映画『アンティル・ドーン』ネタバレ酷評と考察,タイムループで何度も死ぬ!謎を解説

2.5

映画『アンティル・ドーン』(Until Dawn)

映画『アンティル・ドーン』(Until Dawn)を鑑賞。

PlayStation 4の人気ゲームを原作とした本作。

主人公たちが山荘でタイムループに囚われ、何度も死にまくる衝撃のグロホラー

  • あらすじ
  • ネタバレなしの感想
  • ラスト結末のネタバレ解説
  • ストーリーの意味を考察
  • 良い点・悪い点のぶっちゃけ感想&評価

これらを忖度ゼロで徹底解説していきます!

映画『アンティル・ドーン』あらすじ・作品情報

日本公開:2025年8月1日
長さ:1時43分
英題:Until Dawn
監督:デヴィッド・F・サンドバーグ( 『アナベル 死霊人形の誕生』『シャザム!』)
脚本: ゲイリー・ドーベルマン/ブレア・バトラー
原作:PlayStation 4 ゲーム「UNTIL DAWN -惨劇の山荘-」2015(ソニー)
制作:スクリーンジェムズ(『ヴァチカンのエクソシスト』『ドント・ブリーズ』)
配給:ソニーピクチャーズ

 

映画アンティルドーンの主要メンバー

©︎ソニーピクチャーズ

映画『アンティルドーン』あらすじ:主人公・クローバー(エラ・ルービン)は、1年前に失踪した姉・メラニーを探すためにグロア・バレーという地域にやってくる。

親友のミーガンや元彼のマックス(マイケル・チミノ)、友人のニーナとエイブも一緒だった。クローバーたちは車でグロア・バレーの観光案内所(山荘)に到着。そこは無人で20年前から時が止まっているような不気味な場所だった。

壁にはこの地で行方不明になった人たちの写真が載せられている。メラニーの写真もあった。ニーナが台帳に名前を書く。メラニーの名前が何行も書かれていた。

日が暮れると建物にあった砂時計が勝手に逆さになる。

夜になると謎の殺人鬼・ウェンディゴが現れ、クローバーたちはあまりにも酷い方法で惨殺されてしまう。

しかし全員が殺された直後に時間がさかのぼり、クローバーたちは生きている状態で日暮れどきにタイムバックしていた。

確かに殺された記憶がある。しかしなぜか生きていて、時間も戻っている。

クローバーは隣の建物にいた魔女から「夜明けまで生き延びれば助かるが、13回殺されれば夜の一部となり二度と外の世界に戻れない」と告げられる…。

相関図 登場人物/キャスト

映画『アンティル・ドーン』人物相関図

©︎ソニーピクチャーズ

クローバー|cast エラ・ルービン(『アイデア・オブ・ユー 〜大人の愛が叶うまで〜』『フィアー・ストリート プロムクイーン』)

マックス(クローバーの元彼氏)|cast マイケル・チミノ(『シニアイヤー』)

ミーガン(クローバーの親友)|cast Ji-young Yoo

ニーナ(クローバーの友達)|cast オデッサ・アジオン(Netflix『グランドアーミー』)

エイブ(ニーナの彼氏)|cast ベルモント・カメリ

メラニー(失踪したクローバーの姉)|cast マイア・ミッチェル

ドクター・ヒル(謎の男)|cast ピーター・ストーメア(『ファーゴ』)

ネタバレなしの感想

映画アンティル・ドーンの怪物

評価は5点中2.5点

ゲームが原作だけあって何度もタイムループする不穏な世界観は確立されている。

主人公・クローバーたちが残酷な方法で何度も殺されるスプラッターシーンが見どころ。

R18+指定でかなりグロテスク。目ん玉が飛び出るシーンや、足が千切れるシーン多数。グロいの苦手な人は要注意!

怪物・ウェンディゴに殺されるシーンにはキャッチーさもあり、デヴィッド・F・サンドバーグ監督の独特のセンスが伺える。

肝心のストーリーは…全く怖くもないし面白くもない

基本ジャンプスケア(いきなり出てきてビビらせる)がメインで、物語自体に恐ろしさを感じなかったのが残念。

近年は『ファイブナイツアットフレディーズ』などゲームを実写化した映画がヒットしており、『アンティル・ドーン』も原作ファンがゲームを再現した世界観を楽しむための作品だと感じた。

原作ゲーム未プレイの私にとっては、オチが弱い意味不明なストーリーは退屈で眠くなった。

1本の映画としてはストーリー面で消化不良感や不満が残る

ちなみに調べてみると、原作ゲームとは全く違う映画になったらしい。原作ファンも困惑で、1本の映画としても物語が弱い。なぜこうなった?

映画『アンティル・ドーン』ネタバレラスト結末の解説

タイムループで何度も死にまくる!

生き返ったクローバーたち。山荘の向かいに怪しい家が出現しているのを見つける。

不思議な力によってクローバーはその家に引きずり込まれた。家の中には魔女がおり、クローバーは取り憑かれて暴走。結局、全員がまたウェンディゴに殺された。

また生き返ったクローバーたち。今度は水道の水を飲むと、みんな体が爆発して死亡した。

クローバーは怪物化した姉・メラニーに襲われた。ここで失踪してループから抜け出せず、怪物化してしまったのだ。

怪物化した姉・メラニー

クローバーたちは山荘にある資料を見て、このグロア・バレーは炭鉱の村だったが、20年前に炭鉱のせいで地盤沈下があり住人1100人が犠牲になったと知る

さらに資料を調べると、ドクター・ヒルという人物が炭鉱事故の生き残りを治療する過程で怪物化することを突き止め、何人も監禁して実験を繰り返していることがわかった。

ドクター・ヒルは近くでクローバーたちを観察していた。

衝撃のラスト結末

クローバーたちは夜明けまで生き延びることに失敗し続け、何度も殺されることを繰り返す。

体は復活するがダメージを負ったり怪物化したりしている部分がある。これまで12回死亡し、次で13回目だった。

山荘の台帳に書かれている他の失踪者の名前は13行まで。13回目を失敗すると全員怪物化してしまいこの世界から逃れられない

ミーガンがいない。クローバーたちは建物から出て炭鉱に入り、ドクター・ヒルの施設へ。

クローバーは襲いかかってきた姉・メラニーを鉄に串刺しにして倒した

施設にミーガンが監禁されていた。

クローバーはドクター・ヒルに水を飲ませ、彼を爆死させる。

クローバーはミーガンを助け、マックスやニーナ、エイブたち全員でなんとか炭鉱から地中へ這い出した。

夜が明ける。クローバーたちは死の無限ループから解放され、元の世界に戻った

エピローグ:ある雪山の別荘を監視している謎の人物がいた。

映画『アンティル・ドーン』考察

結局、死が無限ループされる世界はなんだったのか?

抽象的な捉え方をすれば、グロア・バレーは母に死なれて姉が失踪したクローバーの深層心理が具現化、ビジュアル化されたものなのだろう。

ひとことで言えばサイコセラピー映画。

クローバーは去年だけで2回も自殺未遂するほど精神的に追い詰められ、生きることに絶望していた。

親友のミーガンや元彼のマックスはクローバーを支えようとする。しかしクローバーの負のエネルギーに負けてサポートをしようとしていた自分たちまで精神的なダメージを負ってしまう。

ケアをする人間まで精神的な闇に取り込まれる。そんな現実を可視化した世界観だと思った。

ストーリーには、主人公・クローバーが精神的なトラウマを克服する意味が込められている。

映画『アンティル・ドーン』感想と評価(ネタバレ)退屈なグロホラー

グロテスクな怪物のビジュアルは素晴らしかった。殺されるシーンにショッキングなものが多く、そこが本国アメリカでも評価されたそう。

個人的にマックスが目を貫かれて目ん玉だけが残るシーンや、水を飲んでしまったミーガンの足やお腹が爆発するシーンがグロつキャッチーで見応えがあった。

ジャンプスケアのタイミングも良き。

マックスが怪物化したメラニーに立ち向かおうとして自分から水飲んで自爆する演出に爆笑。水飲んだら体が爆発しちゃうんだって!!でも本人たちは前回死んだ時の記憶が曖昧なようなので仕方ない。

グロテスクな展開の中にどこか緊張感が抜けるシーンを入れ込んでくるセンスは抜群。

ただストーリーは意味不明な点が多すぎる。結局、なぜタイムループを繰り返して13回失敗すると怪物化するのか最後までわからなかった

知りたいなら原作ゲームをプレイしろってこと?それって1本の映画としてどうなの?

またタイムループ系にもかかわらず、謎解きをしないでなんとなく生還するストーリー構造にしたのか理解できない。そこにカタルシスはあるんか?

謎を解きながら核心に迫り、最後に大きなどんでん返しがある。それがタイムループものの醍醐味だと思っていたが本作はその点をまったく重視していないようだ。

主人公たちは山荘にあった資料やビデオテープを見てドクター・ヒルが黒幕だとわかるあっさりした流れ。

しかし、ドクター・ヒルが何をしたいのかもわからない。見ていてストレスが溜まった。

ヒロインのクローバーは姉を探しにきたはずだが、姉が怪物化しているとわかると最後には彼女を殺害。姉の存在に囚われないで生きる決意表明なのか。

姉を助けに来たのにこれでいいの?って感じの結末だった。

まとめ:世界観や演出は素晴らしかった。しかし登場人物が何度も死ぬだけで、映画としてストーリー展開やオチが弱い。

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この記事を書いた人

映画やドラマの考察歴5年。映画好き歴20年。映画鑑賞累計2000本前後。ドラマは数百本。Webライター歴8年。いくつかのメディアでの執筆歴あり。映画やドラマの本質を追求するような解説や考察が書けるように日々精進しています。パーソナルな感想に普遍的な何かが少しでも宿っていれば幸いです。

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