捕されて現場検証に同行している恵介や洋介に会う。
恵介は罪をつぐなったあとで、すみれや子どもと前向きに暮らして行くつもりだった。
しかし洋介は駐在員の狩野が残した「この村は人を喰っている」という発言がまだ解決してないと言う。そして白銀だけが人を喰っていたのか?と疑問を投げかけた。
大悟はこの事件の真相から逃げないことを決めた。
警察は白銀がいた地下牢に「逃げろ」の文字が刻まれているのを発見。
有希は自宅の柱の「逃げろ」の文字が「逃げルナ」に変わっているのを見て怯えた。
さきほど大悟と話していた老婆が口から人間の指をのぞかせている。
『ガンニバル』完結!
13巻と最終回の感想
老婆は人の指をくわえていたので、食人の風習は食人族と入れ替わった後藤家にだけでなく供花村にもあったのでしょう。
大悟は供花村から去るつもりでしたが、捜査をまだ続ける気だと思います。
食人文化の負の連鎖はいつまでも終わらないと示唆しているようです。すべて解決したと見せかけてのバッドエンドですね。
後日譚『ガンニバル B話』ネタバレ
ガンニバル最終回の後日譚。後藤家の人間を大量に殺害した河口尊(かわぐちたける)が警察で告白した話。
かつて尊は暴力的な父親から「お前の子供が奉納祭での生贄に選ばれた」といわれる。尊は泣く泣く子供を差し出した。妻は逃げていった。
尊は後藤家を憎んでいたが平穏な村の暮らしは嫌いではなかった。大悟の家に人殺しとスプレーで落書きをしたのも尊だった。
そんなとき大悟が引き金となり後藤家で大騒動が起きる。
尊は村人から自分の子供が選ばれたわけではなく、父親が自ら差し出したと聞かされた。
尊は寝たきりの父を殺そうとする。そこへ母が入ってくる。実は尊の子供を生贄に選んだのは優しかった母だった。尊と元妻の関係を崩すためにそうしたという。尊は母を殴り殺し、父の首を折って殺害。そして後藤家皆殺しの筆頭となった。
現在:尊と面会した大悟は、村の中に人喰いや殺人に関わった人物がまだまだいると考え、全員捕まえてやると宣言した。
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