映画『ジョーカー2:フォリ・ア・ドゥ』(原題:Joker: Folie à Deux)ホアキン・フェニックスとヒロインのレディー・ガガが歌って踊る狂ったミュージカルが開幕!しかしストーリーは意味不明で海外では賛否両論になっている。
『ジョーカー2:フォリ・ア・ドゥ』あらすじ
5人を殺害して街の暴動の中心となったジョーカーことアーサー・フレック(ホアキン・フェニックス)。彼は現在アーカム精神病院(アーカム・アサイラム)に収監されていた。
乱暴な看守ジャッキー・サリヴァン(ブレンダン・グリーソン)が「ジョークを言え!」と笑うが、痩せ細ったアーサーにはジョークをいう元気もない。
そんなある日、アーサーは弁護士のメアリーアン・スチュワート(キャサリン・キーナー)と裁判の相談をするために一般病棟へ。ある部屋でみんなと歌っているハーレイ・リー・クインゼル(レディー・ガガ)が目にとまり、見つめ合った。アーサーは運命の出会いだと確信した。
ジョーカー2 ネタバレ:ハーレイとの恋と妄想
ハーレイ・リーは「あなたを描いたドラマを20回は見た。ジョーカーの大ファンよ!」と話す。ジョーカー(アーサー)はゴッサムシティでカリスマ的な人気らしい。
ハーレイに恋をしたアーサーは次第に元気を取り戻す。ハーレイは「2人なら外で“山”を築ける!」と言う。アーサーはハーレイと歌って踊る妄想に取り憑かれていく。
やがて裁判が始まる。アーサーが多重人格の精神疾患で責任能力があるかないかが争点となった。
果たしてアーサーはハーレイとの妄想に取り憑かれながら死刑執行を逃れ、自由の身になることができるのか?
ネタバレ考察&感想:最悪のラストの意味は?
序盤でハーレイに会って浮かれて病棟で踊るホアキン・フェニックスには本当に背筋が凍った。頬骨が浮き出たアーサーに吸い込まれそうになるほどの狂気!そのシーンだけでも見る価値はある…ただストーリーは全然進まない。
ジョーカー2作目のタイトルとなったFolie à Deux(フォリ・ア・ドゥ)はフランス語で、兄妹や夫婦のような密接な関係の2人が同時に妄想・精神障害の症状に陥ることを意味する。
そのタイトルが示す通りハーレイに影響されたアーサーの妄想をひたすら見せられる異色作で、いわば物語全体がジョーク。芸術点は高いがストーリーには前作ほどのカタルシスがないのが残念だった。
ジョーカーとハーレイがタッグを組んで天地をひっくり返すみたいなカタルシスはゼロ。妄想多め→胸糞ラストなので賛否両論は当然で、全世界でひどいとの声が上がっても不思議はない。
ジョーカーという影、虚像に振り回されるアイデンティティを巡る物語でもあり、そのあたりの皮肉をどう読み解くかで物語の意味や感想が大きく変わってくると感じた。またヒロイン・ハーレイの立ち位置も映画を読み解く鍵になる。
次のページでは、ジョーカーが最悪の結末を迎えるラストシーンの意味、影に殺される物語全体のジョーク、ハーレイ・クイン=私たち観客!? について徹底考察&解説していく↓↓
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