Netflix韓国映画『84m2』(他の表記、84m²、84平方メートル、Wall to Wall、Meus 84 m²)を鑑賞。
若いサラリーマンがマンションを購入するも、ローン返済に追い詰められて気が狂いそうになり、さらに隣人トラブルに巻き込まれるサスペンス!
- あらすじ・ネタバレなし感想
- ネタバレ・ラスト結末の解説
- 考察「ストーリーやラストシーンの意味」
- 韓国の不動産・社会問題の解説
- 感想と評価、良い点悪い点
これらの情報をまとめました。
Netflix韓国映画『84m2』あらすじ・作品情報
あらすじ:サラリーマンのノ・ウソン(カン・ハヌル)は、もらえる予定の退職金や社員ローンをフル投入し、ソウルの高層マンション「1401号室(14階)」を購入。広さは84平方メートル。
将来を誓った恋人とも婚約し、順風満帆に思えた。
だが4年後の2024年、全てが崩れていた。
婚約は破棄され、マンション価格は暴落。金利は18%まで上昇し、ローン返済額は給料を上回る。彼は昼は会社員、夜は配達バイトの生活に。
さらに、上階からの騒音に悩まされる毎日だった。
ウソンはストレスで気が狂いそうな状況の中、上からの騒音の原因を突き止めようとする。
しかしすぐ上の階のヨン・ジノ(ソ・ヒョヌ)は「騒音は俺じゃない」と言う。
そんな中、寝ているウソンの部屋に侵入者が現れ。。。最悪を極める事態に!!
キャスト↓
ノ・ウソン役|cast カン・ハヌル(『イカゲーム2』『イカゲーム3』)
ヨン・ジノ(1501号室の住人)役|cast ソ・ヒョヌ(『悪の花』)
チョン・ウンファ(住民代表/最上階に住む)役:ヨム・ヘラン(『おつかれさま』『ザ・グローリー』『マスクガール』)
ウソンの母役|cast カン・エシム(『イカゲーム2』『イカゲーム3』)
ネタバレなしの感想
イカゲーム2とイカゲーム3にデホ役で出ていたカン・ハヌルが主演。
ローンで首が回らない主人公が騒音犯人に仕立て上げられていく過程は緊迫感がMAXで、見ているこちらにも多大なストレスがかかってくる。
緊張感があるのはいいが、緊張感ばかりでほっとひと息つく暇が一切ない。簡単にいうと緩急がない作品。
ひたすらストレスで気が狂いそうな主人公を見せつけられる。ハッキリ言って視聴にストレスがかかる割には退屈。
ストーリーも煮え切らないまま終わり、スッキリしない。
オススメできません。
映画『84m2』ネタバレラスト結末の解説
騒音の犯人は?
マンションの騒音の苦情はウソンに集中。下階の住人からも責められる。
ウソンは真相を探るが、上の住人・ジノ(ソ・ヒョヌ)は「俺じゃない」と主張。さらにその上の階の住人たちも、同じように「さらに上からだ」と言うばかり。
最上階のペントハウスに住むウンファ(ヨム・ヘラン)に辿り着いたウソンは、「建物の構造で壁づたいに響く。音は上からとは限らない」と諭される。
そんな中、ウソンは投資の話を持ちかけられる。GBコインという仮想通貨が上がると聞き、部屋を売る契約し、その頭金で投資することに。
そんなとき、マンション住民たちが「騒音の元はウソンだ」と彼の部屋に押しかける。
罠にはめられたウソン
ジノがウソンの部屋に入り、騒音を拡散する機械を発見。
さらに、下階の住人が「殴られた」と偽り、ウソンは警察に連行されてしまう。
ウンファの調査で、下階の住人がウソンを盗撮していたことが判明。ウソンが騒音の犯人だと言うのも仕組まれたことだとされ、釈放される。
しかし売却しようと思っていたGBコインは大暴落。資産は99%失われ、絶望した彼は自殺を図ろうとする。
真犯人とラスト結末
ジノが現れて自殺しようとしていたウソンを止め、真犯人を一緒に探そうと提案。
ウソンはジノが犯人ではないかと疑い、彼の部屋に忍び込む。そこで各部屋を盗聴できるモニターを発見する。
ジノが帰ってきたのでウソンは隠れる。
ジノと13階の住人との口論を盗み聞きしたウソン。ジノの目的が「手抜き工事業者から賄賂をもらった最上階オーナー・ウンファの罪を暴くことで、そのためにウソンを利用して騒ぎを起こさせる計画を立てていたと知る。
ジノは協力者である13階の住人を口論の末、撲殺してしまう。
ウソンは命乞いのため、協力を装って最上階へと同行。ウンファを13階の住人の犯人に仕立て上げる計画だった。
ジノとウソンはウンファの部屋に死体を運び込み、ガス管を開いて爆破の準備を進める。
ジノはウンファの夫を殺し、ウンファも刺殺。しかし自分も大怪我を負って倒れる。
ウソンは部屋から「手抜き工事業者のリスト」と、自身の部屋の売買契約書を発見。しかしすべてをオーブンで燃やし、ひとり建物を出た。
その直後、最上階が大爆発。
事件は闇に葬られた。検察の上層部に、マンションの手抜き工事と賄賂の件を隠したい人物がいたからだ。
ウソンは釈放され、母(カン・エシム)に連れられて田舎に帰る。
翌朝、ウソンは再び自分の部屋へ戻り、登記簿を見て笑った。
ウソンは再び騒音が鳴り響くのを聞いた。
映画『84m2』考察
ラストの意味は?すべて妄想?
主人公のウソンが狂っていると見せかけて、実はジャーナリストのジノがすべてを仕組んでいたというオチ。
ウソンは自分のマンションに帰って気が狂ったように笑う。
このラストシーンは、これだけ最悪な出来事に見舞われたはずなのに、まだマンションの一部屋のオーナーであることに執着している哀れさを表現している。
スーツを着ているので、ウソンはまだローンの利子を返済しようと頑張るつもりなのだろう。哀れすぎる。
一連の事件については、検察など第三者も出てくるし最上階も壊れているっぽいので一応事実だと考えられる。
しかしウソンは事件が解決したあとも騒音を聞いている。明らかに幻聴だ。
すべてウソンの妄想だったと考えられなくもないラストだった。
ウソンは途中でストレスから青い錠剤を飲んでいた。青い錠剤が映画『マトリックス』の引用だと考えると、ウソンはずっと現実でないものを見続けている事になる。そんな解釈もできる。
韓国社会の闇:不動産ローン返済できない人が続出
『84m2』は韓国の社会問題をそのまま反映した映画でもある。
韓国では2020年頃に不動産市場が好景気を迎え、値上がりを信じてすべての財産をかけてソウルに不動産を買う人たちが急増。
しかし2025年頃には固定金利から変動金利への改定があり、返済負担が増大してローンを返せなくなって売りに出している人が続出しているようだ。完全に主人公のウソンと同じパターンである。
『84m2』は主人公の気が狂っていくシュールなサスペンスでありつつ、韓国のリアルでもあるのだ。
(参考記事←)
映画『84m2』感想と評価(ネタバレ)
良い点
マンションのローンを返済するために会社で働いたあとでウーバー配達のバイトをする主人公。
切羽詰まった感じが表現されていて見応えがあった。鑑賞後はマンション購入に対してアレルギー反応が出そうになる。それくらいの絶望感が味わえる。
また、ウソンだけでなく、ジャーナリストのジノ、最上階の元検事のウンファも、全員が狂ったキャラクターで興味深かった。誰ひとりとしてまともな奴がいねえ!
手抜き工事と賄賂の話もあり、韓国社会の闇が存分に描かれている!
残念な点
評価は5点中1.5点
主人公がひたすら追い詰められ、気が狂っていく過程を見せつけられると見ているこちらもストレスがたまり、イライラ度がMAXに!
物語は緩急が大事だと思うのだが、緩急が全くない。ずっと急!急!急! 見ていて悪い意味で苦しくなる。後半は早く終わってほしいと願っていた。
完全にNot For Meの作品だった。
また、結局何が真実だったのかよくわからないまま終わるラストもいただけない。
というか、最初から最後まで妄想なのか現実なのかよくわからない作りで、不安定すぎて物語に入り込めなかった。
2025年のNetflix韓国作品レビュー↓









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