Netflix映画『ザイアム: バトル・イン・ホスピタル』(Ziam)を鑑賞。
ムエタイ×ゾンビアクション!
タイ作品なので『マッハ!!!!!!!!』の敵がゾンビになるバージョンの映画か!?と期待していたが…。
- あらすじ
- ネタバレなし感想
- ネタバレ・ラスト結末
- 感想と評価・良い点悪い点
これらを忖度ゼロで解説していきます。
Netflix『ザイアム: バトル・イン・ホスピタル』あらすじ
©︎Netflix
地球温暖化で北極の氷が溶けて未知の細菌が漏れだし、世界の海から魚が死滅する。地球の生態系は崩れ、食糧難で各地で戦争や暴動が起こり、世界はディストピアと化した。
そんな中、タイのシャム王国は鎖国して10年間存続。
元ムエタイ戦士のシンは恋人で医者のリンと暮らしていた。しかし、都市部で暮らしには未来はみえない。リンは田舎に帰りたいと言う。
シンはトラック配達のボディーガードの仕事をしていたが辞めて田舎に行く決意をする。
医者のリンは夜勤で病院へ。
シャム王国ではワスという人物が魚(アンコウ)をどうやってか製造し、食料危機を救おうとしていた。しかし、その魚を食べたワスの部下・プーリチが急に血を吐いて病院に運ばれる。
プーリチは死亡するも起き上がり、ゾンビになってしまう。ゾンビとなったプーリチは、医者や看護師、他の患者に噛みつき食べ始める。
ウイルスが広がり、ゾンビ化した人間たちがどんどん増えていく。
リンはゾンビから逃げ惑っていた。
シンは病院が危機的な状況であることを知って病院に駆けつける。病院は特殊部隊に封鎖され、誰も外に出られないようになっていた。
病院内に入ったシンは、ムエタイで病院内のゾンビを倒していく。そして少年バディと出会った。
登場人物・キャスト
シン(元ムエタイ戦士)|cast マーク・プリン
リン(医者)|cast ニチャー・ナタニチャー
バディ(母を探す少年)
ワス(タイの危機を救った男)
ネタバレなしの感想
ムエタイのローキックでウォーキング・デッドに出てくるネチョネチョ系の足を折る!またはハイキックでゾンビの頭部を蹴り飛ばすなど、そういった派手なアクションを期待していた。
しかし思ってたのと違うこれ。。。
ムエタイ映画といえば『マッハ』が有名だけど、マッハ×ゾンビ映画という感じではなくて、イケメンで強いお兄さんがなんとなくムエタイしてる感じ。
頭部への肘や膝蹴りなどムエタイ特有の攻撃をゾンビに食らわせる格闘シーンに若干の見応えはある。
ただアクションがめちゃくちゃすごいかと言われると、撮影技法や編集なども相まって超クオリティが高いとは言えないと感じた。
ゾンビのイケメンの顔面肘打ちや膝蹴りは強力だけど、それくらいでゾンビが戦闘不能になるはずはない。
特殊部隊は銃を使ってゾンビと戦ってそれでも食われるけれど、主人公はムエタイのキックや膝打ちだけでゾンビを戦闘不能にしている。主人公補正の模範例。
また主人公が病院にヒロインを助けに行くだけで、ストーリーも薄っぺらい。キャラの背景がしっかり描かれておらず、感動できるはずのシチュエーションでもあまり感動できない。
おすすめできません。
『ザイアム:バトル・イン・ホスピタル』ネタバレ・ラスト結末解説
バディは母親を発見。しかしバディの母は噛まれておりゾンビになりそうだった。
バディのお母さんはゾンビになり、育児室の赤ちゃんたちを食べ始める。バディは泣きながらシンに連れていかれる。
シンはついに恋人のリンを発見。ムエタイでゾンビを倒しながらリンを助けた。
病院にはワスと病気の妻もいた。ワスは病気の妻を救いたくて、自分が製造した魚を食べさせていた。
有力者のワスを助けに救出部隊が屋上にヘリを着陸させて突入してくる。
救助部隊がシンをゾンビと勘違いして撃ってしまう。シンは肩を打たれて倒れるが、なんとか起き上がる。シンは救出部隊の隊長と戦い、なんとか彼を倒した。
スプリンクラーから水が出る。水を浴びたゾンビたちは、深海魚のアンコウのように口が裂ける進化を見せた。
ワスの妻アンも魚を食べていたため、スプリンクラーの水でゾンビ化し、ワスに噛みつく。ワスは死亡。
シンはリンとバディを連れて屋上へ向かう。シンは追ってきたゾンビのおとりになり、リンたちを先に屋上へ向かわせる。
リンたちは屋上で特殊部隊に保護されてヘリに乗せられた。
シンは車の中でゾンビに囲まれて絶体絶命の状況だったが、車が爆発してなんとか助かる。
病院の建物全体に特殊部隊が仕掛けた爆弾が設置されており、爆破時刻が迫っていた。
シンはなんとか屋上にたどり着くが、リンやバディが乗ったヘリが飛び立ってしまう。
リンはシンを見て涙を流していた。
シンはドアから出てきたゾンビたちをムエタイで倒しまくる。
爆弾が爆発しビルが倒壊。
その後、リンは田舎に引っ越し、平穏に暮らしていた。
シンは病院が倒壊したあとの瓦礫の中から現れ、ムエタイでゾンビを倒していた。シンは生きていた。
『ザイアム:バトル・イン・ホスピタル』感想と評価(ネタバレ)
良かった点
グロテスクなゾンビが正面から迫ってくる迫力はなかなか凄かった。
また、この映画のゾンビ化は魚が保有していたウイルスの感染によって引き起こされるため、スプリンクラーで水を浴びると、口が魚の形態になる。そのアイデアは新鮮で面白かった。
バディの母親がゾンビに変貌した後、自分が守ろうとしていた育児室の赤ちゃんを食べてしまうシンは、ゾンビ映画特有のグロテスクさ、秘密感の崩壊があって良かったと思う。
あとは人々がゴッキーを食っている最悪なディストピア感は良かった。
ダメな点:シナリオが薄っぺらい
ストーリーが薄っぺらく、ツッコミどころも多くて、とにかく残念。
主人公・シンはリンのために危険な仕事をして、リンはそんなシンを心配する。いつしか二人の気持ちがすれ違っていく。
そういう人間ドラマが垣間見えるが、二人の背景などがあまり描かれていないため、感情移入や共感ができなかった。
また、少年バディと母親の物語についてもゾンビ映画のテンプレに終始。ママがゾンビになってしまってバリーが泣き叫ぶみたいなあるあるパターンをまた見せられた印象だった。
特殊部隊がシンをゾンビと間違えて撃ってしまうんだけども、撃ってしまうのは分かるとして、その後になぜシンと特殊部隊の人が戦わなければならなかったのかよく分からなかった。
お前らゾンビと戦えよ。
あとはシンがとにかく無敵。主人公補正がかかりすぎ。
シンがゾンビに追われて車の中に逃げ込む→車が爆発して囲んでいたゾンビは全滅したにも関わらず、シンだけは無傷だったりするのも意味が分からない。
最後にシンが屋上へたどり着くシーンも、走ったら明らかにリン達が乗っているヘリに間に合いそうだった。演出的な“間に合わなかった感”が強すぎて違和感があった。
極め付けは、ビル中に仕掛けられた爆弾でビルが崩壊したにも関わらず、シンは生きているっぽいラスト。これは続編を狙っているのか?
よく分からないけども、シンの不死身っぷりには全くリアリティがなくて、共感できなかった。
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