髙橋海人と中村倫也でドラマ化もされた『DOPE 麻薬取締部特捜課』の原作小説を読了。
木崎ちあきさんによる原作も、テンポがよく、キャラクターも魅力的でハードボイルドで楽しめた。
- 原作とドラマの違いを表で解説
- 原作のあらすじネタバレ・ラスト結末
- ラストの意味やジウの謎について徹底考察
これらを解説してきます。
『DOPE 麻薬取締部特捜課』ドラマ版の全話ネタバレ解説&考察はコチラ↓

『DOPE 麻薬取締部特捜課』原作とドラマの違い
項目 | 原作小説 | ドラマ版 |
---|---|---|
才木の過去 | 依存者の母・美和子に虐待されて育つ。妹はいない。 | 幼少期に母と妹といた際にドーパーに襲われ、陣内に助けられる。 |
才木の家族 | 美和子は麻薬依存者。更生の見込みがない人物で施設に収容中。妹・結衣はいない。 | 美和子は能力者として描写。妹・結衣が登場。 |
陣内との関係 | 陣内との過去の直接的な接点はなし。バディとして関係構築。 | 12年前に才木を救っていた。 |
山口始(厚労省) | 登場しない。 | 伊藤淳史が演じるキャラとして初回に登場。 |
椿(捜査一課) | 登場しない。 | 登場。 |
白鴉のジウ | 登場はするが出番はそこまで多くない。 能力は不明で、能力者かも謎。 |
序盤から積極的に登場する中心人物。 |
泉ルカ | 登場しない。 | ジウの相棒として登場。演-久間田琳加。 |
ニコラスの立場 | 元犯罪者でスパイ。特捜課と裏で繋がっている。 | 特捜課の正規メンバー。 |
能力描写 | 一部キャラは能力未公開。サスペンス重視。 | 各キャラにしっかり異能力が設定されている。バトル多め。 |
トーン・雰囲気 | ハードボイルド | 映像映えするアクション |
原作小説とドラマで設定が大幅に違う。
才木が少年時代(12年前)に母と妹と一緒のときにドーパーに襲われそうなところを、警察特殊部隊の陣内が助けてくれたエピソードは原作にない。
原作では才木に妹・結衣がいない。母・美和子は能力者ではない。
原作では美和子は才木が幼い頃から麻薬依存者で、才木に暴力をふるっていた。
美和子がわりと救いようのない依存者で、施設に収容されている。
原作には厚生労働省の山口始(伊藤淳史)が出てこない(逆にいうと敢えてドラマで出しているということは重要人物。のちのち再登場?)。
捜査一課の椿も出てこない。
原作では白鴉のジウの登場シーンが意外と少ない。ジウの能力は明かされておらず、そもそも能力者かも不明。
泉ルカは出てこない。
原作のニコラスは麻薬取締官ではなく、特捜課に情報を流すスパイ(元犯罪者)。
『DOPE 麻薬取締部特捜課』原作あらすじ
近未来の日本では新型ドラッグ“DOPE”が流行。
DOPEを摂取して異能力者・ドーパーになる者も増えている。
麻薬取締部特捜課のメンバーは先天性の能力者たちで構成されていた。
そこに新人の才木優人が配属されてくる。未来予知の能力を持っていた。
才木の教育係となったのが超視力を持つ陣内鉄平。
才木は麻薬依存者で構成施設にいる母のことで悩んでいる。
才木と陣内がDOPE絡みの事件を捜査しつつ、陣内は妻・香織の死の真相を突き止めようとしている大まかな流れがある。
正反対の性格と能力を持つ2人がバディとなり“DOPE”による異能力事件を解決!
『DOPE 麻薬取締部特捜課』ネタバレ・ラスト結末解説
陣内は警察官時代にシンジケート・白鴉(はくあ)の先代ボスを殺し、次の代のボスがジウ。
妻・香織を殺して獄中で自殺した人物・臼井の背中に白鴉のメンバーの証拠である翼の刺青があった。
そのため陣内は白鴉の中に真犯人がいると考えて調べていたが、ジウと会い白鴉は関係していないと知る。
陣内はマトリでありながら白鴉のメンバーとなり(背中に翼の刺青がある)、ジウから妻殺しに関する情報を提供してもらい、代わりにマトリの捜査情報を流していた。
ジウ側にも陣内の妻殺しを白鴉のせいにした人物を調べる目的があった。
真犯人は陣内の警察時代の同期で警視庁捜査一課の戸倉、本郷、そして仁龍会の若頭・窪(くぼ)だった。
戸倉には臓器移植が必要な娘がおり、ドナーがいなかったため国内最大の裏組織・仁龍会にドナーの提供を依頼。本郷は仁龍会にギャンブルの借金があった。
戸倉たちは、仁龍会の若頭・窪から「警察が押収した3億円を横領しろ」と命令されて仕方なく実行。成功して金を渡せば、戸倉にはドナーの提供。本郷は借金をチャラにされるという条件だった。
本郷は窪にDOPEの横流しもしていた。
陣内の妻・香織はジャーナリストで3億円盗難事件の真相をつかもうとしていた。戸倉、本郷、窪の3人は自分たちの事件がバレないかと相談する。
そこで戸倉が陣内を飲みに付き合わせている間に、窪が雇った暗殺者・嘉賀が香織を殺した。(嘉賀は陣内に殺される)。
窪は白鴉の刺青を彫らせた臼井を身代わりとして出頭させ、白鴉の犯行に見せかけた。
陣内は戸倉を殺そうとしたが、才木が止める。陣内は出頭して刑務所に収監されるが、1年後にマトリのスパイとして現場復帰しないかと提案される。
これが原作小説の結末までの流れ。
ラストの意味を考察:黒幕はジウなのか?
ジウは、香織の殺人事件の真相を知っていたにもかかわらず、陣内に真相を話さず、ずっと利用していたであろうことは示唆されていた。
ジウに関しては白鴉のボスで、陣内を利用していたこと以外に多くのことはわかっていない。
ジウが黒幕であることは確定できないものの、仁龍会の窪と裏で繋がっていて、陣内が白鴉を疑い、そのあとで仲間に引き込もうと計画していたのかもしれないとも考えた。
終盤で陣内が本郷の自白映像のデータを才木に届けた理由が気になった。
陣内は才木に血塗られた復讐を果たしそうな自分を止めて欲しかったのだろう。
才木の存在がなければ、陣内は暴走して戸倉だけではなく彼の妻や息子にまで手をかけたかもしれない。
その他では、陣内がタバコを吸い始めたのは妻の死後からで、妻がよく吸っていた銘柄の香りで妻の喪失を埋めていた設定にグッときた。ハードボイルドでかっこいい!
ドラマ『DOPE 麻薬取締部特捜課』最終回まで全話ネタバレ&考察はコチラ↓

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