Netflixオリジナル韓国ドラマ『エマ』を鑑賞。
1980年代の韓国で官能映画を撮ろうとするスタッフ、露出を嫌がって脇役にされた大女優、無名の新人女優の葛藤と男性優位の映画界に対しての奮闘をコミカルに描く社会派ヒューマンドラマ×コメディ。
最終回まで全6話のあらすじをネタバレありでまとめました。果たして結末はどうなる!?
さらに最終回ラストシーンやドラマ全体の考察&解説も!
Netflix『エマ』キャスト・登場人物の解説・相関図はコチラ↓

Netflix『エマ』最終回まで全話ネタバレ解説
1話ネタバレ
トップ女優チョン・ヒラン(イ・ハニ)は官能映画『愛馬夫人』の脚本を読み、「新しい時代なのに胸の露出が多すぎる!」と激怒。マネージャーのパク・ヨンベは慌てる。
ヒランは新星映画会社の社長ク・ジュンホ(チン・ソンギュ)をぶん殴った。
ヒランは会見を開き「これまでは映画で脱いできたけど、もう脱がない!」と宣言。
ク・ジュンホ(チン・ソンギュ)はヒランを懲らしめるために彼女を脇役のエリカ役に降格。
クァク・イヌ監督(チョ・ヒョンチョル)がオーディションを開催。しかし1日目は適役は見つからず。
クァク監督は、遅刻してきた女優志望のシン・ジュエ(パン・ヒョリン)のタップダンスを気に入り、彼女が主演に決定する。ジュエは夜はクラブのダンサーとして働いている。
ヒランは自分が主演じゃないことに耐えられなかったので、ジュエに意地悪を言って彼女をスタジオから追い返した。
ヒランは新星映画社を退社したかった。あと1作の契約を満了するため、有名な映画監督クォン・ドイルに近づき、彼の新作を新星で作らせて自分が主演を飾ろうと画策。
ジュエは忠武路(チュンムロ)地域の九老(クロ)工業団地に住んでいた。ソウル紡績で働く女性たちが集団で暮らす貧しい土地だ。
ジュエは再び開かれたオーディションで胸をさらけ出し、「私が第二のチョン・ヒラン」になると宣言。『愛馬夫人』の主演はジュエに正式に決定し、映画の制作が決まる。
2話ネタバレ
ジュエは同じ九老工業団地に暮らす親友・グナをスタッフにしてほしいとキ・ソク部長に頼んだ。
ヒランは違約金を払って会社を辞めようとするが、ジュンホに拒否される。
ヒランはクォン監督の別荘に会いに行き「最新作『肉欲の夜』の脚本に感動した」と涙を流す。
クォンはヒランにインスパイアされて脚本を修正し、主演をヒランに決める。
ジュンホは『肉欲の夜』の話を聞き、クォン監督に主演を新人女優のファン・ミナ(自分が寝ている女優)にしろと頼む。クォンはそれを拒否。ジュンホとクォンは殴り合いの喧嘩になった。
愛馬夫人の制作発表記者会見が開かれる。夜のクラブの常連で、ジュエをいつも変な目で見てきた記者イ・ジェゴン(パク・ヘジュン)の姿もあった。
国の検閲が入り、『愛馬夫人』の台本が大幅に修正され胸の露出は不可になった。タイトルに「愛馬」も使えない。クァク監督とジュンホは頭を悩ませ、タイトルを『愛麻夫人』に変更した。
映画に出演予定のホ・ヒョク(ヒョン・ボンシク)がバイク事故を起こして出られなくなったと連絡が入る。
3話ネタバレ
ホ・ヒョクの代わりに別の俳優がキャスティングされる。クァク監督は国の検閲に通るように脚本を修正。
いざ撮影が始まるが、主演のジュエは上手くセリフを言えない。ヒランがビンタを食らわせる。ジュエは憎い気持ちを抑えてヒランに演技についての教えをこう。ヒランは、頑張ると演技はダサくなると言った。
ジュエはなんとか撮影に食らいつく。
後日、ヒランはクァク監督に「鍼灸でエマ夫人が感じる展開が展開が男性目線すぎて納得できない」とダメ出し。
ジュエはクァク監督に、雨で薄い衣装を濡らして色気を出すことを提案。ジュエとクァクは処○と童○同士で絡みのシーンについて意見を出し合い、それが濡れ場の撮影で功を奏する。
そんな中、文化広報部がやってきて撮影の中止を宣告される。
ジュンホ社長はジュエに「権力者の宴会に参加すれば映画が助かる」と言う。
ジュエはチェ室長の車で宴会場へ。明らかに枕営業しなければならない雰囲気があった。
宴会ではなんとヒランが歌っていた。ジュエは仕方なく大統領の隣に座る。
4話ネタバレ
ジュエは大統領の個室に呼ばれるが、正々堂々と勝負するので抱かないでくれと頼む。
ジュエは帰り、ヒランがあとで大統領を説得した。
ヒランはジュエに枕営業をさせようとしたジュンホをぶん殴った。
翌日、ジュエはヒランに礼を言う。
ヒランが宴会で『エマ夫人』の撮影許可を取得してきた。ヒランは出演したくなかったけど仕方ないから映画を良いものにしようと考え、クァク監督と演出のディティールを話し合う。
その結果、主人公・エマが元彼のユンホに抱かれるのではなく、親友・エリカと共にユンホをお仕置きする展開に変わった。
映画はクランクアップを迎える。打ち上げが行われた。
ジュンホは、契約書には12本の映画に主演する契約がある!とヒランに契約の続行を迫る。
ヒランは激怒して社長室でトロフィーなどを投げまくった。ジュンホも投げ返し、2人とも警察に連行される。
5話ネタバレ
警察から解放されたヒランはヨンベと共にジュンホ社長の家に侵入。金庫に猟銃をぶっ放して開け、中の契約書を取ろうとする。そこで、ジュンホが政府高官に女優を斡旋している枕営業の帳簿を見つけた。ジュンホは多額の金を受け取っていた。ジュンホが戻ってくる。
ヒランとジュンホは取っ組み合いの喧嘩に。ジュンホは帳簿を燃やす。ヒランは銃でジュンホの腕を撃った。
ジュンホの独断によって撮影した映画が下品に編集しなおされる。
ヒランは激怒してフィルムを盗み、燃やそうとする。クァク監督が泣きながらそれを止めた。彼もまた映画をめちゃくちゃにされた屈辱をどうしていいかわからなかった。
ついに『愛麻夫人』が公開される。夜間通行禁止令が撤廃された時期と重なったこともあり『愛麻夫人』は韓国初の成人映画として大ヒット。内容はチグハグだが、男性から支持された。
クァク監督はジュンホと専属契約を結ぶ代わりに、『愛馬夫人』のオリジナルバージョンを公開したいと話した。
そんな中、パーティーで枕をさせられたファン・ミナがドラッグを強要されて過剰摂取で死亡。
チェ室長の根回しによってミナが勝手にドラッグで死亡した事件と片付けられた。
ミナの田舎で葬式にヒランとジュエが参加。ミナの部屋にヒランのポスターが。ミナも元々はヒランのファンだった。ヒランは涙を流す。
最終回6話ネタバレ
ジュエはイ記者からの取材を受ける。しかしイが下品なことばかり言ってくるので殴った。その結果、元はクラブの踊り子で、客に体を売っていたという嘘の記事が書かれる。
大鐘賞(テジョン)の授賞式が開催される。イ記者の会社が主催する賞なのでジュエもヒランも受賞を逃した。
ヒランは功労賞を授与されたクォン監督に連れられステージへ。そこでジュンホ社長が女優たちを政府高官の大宴会に行かせて枕営業をさせていることを暴露。
事前に情報を渡されたヤン記者が会場の外で枕営業の実態を書いたビラを配る。
ヒランはチェ室長の手下の秘密警察に追い詰められるが、馬に乗ったジュエに助けられる。ヨンベとヤン記者は秘密警察に捕まった。
ヒランは大宴会に参加した政府高官と交渉し、ヨンベとヤンを解放させる。
ジュンホ社長とチェ室長は秘密警察によって存在を亡き者にされてしまう。
『愛馬夫人』のオリジナルバージョンが公開された。ヒランとジュエは一緒にそれを感慨深く見た。ラストの台詞は「遠くまできた。戻るつもりはない」。ヒランとジェエの戦いと重なる。
その後、ジュエは日本でインタビューを受け、私たちは今も共にリングに立っているとメッセージを送る。ヒランが自宅でその映像を見ていた。
ジュエは飛行機の中で新しい台本を見る。
韓ドラ『エマ』最終回 終わり
韓国ドラマ『エマ』ラストの考察
序盤はシュールなコメディで、ドラマ終盤にかけてどんどん業界の闇がシリアスに描かれていく構成が見事。
イ・ハニが演じるヒランの哀愁が素晴らしかった。最初はジュエをイジメる嫌なやつと見せかけ、ジュエにかつての自分を重ね、守ろうとしていたことがわかる。
ヒランは誰も自分を守ってくれるものがいなかった時におそらく枕などをさせられたのだろう。そんな思いをジュエにはさせたくなかった。
ジュエが枕の匂いがプンプンする大宴会に行ったとき、ヒランが会場で歌っていたシーンが切なすぎ。ヒランはこんな状況にずっと立ち会ってきたんだな…。
ジュエを守ろうとするヒランの優しさに気づいたとき、ヒラン意地悪な女?と思ってた私自身も反省させられた。
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ヒランとジュエ、クァク監督は『愛馬夫人』に女性解放の目線を入れようとしていた。これはドラマ内でヒランとジュエが男性優位な業界に立ち向かっていく構造と繋がる。メタ構造の見せ方も非常に巧みだった。
ジュンホ社長を演じたチン・ソンギュもすごかった。
ジュンホはずっとヘラヘラしているクズ野郎。しかし後半になるにつれヒランに撃たれてもヘラヘラしている姿に狂気すら覚える。ジュンホは終わりなき男の欲望、映画界における男性優位社会の闇を体現した存在なんだなとわかる。
ジュンホはおそらく特殊警察に殺されるのだろう。大統領が枕営業を受けていたという情報を外部に漏らさないために。
イ記者を演じたパク・ヘジュンも下衆の極みな演技に寒気すら感じた。男のクズさを表現したという意味ではパーフェクトだったと思う(『おつかれさま』ではあんなにいい父親だったのに笑)。
マネージャーのヨンベがジュエについていることから、ヒランは半ば引退状態なのだと思う。部屋にクォン監督の『肉欲の夜』の脚本があるところから察するに、演技に対しての情熱は失われていないのだろう。
ジュエが飛行機で脚本を読みながらラストシーンについては、ジュエがヒランの意志を継いだと考えられる。ただ脚本は成人映画ばかり。ジュエはある程度社会の現状を受け入れつつ、少しずつ変えていこうとしているのだろう。ほろ苦い大人のドラマだ。
ジュエがインタビューで語った「私たちは共にリングにいる」という言葉は、韓国の女優たちのみならず、世界のあらゆる業界で奮闘する女性たちに向けられた言葉だと捉えられる。素晴らしいフィナーレ。
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