2024年12月29日21時から放送された『グランメゾン東京のスペシャルドラマ』を鑑賞。
ドラマ11話の続編でありながら、映画『グランメゾン・パリ』の前日譚でもある本作。
あらすじとネタバレありのラスト結末解説。映画の予習にどうぞ。
そして最後にリンダさん並みに忖度なしの感想レビューをぶっちゃけます。
映画『グランメゾン・パリ』のネタバレ感想レビューはこちら↓
『グランメゾン東京スペシャル』あらすじ
ミシュラン三つ星を獲得して順風満帆かと思われたレストラン・グランメゾン東京。しかしコロナの猛威が飲食店に襲いかかり、営業できない時期が続いて資金難に陥った。
シェフの早見倫子(はやみ りんこ/鈴木京香)は京野陸太郎(きょうの りくたろう/沢村一樹)に相談して大手企業NEXと提携することを決める。出資してもらう代わりに冷凍食品の開発や宣伝をしなければならなかった。
業務提携によって倫子がレストランに関わる時間が減る上に、料理の権利までNEXに持って行かれたため、グランメゾン東京の評判は落ち、ミシュランの星も失った。さらにリンダ(冨永愛)に酷評記事まで書かれてしまう。
倫子は栞奈(くずみ かんな/中村アン)と一緒にメイユール京都というレストランへ。
シェフは湯浅利久(ゆあさ りく/窪田正孝)だったが、そこでスーシェフをやっていた尾花夏樹(おばな なつき/木村拓哉)と再会する。
尾花は世界中のレストランで働きながら修行をしており、パリに店を出すことになったという。尾花はその前に落ちぶれたグランメゾン東京を潰すと宣言した。
倫子は怒り、その勝負を受けて立つ!と叫んだ。ミシュランの審査が迫る…。
『グランメゾン東京スペシャル』ネタバレ・ラスト結末
栞奈はNEXに出向してレストランやシェフを商品化するフードブランドビジネスに可能性を感じた。
同時にグランメゾン東京はもう終わるべきだと考え、社長の明石壮介(あかし そうすけ/北村一輝)にグランメゾン東京との契約を破棄して新たにメイユール京都と提携することを打診する。
尾花と湯浅の料理を食べた明石は了承し、パリの出店にも出資すると決めた。
グランメゾン東京の平古祥平(ひらこ しょうへい/玉森裕太)、芹田公一(せりた こういち/寛一郎)、松井萌絵(まつい もえ/吉谷彩子)は栞奈と尾花の裏切りに激怒する。
尾花と湯浅がグランメゾン東京にやってきた。祥平は湯浅とエビ料理で勝負して敗れる。
尾花は、終わらせてやるよと宣言した。
明石が契約を破棄したことでグランメゾン東京は資金難におちいる。京野は資金調達に奔走するがうまく行かない。
倫子と京野は相談して店を閉めることを決意。祥平たちを雇ってくれとgakuの丹後学(たんご まなぶ尾上菊之助)に頼みに行く。
しかし丹後は、祥平たちを引き抜こうと思ったが断られ、その上金を貸してくれと言われたと笑う。
倫子は祥平たちの店を続けたい思いに気づき、再起を決意。しかし自分の料理の権利は契約破棄後もNEXが1年間保持するため、祥平にシェフの座を譲ることにした。
メンバーは再び団結し、最高のコース料理を作ろうと死に物狂いで努力を重ねる。
明石はリンダをメイユール京都に呼び、料理を食べさせる。そのあとでグランドメゾン東京へ連れていった。満腹のときに料理を食わせて再び酷評記事を書かせる狙いだった。
リンダ、尾花、湯浅、栞奈がグランメゾン東京の新しいコース料理を食べることになる。
シェフ・祥平とチームが作り上げた料理は完璧だった。リンダは微笑む。
尾花は祥平に頭を下げ、ごちそうさまでしたと言った。リンダは高評価の記事を掲載した。
グランメゾン東京はミシュランで1つ星を獲得。倫子や祥平たちは歓喜する。
相沢瓶人(あいざわ かめひと/及川光博)がやってきて、すべては尾花がグランメゾン東京を復活させるために仕組んだことで、自分と栞奈も協力していた…と真実を話した。
メイユール京都は閉店し、湯浅もグランドメゾン東京の一員になることになった。
尾花は明石に契約破棄を告げ、パリの出資も断った。
パリへ向かおうとする尾花。倫子がやってきて、今度は私があんたに三つ星を取らせてやる!と言った。相沢と相談して尾花のパリの店でスーシェフをすることに決めたという。京野もパリに移る予定だった。尾花はパリで三つ星を取ることを決意する。
『グランメゾン東京スペシャル』感想:壮大な前日譚
映画のために、ドラマの11話で作り上げたものを上手いことぶち壊した物語。
スペシャルドラマは面白かったけど全11話のドラマと比べると勢いが控えめで、あくまで映画『グランメゾン・パリ』の前日譚という印象だった。
面白かったのは祥平たちが引き抜かれるか?と思わせて断っていたところ。うまいこと演出で意外性が生まれていた。
あとはやっぱり、倫子が最後に尾花に「三つ星を取らせてやる」と宣言したシーン。
倫子は尾花のおかげで三つ星を取れたから(ドラマの最終回)今度は尾花にその恩を返す。超感動の立場逆転劇。2時間はこのためにあった!と思わせてくれるメインディッシュ的なシーンだった。
『マイファミリー』や『全領域異常解決室』も担当していた黒岩勉さんの脚本好きだなあとしみじみ。
そしていつも通り、出てくる料理はどれも美味しそう。舌鼓。
微妙だった点は、このスペシャルドラマにおいて主人公は誰なのかわからなかったところ。
東京を若いメンバーに任せておばさんとおじさんはパリへ行くフライパン熱々の引き継ぎ物語だったはず…しかし強く物語を引っ張る主人公が不在だったせいで、あくまで『グランメゾン・パリ』の壮大なプロローグにとどまっていたと感じた。
キムタク(尾花)は仕掛け人に徹していた印象だが、代わりに倫子や祥平が強烈に物語を引っ張っていたわけでもない。そんな中途半端な感じが気になった。
あとはまさかの尾花がみんなを騙していた結末にはちょっと笑ってしまった。壮大なドッキリじゃん。
極め付けは本編ではなくCMで流されたMizkanとのコラボ商品「グランメゾン・パリ トリュフ香る蛤のマリニエール風スープ」!
ドラマ本編ではメンバーは大衆向け商品開発に否定的だったのに、番組自体はガッツリコラボしてるじゃないですか!笑ってしまったが資本主義って怖いとも思った。ちょっと食べてみたい(うまく戦略にはまっている私)。
何はともあれ、夢を追い続けるおじさんとおばさんたちの青春にはやっぱり感動。映画『グランメゾン・パリ』が楽しみ。
映画『グランメゾン・パリ』の解説・考察レビューはこちら↓
コメント