
2025年9月11日放送の『しあわせな結婚』(幸せな結婚)最終回第9話を鑑賞!
15年前の事件は解決したものの、ネルラ(松たか子)が失踪!彼女が隠していた秘密とは!?それを知った幸太郎(阿部サダヲ)の決断は…。
- 最終回のあらすじネタバレ結末
- ネルラの最後の寝言「quando moriremo saremo insieme」の意味は?!
- ネルラの寝相が悪い理由
- メールや絵画の意味を深掘り
- 「股関節の女」のメッセージ
- 主題歌「Don’t Look Back in Anger」の意味回収
- タイトル『しあわせな結婚』の本当の意味
- 最終話の忖度なし感想レビュー!
これらを徹底考察していきます!
『しあわせな結婚』最終回あらすじネタバレ

最終話の内容まとめ
- 離婚後1か月、幸太郎がネルラの絵画修復の再就職を裏で支援。
- 当時11歳だったレオは布勢殺害の責任は問われなかったが、スタイリストを辞めて家を出てアルバイト生活へ。
- 叔父・考は事件隠蔽で有罪判決。ただし執行猶予付きで服役は免れる。
- 考の判決直後、ネルラが失踪。幸太郎がPCを発見。パスワードは「1119」(幸太郎の誕生日)。
- 黒川刑事の協力でネルラが残した下書きメールを復元 → ネルラの“最後の秘密”が明らかに。
- かつてネルラは、布勢の画風を真似て絵を描いた。それが高値で売れたため、しばらく布勢名義で絵を描いた。布勢はそれが原因で絵が描けなくなり挫折。精神的に不安定になり事件が起きた。
- 失踪後のネルラはオークション会場で布勢名義の絵を切り裂こうとしていた。幸太郎が止め、「もう1度結婚しよう」と伝える。2人は再び夫婦となるハッピーエンド
最終話の詳しいあらすじ・ラスト結末
弁護士・幸太郎(阿部サダヲ)とネルラ(松たか子)が離婚してからひと月。
教師を退いたネルラは、かつての専門だった絵画修復の現場に戻っていた。幸太郎が旧知の弁護士・内藤つばさ(小雪)に頼み込んでコネを使い、美術館への再就職をこっそり整えたのだった。
一方、15年前に布勢を殺してしまったレオ(板垣李光人)は、当時11歳だったため法的責任は問われなかったものの、アイドルのスタイリストの仕事を辞めざるをえず、鈴木家を出て宅配アルバイトを始めることになる。
鈴木家全体も「殺人犯を抱える家族」として世間に晒され、父・寛(段田安則)やネルラも世間に顔がわれてしまう。
叔父の考(岡部たかし)は、事件隠蔽に関わった責任を問われ有罪判決を受けるが、執行猶予付きで服役は免れる。
ネルラは考の判決が出た直後に失踪。寛から幸太郎に「ネルラが姿を消した」という一報が入る。幸太郎は彼女の部屋でPCを発見する。PCのパスワードは「1119」だった。11月19日。幸太郎の誕生日だ。
幸太郎は残された自分宛の下書きメールを発見。内容は消されていたが、黒川刑事(杉野遥亮)の協力で警察のSSBCで内容を復元。そこには、ネルラの“最後の秘密”が記されていた。
15年前、ネルラは遊び心で布勢(玉置玲央)の画風を真似て絵を描いた。布勢が面白がってその絵を自分の作品として画商・三杉に持ち込むと高値がついた。それからしばらくは、ネルラが布勢の絵を描くようになった。
しばらくするとネルラは、修復師の仕事と布勢の絵の制作が両立できなくなり過労で倒れる。布勢はやはり自分で絵を描こうと考え「この絵が完成したら結婚しよう」とネルラに告白。しかし芸術家として精神的に迷い、絵を完成させられず。その挫折と嫉妬が、後に偽装誘拐や悲劇の事件を引き起こす遠因となった。
現在:幸太郎は、ネルラがオークション会場でバイトをしていると突き止める。幸太郎が会場に駆けつけると、ネルラは出品予定の布勢の絵をハサミで切り裂こうとしていた。絵のタイトルは“プールサイド”ネルラが布勢名義で制作した絵だ。
幸太郎は必死にネルラを止め、「もう一度、結婚しよう」と告げる。
最終的に2人は再び夫婦として歩み出す。月一度の鈴木家の食事会には、考やレオも顔をそろえた。考は「幸太郎の誕生日が近いから」と煮込みハンバーグを作って振るまってくれた。
夜、幸太郎は異常な寝相のネルラの寝顔を眺めながら「不可思議な人だ」と胸の内で語る――。
『しあわせな結婚』最終回 終わり
『しあわせな結婚』最終回の演出と考察まとめ(ネタバレ)
ネルラの最大の秘密とは?
ネルラの秘密とは、布勢の名義で絵を描き、布勢の人生を台無しにしたこと。
ネルラは修復師の技術を使って布勢のタッチを真似て絵を描いた。それを布勢が画商・三杉に見せると高値で売れてしまう。それからも三杉から同じ作風を要求されたので、ネルラが描き続けるハメになったと推測できる。
この結果、布勢は自分本来の絵を描けなくなり、誘拐偽装を起こし、ネルラと心中しようとした。そして布勢がレオに殺され、考によって事件が隠匿されることになる。
ネルラが描いた“布勢の贋作”が評価された。寛に「しばらく贋作を描け…」と言われて布勢が激怒した理由は、布勢が魂を込めた絵画がネルラの“贋作”に負けたから…と考えられる。
布勢が最後に描いた絵の中にいるネルラが空白だったのは、彼女の存在を否定したい深層心理が働いていたからとも捉えられる。
最終回ではそこまで尺は取らずとも布勢の行動原理がしっかり説明されていた。
ただ8話でも考察したが、ネルラはレオの寝室を見て表情を変えた。凶器の存在とレオが犯人だということを最初から知っていた気もする。これもネルラが隠している秘密では?
ネルラの最後の寝言の意味は?
ネルラが幸太郎と死ぬまで一緒にいたいという気持ちが寝言に現れた。ハッピーエンド。
ただ深読みすれば、最後の言葉の一緒にいたい人物が幸太郎を指しているかはわからない。家族のことかもしれないし、布勢のことかもしれない。
ネルラは最後まで真意が読めない不思議な女性だった。
ネルラの寝相が悪い本当の理由
ネルラの寝相が悪い理由は表面的には「股関節の女」(ドラマ内で言及された絵画)のように堂々と生きたいという意志の現れ。
最終話で離婚して1か月の幸太郎がネルラの寝相を真似ていた。よく見てみると幸太郎が真似たネルラの寝相は殺されて階段から落とされた布勢と同じ体勢だ。
ネルラは布勢の死の事件が忘れられず、毎晩うなされていたと想像できる。そう考えると切ない。
ネルラはメールや絵画の意味
復元されたネルラのメールの最後は「ひとつだけ気になるのは…」と書かれて終わっていた。ネルラが気になったのは、幸太郎がどうしているか?ということだったと思う。本当は幸太郎と一緒にいたかったが、すべての事件の原因を作ってしまった自分を許せなかったのだろう。
ネルラのノートパソコンのパスワード「1119」がおそらく幸太郎の誕生日を意味することから、幸太郎にメールを見つけてほしかったのだろう。
ネルラは絵画の修復師だが、幸太郎も弁護士として事件を正しい方向に導く、ある意味で“出来事の修復師”。幸太郎ならメールも修復してくれる。ネルラは幸太郎が来てくれると信じていたと考えられる。
幸太郎がネルラの居場所がオークション会場だと考えついた理由はなんだろうか。
復元したメールを読んだ幸太郎は、ニュースで布勢の絵画「海辺の二人」がオークション出品された場面を思い出していた↓↓

幸太郎が思い出したオークションの場面 ©︎テレビ朝日
男女が海でボール遊びをする光景が描かれている。幸太郎はその絵を自分とネルラに重ねた。筆のタッチからネルラがこれを描いたことや、自分にきて欲しいことを直感で確信→彼女が自分が描いた絵を憎んでいることも悟り、オークション会場にいるかもと考えたのだろう。
夫婦の絆が成せるワザだ。
また、ネルラにとって海は弟・五守を失った悲しい場所。15年前にその海をモチーフにした「海辺の二人」を描いていることから、当時から信じ合える人に出会ってトラウマを克服したいという思いがあったのだろう。当初は布勢こそがその人だと考えていたと思う。しかし運命の人は、15年後に出会えた幸太郎だった。
絵画のくだりはよく考えると色々深い意味が込められている。
幸太郎がネルラを止めたシーン、Don’t Look Back in Angerの伏線回収
ネルラが切り刻もうとした絵は、布勢の名義でネルラが描いたものだった。私が絵さえ描かなければ、家族がバラバラになることもなかった。ネルラにとってプールサイドの絵は憎しみの対象だった。
しかしネルラが絵を描かなければ、幸太郎と出会うこともなかった。絵を切り裂こうとするネルラを幸太郎が止めたのは、主題歌 Don’t Look Back in Angerの伏線回収にもなっていると感じた。
ネルラは怒りに任せて過去を見つめていた。そんなネルラに対して幸太郎が「怒りに任せて過去を振り返るな(Don’t Look Back in Anger)」と伝えたようなシーンだった。
「股関節の女」のメッセージ
幸太郎は「君は股関節の女だろう。股関節を開いて力強く生きる女が素敵だと言ったじゃないか」とネルラに語りかけた。
「股関節の女」とは18世紀に女性画家ベルリオーネが描いた絵(実在はせずドラマの設定)。ネルラはその絵に憧れを抱いていた。
ネルラが「股関節の女」の絵を好きなのは、単に力強く生きたいだけでなく、股関節を開くように自分が隠してきた過去をさらけ出したい、すべてを受け止めてほしい願望の現れだろう。
幸太郎の語りは、ネルラが「股関節の女」としてどんな秘密をさらけ出しても、それでも好きでいられる自信があるという告白だったのだ。
煮込みハンバーグの演出
幸太郎は食事会で考が作った煮込みハンバーグに「俺のイメージするハンバーグと違う」と不満げだった。
煮込みハンバーグは、結婚生活を表現していると思った。イメージとは違うけど、食べてみると美味しい。幸太郎にとってネルラと鈴木家との生活は、経験してみて始めて良さがわかるものだったのだろう。
タイトル『しあわせな結婚』の意味
タイトルが幸せな結婚ではなく、ひらがなでしあわせな結婚だったのは、やはり語源の仕合わせ(元々は良い状況だけでなく悪い状況の巡り合わせでも使われた)が当たるからだろう。
幸太郎にとってネルラとの結婚は、良いことだけでなく過去の殺人事件まで付き纏ってくる仕合わせなものだった。ネルラのハサミを持ちながらのハグも、仕合わせという状況を表しているようだった。
『しあわせな結婚』最終回9話の感想
ネルラが布勢を真似て絵を描いたことがきっかけで布勢が精神不安定になったことが最終話の最大の秘密!この宣伝は言い過ぎだとも思った。マリッジサスペンスとしてもう一捻りあると思ったが、最終回まで隠し通すほどの秘密ではなかった。
自分が原因でレオと考に十字架を背負わせてしまったことを隠しておきたかったのだろう。ただ、レオが犯人だったことよりインパクトはないのでガッカリ感もある。
ただ逆にこの程度の秘密でホッとした気持ちもアリ。
幸太郎がネルラに再びプロポーズをして一緒に暮らすようになるラストはシンプルに泣けた。幸太郎はネルラの寝顔を見て不思議な女性だと思う…という結末。
弁護士として磨き上げてきた腕が妻を説得するときだけは使い物にならない…男性は女性を愛して結婚するが、女性の心のうちは一生わからない。男女の関係についての深い示唆がなされた素晴らしい結末だったと思う。
阿部サダヲと松たか子、そして鈴木家の面々の軽妙な絡みがもう見られないと思うと寂しい。
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