韓ドラ『あなたが殺した』(당신이 죽였다. As You Stood By)を鑑賞。
- あらすじ
- キャスト画像解説
- ネタバレなしの見どころ、感想
これらの情報をまとめました!
Netflix韓ドラ『あなたが殺した』作品情報、原作は?
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 韓国語タイトル | 당신이 죽였다 |
| 英語タイトル | As You Stood By |
| ジャンル | 犯罪 / ミステリー / スリラー |
| 原作 | 日本の作家・奥田英朗の小説『ナオミとカナコ』 |
| 製作会社・配信 | 「スタジオS」「ゴーストスタジオ」「映画社ミジ」など。 配信プラットフォームは Netflix。 |
| 配信日時/話数 | 2025年11月7日 16時から全8話一挙配信。 |
| 制作スタッフ | 監督:イ・ジョンリム(『VIP』『悪鬼』等演出) 脚本:キム・ヒョジョン(『ラスト・プリンセス 大韓帝国最後の皇女』) |
奥田英朗の小説『ナオミとカナコ』の韓国版リメイク作品。2016年には広末涼子、内田有紀主演で日本のドラマも制作されている。
韓ドラ『あなたが殺した』あらすじ
夜の帳が下りた家庭の扉の内側――そこで静かに、しかし確実に“歪み”は育まれていた。ジョ・ウィスは夫ノ・ジンピョから繰り返される家庭内暴力に押しつぶされる寸前。かつて自分が輝いていた“作家”というアイデンティティも影を落とし、彼女は暗い湖底に沈みつつあった。そのとき、親友ジョ・ウンスが手を差し伸べた。
ウンス自身もまた、過去の傷を引きずる女性だった。彼女はウィスの苦しみを目撃し、「もうこれ以上は耐えられない」と感じ、ある“極端な提案”を口にする。――“夫を殺そう”と。
その瞬間から、二人の女性の運命は、平穏という名の偽りの水面下で蠢き始める。計画は綿密に練られ、しかし予想もしなかった人物が割り込んできた。チン・ソベク。影の中にいる男。彼の存在が、殺人という決断を曖昧なものにしながら、彼女たちの心と行動を揺さぶる。
やがて、ウンスとウィスは「生きる」ために、そして「殺さなければならない」現実のギリギリの境界で揺れ動く。死と暴力の狭間で浮かび上がるのは、救いとも裏切りとも呼べる“連帯”のかたちだった。
── 彼らは誰かを殺したのか、あるいは誰かに殺されたのか。あるいは、“あなた”が殺したのか。タイトルが問いかけるその意味は、8話の終わりにこそ深く刻まれる。
韓ドラ『あなたが殺した』キャスト
ジョ・ウンス|cast チョン・ソニ

過去のトラウマを抱えながら日常を送る女性。親友ウィスの苦境を目にし、思い切った提案をしてしまう。
ジョ・ウィス|cast イ・ユミ

かつて有望だった作家だったが、夫の家庭内暴力に囚われている。心が折れそうで、しかし何とか変わろうとする。
ノ・ジンピョ/チャン・ガン|cast チャン・スンジョ

(1人2役) 外見は成功したビジネスパーソンの“夫”ノ・ジンピョだが、内面には病的な執着と暴力性を潜ませる。“同顔”別人格としてチャン・ガンが存在。
チン・ソベク|cast イ・ムセン

古びた会社“チン・ガンサンフェ”の代表。ウンスとウィスの前に現れ、影響を及ぼす秘密を抱えた男
その他のキャストまとめ
| 役名 | 役柄 | 俳優 |
|---|---|---|
| ノ・ジンヨン(捜査官) | 犯罪捜査の視点を提示する刑事。事件を追う立場として物語の影を伸ばす存在。冷静な観察眼を持ち、真実を追う姿勢が主人公たちの焦りを浮かび上がらせる。 | イ・ホジョン(Lee Ho-jung) |
| ―(特別出演) | “特別出演(カメオ)”としてクレジット。短い出番ながらも、物語の鍵となる象徴的な登場人物を演じる。彼女の一言が物語の転調点となる。 | ハン・スヨン(Han Su-yeon) |
| ― | 家庭内暴力というテーマに深く関わるサブキャラクター。被害者・加害者双方の心理を映す“鏡”的存在。 | ソ・ヨンヒ(So Young-hee) |
| ― | 役名は未公表だが、“外部者”としてウンスとウィスの計画に予期せぬ影響を与える役柄とされる。観察者的立場から二人の友情に疑念を差し込む。 | キム・ヘユン(Kim Hye-yun) |
| ― | 物語の背景で社会的視線を代弁するキャラクター。被害者を囲む世間の“沈黙”や無関心を体現。 | ユン・ジヒョン(Yoon Ji-hyun) |
| ― | “目撃者”または“通報者”的存在として描かれ、主要二人の行動を偶然の形で変えてしまう。事件の引き金を握る人物。 | パク・ソンウ(Park Seong-woo) |
| ― | ジョ・ウンスの過去とつながる人物。回想シーンで断片的に登場し、彼女のトラウマの源を象徴する存在。 | チョン・ミナ(Jeon Mi-na) |
| ― | チン・ソベクが関わるビジネスの側面を担い、企業と暴力の結節点を示す。権力構造の“裏”を匂わせるキャラクター。 | カン・ヨンチョル(Kang Yeong-cheol) |
| ― | メディア関係者として事件の“報道”を担当。言葉や記事が人を追い詰める現代的テーマを映す。 | イ・チャンウク(Lee Chang-wook) |
| ― | 被害者支援団体の相談員、または被害者の家族として登場。救済と混乱の狭間に立ち、主人公たちの罪悪感を刺激する役割。 | オ・ジヒョン(Oh Ji-hyun) |
ネタバレなし感想と見どころ
このドラマには、ただの“スリラー”以上の甘くて苦い陰影が刻まれている。以下、特に注目したいポイントを挙げる。
女性二人の“救出”ではなく“共犯”の構図
普通なら「主人公を救おう」的な物語になるところを、「救われる者」と「救う者」が共に暴力に対抗し、時に暴力を選択肢に入れる構造が異質だ。ウンスとウィスの関係性が“友 → 共犯者”へと変質していくその転換は、観ているこちらの胸をざわつかせる。
また、監督イ・ジョンリムが語るように「身体と身体の直接的接触を可能な限り排した演出」で、暴力の“質感”を視覚的に直視させながら、被害者の視点を丁寧に捉えている。
キャラクターの“二重性”が生む緊張
ノ・ジンピョ/チャン・ガンという同一俳優による二役が示すように、外と内、顔と裏、光と影という二重構造が随所にある。見た目は整った成功者、しかし内に蔵した暴力と執着。変わるのは髪型だけ、ではなくて“意志”そのもの。これが物語の底流に“迷宮”を生み出してくれる。
ウンスとウィスもまた「傷ついた女性」から「決定を下す女性」へシフトする。弱さ=そのまま放置、ではなくて、弱さを突破口に変える直線的な動きが生むドラマ性が際立っている。
タイトルの意味を回収するラストエピソード群
「あなたが殺した」というタイトルには複数の読みが存在する――“あなた(誰か)が殺した”“あなた(私)が殺した”“あなた(傍観者)が殺した”。監督自身が「8話を観終わった後、タイトルの意味をもう一度深く考えてほしい」と語っており、ラストにかけてその問いが積み重なっていく。
特に第4話あたりで訪れる“ドライブ&花火”のシークエンスが、逃避と解放と崩壊を同時に描いており、視覚的にも策的にも印象深い。
社会問題=家庭内暴力のリアルな取り込み
家庭という“安全領域”に潜む暴力をテーマに据えながら、単なる“被害者側のカタルシス”では終わらせていない。監督・製作陣が家庭内暴力(DV)被害者の視線にも配慮しながら構築したという背景があり、暴力シーンも過度な描写や刺激性を避けつつ“凍える瞬間”を映すことで、詰め込みすぎず静かに胸に残る余白を作っている。
控えめな豪華さ
大仕掛けなアクションや派手な銃撃戦はない。代わりに部屋の壁紙や窓の配置、影の取り方、夜の街の雑音、そんな“日常の隙間”に緊張を仕込んでいく。監督は「視覚的に見たときの刺激を常に考えた」と語っており、静かな恐怖と暴力の痕跡を交互に描いていくことで、“語られないこと”の重みを演出している。
Netflix韓国作品レビュー↓











コメント